男「ワシももう年じゃあ」 医者「・・・」 番外編「社会教師編」※未完結

756: 名も無き被検体774号+ 2011/11/19(土) 22:03:47.13 ID:AXCC3dei0

スレ埋め

番外編 社会教師

病院
ナース「おばあちゃん、よかったね?お花が届きましたよ?」

車椅子を押しながらナースはおばあちゃんの耳元で話しかける。

ばーちゃん「うんうん。うれしいねぇ。幸せだねぇ」

ナース「幸せだねぇ」

ピーポピーポ

病院に救急車が到着した。

ガラガラ

若い男性が台車に寝かされ運ばれてきた。

救急隊「階段からおちて、あたまを強打。意識はない」

ガラガラ

そのまま、集中治療室に入って行った。

ナース「・・・」

ばーちゃん「大変だねぇ」

ナース「うん。さぁ、おばあちゃんお部屋に戻りましょうね」

自宅
TV「なんでーやねーんー」

ナース「・・・」

ナースは、ビール片手にTVをながめていた。

ナースには昔、弟がいたが不慮の事故により亡くなった。

弟を溺愛していた彼女にとって、未だに傷は癒えていなかった。

ナース(男君、セクハラ親父から私を守ってくれたのよね。それで、颯爽と退院なんて随分カッコいい真似してくれるわ)

そんなナースにとって、男は弟の様な存在で心の支えでもあった。

男が退院してから、彼女の心はまた、閉ざされかけていた。

 

757: 名も無き被検体774号+ 2011/11/19(土) 22:15:03.29 ID:AXCC3dei0

社会教師「・・・あ?ここは?どこだ」

見慣れない天井。見た事もない電子機器。堪え難い静寂。薬品の臭い。

社会教師「・・・病院だな」

身体を起こすと、あちこちに激痛が走る。

社会教師「っつ!」

ナース「おきたのね?まだ安静にしてないと駄目よ」

社会教師「・・・俺は、一体どうしたんだ?」

ナース「階段から落ちて頭を打ったらしいわね。1週間寝てたわよ」

社会教師「1週間・・・そうか」

ナース「何人か見舞いにきたわよ。女性もいた見たいね」

社会教師「・・・っ!」

社会教師は頭を抑えた。

ナース「寝てなさい。まだ完治したわけじゃないのよ」

社会教師「ああ。・・・あんた名前は?」

ナース「ナース。貴方は?」

社会教師「社会でいい。悪いな、少し・・・眠る」

社会教師は眠りについた。

 

759: 名も無き被検体774号+ 2011/11/19(土) 22:27:12.99 ID:AXCC3dei0

翌日
茄子ナース「ねえ!306号室の社会さん。ちょーかっこいくない?」

タコナース「みたみた!やっべ。あれ、やっべぇ」

ナースあ「あぁ。あの人と一線超えたいわぁ」

タコ・茄子ナース「あんたには旦那がいるでしょ!」

騒ぐナース達をナースは冷ややかな目で見ていた。

ナース「馬鹿ばっかり」

 

762: 名も無き被検体774号+ 2011/11/19(土) 22:55:22.11 ID:AXCC3dei0

社会の病室
社会教師は窓際に立つと、タバコに火を付けた。

社会「・・・ふー」

ガラガラ

ナース「・・・朝食持ってきたわよ」

社会「あ。どうも。そこにおいといてくれれば後で勝手に食うから」

ナース「・・・ナースの前で堂々とタバコ吸うなんて良い度胸してるのね?」

社会「あ、悪い。」

社会教師はタバコを灰皿に押し付けると両手をあげた。

社会「・・・見逃してくれよ。」

ナース「あんた、ナース仲間に大人気よ。良かったわね」

社会「大人気?ふーん。あんたは?その仲間にはいってる?」

ナース「なわけ無いじゃない。自惚れないでよ」

社会「はは。だろうね、あんた群れなそうだからな」

ナース「・・・」

 

765: 名も無き被検体774号+ 2011/11/20(日) 02:36:56.42 ID:2aHDq/600

屋上
社会教師は手すりに持たれかかってタバコを吸っていた。

社会「・・・ふー」

ガラガラ

ナース「・・・あいつ、またタバコ吸ってる」

ナースは社会教師の隣に立った。

社会「お?あんたか、タバコ吸わないとどうも気分が悪くてな。」

ナース「身体の調子はどうなの?」

社会「まあまあかな。ちょっと幻覚が見えるけどな」

ナース「幻覚?」

社会教師は煙を吐いた。目に染みるのか、瞬きをする。

社会「水蒸気のような、煙のような。そんなもんが見える」

ナース「今は?見えてる?」

社会「例えばあそこの電信柱の脇にモヤモヤしたのが視える」

社会教師が指差す方を見るも、ナースには何も見えなかった。

ナース「何も見えないわね」

社会「幻覚だな。」

社会教師は面白そうに笑うと、また煙を吐いた。

 

768: 名も無き被検体774号+ 2011/11/20(日) 10:51:51.36 ID:2aHDq/600

ナース「事故の前には見えなかったのね?」

社会「視えなかった。脳味噌傷ついたかな?」

ナース「いいえ。MRI検査で異常は見られなかったみたいね」

社会「あっそ。」

タバコを灰皿に押し付ける。

社会「・・・人の形にも視えるんだよな」

ナース「え?」

社会「いや。しばらく入院ですかねぇ。」

ナース「残念ながらそうなるわね」

社会「ナース連中に大人気って事なら退屈はしなそうだな」

社会教師は大きく伸びをし、腰を回した。

ナース「あんまり騒ぎを起こさないでよね」

社会「大丈夫。こうみえてガッコのセンセーやってるんでね。お硬いんですよ。」

 

769: 名も無き被検体774号+ 2011/11/20(日) 11:29:50.70 ID:2aHDq/600

深夜
社会教師の病室
社会教師の病室は一人部屋である。彼は電気を付け、本を読んでいた。

社会「・・・」

部屋の隅に視線をやると、煙の様なモヤモヤした物体が視える。

カチ

社会教師は電気を消し、ベッドによこたわる。

モヤモヤした物体が見え始めた頃は、陽炎や蜃気楼の様な物だと気にも止めなかった。
しかし、日が立つにつれ、それは確かに人の形に視えるようになった。

社会「時間帯にも明るさにも関係なく視える」

暗い部屋の隅に目をやると、モヤモヤした物体は何故かハッキリと視認出来た。

社会「・・・タバコ。もう無いんだよな」

 

770: 名も無き被検体774号+ 2011/11/20(日) 11:49:57.39 ID:2aHDq/600

翌日
ナースは、ばあちゃんの車椅子を押していた。

ばあちゃん「いつも、ありがとうねえ。・・・でもソロソロお迎えがくる頃合かねぇ。」

ナース「何いってるのよ。早く元気になってお孫さんと遊ぶんでしょ?」

ばあちゃん「そうだねぇ。」

ナースは、ばあちゃんを外に連れ出した。こういう時は外の空気を吸い気持ちを切り替えるに限る。

紅葉した木々の下、ナースはばあちゃんの車椅子を押して歩く。

ばあちゃん「気持ちいいねえ。秋の空気だねえ」

ナース「弱気にならないことよ。おばあちゃんは絶対によくなるから」

ばあちゃん「ありがとうねえ」

クシャクシャ

落ち葉を踏むとクシャクシャ音がして、ばあちゃんが喜んだ。

ナースはわざと落ち葉を踏んで歩いた。

 

773: 名も無き被検体774号+ 2011/11/20(日) 17:16:18.24 ID:2aHDq/600

社会教師の病室
社会「・・・」

朝目覚めると同時に、部屋の隅を確認する。

社会「やっぱ視えるな」

昨日は焦点が合わない様なボンヤリとした物だったが、今は割とハッキリと視認できた。

ソレは、確実に人の形をしている。

ガラガラ

ナース「朝食持ってきたわよ」

社会「よう。その辺に置いといてくれ。」

ナース「ん?壁の隅に何かあるのかしら?」

社会「・・・いや。何もない。それより、タバコ買ってきてくれねーか?金は出すから」

ナース「駄目よ。それに、私をパシリに使うなんて何様のつもりなのかしら」

社会「ちぇ。ま、いいさ。ほかのナースに頼むさ」

ナース「好きにしなさい。」

ガラガラ

ナースは出て行った。

社会「あらら。随分冷たいね。」

 

775: 名も無き被検体774号+ 2011/11/20(日) 17:35:18.13 ID:2aHDq/600

社会教師はタバコを買いに近くのコンビニに出かけた。帰りがてら公園のブランコに座る。

ロン毛ナース「あ、社会さんだ。何してるんですか?」

社会「どうも。ちょっと暇つぶしを」

ロン毛ナース「隣良いですか?」

社会「ええ。どうぞ。俺ももう戻るし」

ロン毛は社会教師の隣のブランコに腰掛ける。

ロン毛ナース「えー。ちょっとここで話ましょうよ」

社会「ま、いいけど。勤務中でしょ?」

ロン毛ナース「今は休憩中ー」

社会「へー。なら、ちょっと話相手になって下さいよ。退屈でね」

ロン毛ナース「よろこんでー」

 

776: 名も無き被検体774号+ 2011/11/20(日) 17:41:49.02 ID:2aHDq/600

@

 

777: 名も無き被検体774号+ 2011/11/20(日) 18:19:26.73 ID:2aHDq/600

社会「あ、タバコ吸って良いかい?」

ロン毛「大目にみます。」

社会教師はタバコに火を付けた。

社会「ふー。・・・あんたどれくらい務めてんの?」

ロン毛「んー?秘密です。年ばれちゃいますから」

社会「俺は中学校の社会教師やってる。」

ロン毛「へー?教卓にたってる姿が思い浮かびません」

社会「意外にマッチしてんだ、コレが。」

ロン毛「授業受けてみたーい」

社会教師は短くなったタバコを携帯灰皿にしまう。

社会「やっぱり脳に傷でもついてるかもな」

ロン毛「え?でも検査では特に大丈夫だったんですよね?」

社会「何でも知ってるねえ。・・・例えば、その滑り台の下に、小さい男の子。視えるかい?」

ロン毛「え?・・・み、見えません。何です?怖がらせるつもりですか?」

社会「俺には視えるんだよな。陽炎みたいに揺らいでる男の子」

ロン毛「・・・」

社会教師は二本目のタバコを咥えると、火を付ける。

社会「あんたも、揺らいで視えてる」

 

779: 名も無き被検体774号+ 2011/11/20(日) 18:47:29.51 ID:2aHDq/600

ロン毛「・・・」

社会「・・・」

ロン毛「お、お化けだぞぉ!」

社会「怖くないぞ?部屋に居たのあんたか?」

ロン毛「・・・うん。」

社会「・・・死んでんの?」

ロン毛「うん。・・・社会さん私の事ずっと見てたから、相手してくれるかと思って、その」

 

783: 名も無き被検体774号+ 2011/11/20(日) 23:26:47.17 ID:MkfT9TcU0

社会「・・・初対面なのに俺の名前を知ってるから驚いたが。」

社会教師は立ち上がり、クビを回した。

社会「あの煙があんたとはねぇ」

ロン毛「私が幽霊って事には驚きませんか?」

社会「あんたが死んでようが生きてようが、俺にはちょっと揺らいで視える程度の違いしかないからな。驚かないさ」

社会教師は病院に向かって歩き出した。

ロン毛(不思議な人だ。私に対してこんなに自然体で接するなんて)

社会「あんたも同じ病室だろ?帰るぞ」

ロン毛「はい!」
ロン毛(この人なら、きっと私の願いを聞いてくれる!)

 

784: 名も無き被検体774号+ 2011/11/20(日) 23:28:33.21 ID:MkfT9TcU0

病室

社会「TVでも見るか」

ボチ

TV「ワッハワッハ」

社会「・・・」

ロン毛「TV面白いですか?」

社会「いや。つまらない」

ロン毛「私とお話しませんか?」

社会教師はTVの電源を消した。

社会「そうだな。」

社会教師は身体の向きをロン毛に向けた。

ロン毛「あ、あの。お願いを聞いて・・・」

ガラ

ナース「あら、また何もない壁を見てるの?変な人ね?」

ナースは夕食を運んできた。

社会「その辺・・・」

ナース「その辺に置いとけ。よね?」

 

785: 名も無き被検体774号+ 2011/11/20(日) 23:28:44.25 ID:MkfT9TcU0

社会「・・・なあ、ナースさん、悪いがちょっとこっちにきてくれないか?」

ナースをベッド上から手招きする。

ナース「・・・そうやって、何人の女を誘ってきたのかしら?私はそんなに尻軽じゃいの。残念ね?」

社会「勘違いするな。ちょっと試したい事があるんだ」

ナース「・・・分かったわよ」

ベッドに近づくナース。

社会「よし。」

社会教師はナースの頬に右手で触れた。

ナース「!な、何するのよ!」

社会「あ、やっぱあんた生きてるのね」

バシン

社会教師は頬を叩かれた。

ガラガラ、ビシャん

社会「怒らしちまったかな?」

叩かれた頬を撫でながら、社会教師は呟いた。

ロン毛「・・・当たり前じゃないでしょうか?」

 

788: 名も無き被検体774号+ 2011/11/21(月) 19:31:45.26 ID:cP7at0q3i

社会「いただきます」

病院の質素な夕食は、それでも普段ろくな飯を取らない社会にとっては十分美味いものだった。

社会「煙ちゃん。あんた、さっきなに言おうとしたんだ?」

ロン毛「何ですかその呼び方は!」

社会「可愛いだろ?煙ちゃんて」

ロン毛「なんか凄く嫌です。煙たがられてるみたいで」

社会「嫌がられると、ますます煙ちゃんて呼びたくなるんだよな。」

ロン毛「社会さんて意地悪なんですね!嫌いだな意地悪な人って!」

社会「意地悪ねぇ。懐かしい響きだ。」

ロン毛「いい加減にしないと本当に嫌いますよ?いいの?」

社会「悪かったよ。煙ちゃんの反応が可愛らしくてついつい、からかってしまった。悪いゆるしてくれ」

クックックと楽しそうに笑う社会教師から反省の色は伺えない。

ロン毛「はい!決まり!この瞬間から社会さんの事が嫌いになりましたー!もう、無視する事にしたーっと!」

ロン毛はソッポを向いてしまった。
いつも、後悔は遅れてくるものである。

 

790: 名も無き被検体774号+ 2011/11/22(火) 02:27:57.60 ID:4le6QkXA0

妹の夫が妹より10歳若いとしても
男が105歳なら妹も90くらいだろ80のジジイが泣き喚くとか頼むとかないだろw

 

792: 名も無き被検体774号+ 2011/11/22(火) 07:05:24.56 ID:LpSSUtcE0

>>790
あの世界では、寿命が伸び、高齢化社会が更に進みました。

寿命が長いのをいい事に、大人になり切れない鼻垂れガキ見たいな大人が増え、その背中をみて育つ子供達もまた、ガキのまま成長すると言う悪循環を産む事となります。

孫も50を過ぎています。
悲しいですね・・・

これは、高齢化社会に対する皮肉なのです。

てのは、嘘ー!設定ミスじゃ。ごみんね(てへ

 

800: 名も無き被検体774号+ 2011/11/25(金) 00:20:26.81 ID:nfNxWh6o0

屋上
社会「ふー。」

社会教師は街のネオンを眺めながら、タバコをふかしていた。

廊下を歩いていたナースは、ふと視線を屋上に向けるとタバコを吸っている社会教師に気が付いた。

ナース(あ、あの変態まーた、屋上でタバコすってるわね。覗きでもしてんのかしら)

社会「・・・ふー。」

ガラ

その時の社会教師の背中には哀愁が漂っていたと後にナースは語る。

ナース「何たそがれてんのよ」

社会「あぁ、あんたか。たそがれちゃいねーさ。」

ナース「・・・私もタバコ吸っていいかしら?」

ナースは白衣からタバコをとりだすと、くわえた。

社会「・・・ナースが病院でタバコとはねぇ。世も末だな」

社会はポケットからライターを取り出すと、ナースのタバコに火を付けた。

ナース「今日は特別なのよ。・・・特別なの」

社会「・・・ふー。特別ねぇ」

ナース「・・・ふー。」

手すりに持たれて二人は会話もなく、タバコを吸っていた。

 

801: 名も無き被検体774号+ 2011/11/25(金) 00:20:37.15 ID:nfNxWh6o0

社会「・・・あまり深く考えない事だ」

唐突な社会教師の言葉に、弟を思い出していたナースは驚いた。

ナース「何の事かしら?」

社会「さあ?わからん。でも、今のあんたは中途半端だ」

ナース「は?意味がわからないわね」

社会教師は視覚の異常に関して、自分なりの結論を出していた。
煙の様に視え、他人には視えないモノ。

それは、おそらく心の塊。

例えば、ロン毛ナースが死んで体を失った時、理由はわからないが、彼女の心は消えずに残った。

彼女が揺らいで視えるのは、安定しないからだろう。何故なら体という入れ物から出た心という中身は、その場に安定して留まる事が出来ないから。

常に、少しづつ心は消えていってしまうから。

社会「あんたの心は体から少しはみ出てる。そのうち、心をなくしちまうぞ?・・・」

ナース「・・・」

社会「死にたいとか、考えてないか?」

 

804: 名も無き被検体774号+ 2011/11/25(金) 01:25:32.50 ID:nfNxWh6o0

ナース「何言い出すかと思えば、下らないわ。心がはみ出る?意味わからない」

ナースはまだ長いタバコを灰皿に押し付けた。

ナース「私はもう帰るから。」

ナースは手すりを離れ、歩き出した。

社会「まて、大事な話がある」

ナースはドアの前で立ち止まり、振り返る。

ナース「何?」

社会教師は、ナースに背を向けたまま煙を吐いた。

社会「あのばあさん。あと一週間ももたないよ」

ナース「!」

社会「・・・」

ナース「な、なんて酷い!私は貴方を軽蔑する」

社会「・・・」

ナースはドアを勢いよく閉め、階段を駆け降りていった。

社会「・・・」

社会教師は短くなったタバコを、灰皿に強く押し付けるのだった。

 

810: 名も無き被検体774号+ 2011/11/26(土) 11:53:58.71 ID:W2tfBNQA0

社会「さてと、煙ちゃんの機嫌は治ったかな?」

大きく伸びをすると、社会教師は屋上を後にした。

病室
社会「けーむりちゃん?」

ロン毛「だから!煙っていわないでっていってるのに!もう、あと一回いったら絶交ですから!」

社会「ゴメンゴメン。絶交だけは勘弁してくれ」

ロン毛「社会さんが意地悪しなければいいだけでしょ。」

社会教師は、昔から可愛い女の子をからかうのが好きだった。
だが、それは全ての男に言える事ではないだろうか?

男は可愛い女の子をからかいたくなる生物なのである。

社会「けむ・・・君は、さっきの公園で男の子を視なかったんだよな?」

ロン毛「え?あーまた、怖がらせようとしてる!」

ロン毛は社会教師以外の人間には視えない。

論理的は同じ境遇の者を視る事が出来ない。おそらく、あの男の子もロン毛の事は視えなかったのだろう。

それがどう言う事か、社会教師は瞬時に理解した。

 

811: 名も無き被検体774号+ 2011/11/26(土) 12:01:06.90 ID:W2tfBNQA0


下から何行目かの

論理的→ロン毛です

社会「・・・ずっと一人、だったんだな」ボソ

ロン毛「え?何ですか?」

社会「何でもない。それより、心ちゃんてのはどうだ?煙よりいいだろう?」

ロン毛「こころ?何でですか?」

社会「君は人の体から飛び出した心だからだ」

ロン毛「・・・お化けです。幽霊ですよ、私は」

社会「いや、違う。君は人だよ。人の心だ」

社会教師はロン毛を人と区別したくはなかった。幽霊などというと、いかにも人の心を失った人外というイメージがつきまとう。
人として、一番大事な精神が残っている以上、ロン毛は人と変わりない、そう社会教師は考えていた。

ロン毛「・・・嬉しいです。とても」

ロン毛の花の様な笑顔を見て、またからかいたくなる衝動に駆られるも、必死に抑える社会教師であった。

 

816: 名も無き被検体774号+ 2011/11/26(土) 13:54:24.51 ID:W2tfBNQA0

翌日
ナースはいつもの様に、ばあちゃんの車椅子椅子を押していた。

ばあちゃん「ナースちゃん?悪いんだけど公園まで連れてってくれないかしら。」

ナース「いいわよ、珍しいじゃない。」

ばあちゃん「こんなに天気がいいんだもの。たまにはお外の空気を吸いたいわ」

ナース「うん。でも、なんだか、今日のおばあちゃんは元気ね。」

ばあちゃん「ええ、そうかしら?ふふふ」

楽しそうに笑うばあちゃんを見て、ナースは昨日の社会の言葉を思い出していた。

「あのばあさん。あと一週間ももたないよ」

ナース(どうして、あんな事を。こんなに元気じゃない)

公園
ばあちゃん「孫と一緒に公園で遊びたいねぇ」

ナース「ふふふ。そうね、とても楽しいでしょうね。」

ばあちゃん「本当にねぇ」

無邪気に走り回る子供達を、ばあちゃんは優しく見守っていた。

ナース「さあ、そろそろ戻りましょう。寒くなってきたから」

ばあちゃん「ええ。お願いします。ねえ、ナースちゃん?」

ナース「なあに?」

ばあちゃん「明日は、弟さんの命日よね?」

ナースの足が止まり、車椅子も止まる。

ナース「・・・ええ、そうよ?それがどうかした?」

再び、車椅子は動き出した。

ばあちゃん「辛いよね。悲しいよね。」

ナース「・・・」

ばあちゃん「でも、いつまでもとらわれちゃ本当は良くないよ。死んだ人は死んだ人なんだからねぇ?」

ナース「ええ。分かってるわ。」

ばあちゃん「そうだねぇ。ナースちゃんは賢いからね?」

車椅子は病院に着いた。

 

818: 名も無き被検体774号+ 2011/11/26(土) 17:26:07.69 ID:W2tfBNQA0

病室
社会「ぷかー。・・・ぷかー」

ロン毛「ベッドで寝転びながら吸うタバコは美味いですか?」

社会「んー?美味い、ぷか~」

ロン毛「堂々と吸わないでよ。これでも、生前はナースだったんだから」

社会「ぷか~。・・・心ちゃん、見逃してくれよ?・・・ぷか~」

ロン毛「・・・どんどん駄目人間になってないでしょうか?」

社会「ぷか~・・・そうか?・・・ぷか~」

ロン毛「・・・」

 

819: 名も無き被検体774号+ 2011/11/26(土) 18:02:11.80 ID:W2tfBNQA0

社会「ぷか~・・・そうか?・・・ぷか~」

ナース「まだ、学校行かなくいいんですか?」

社会「ぷか~。ああ、ちょっとやる事もできたからな」

ロン毛「・・・やる事?」

社会「あぁ、・・・ぷか~」

ロン毛「私も、ぷか~ってやりたいです」

社会「は?煙が煙吸ってどうすんの?・・・たまに面白いこというねえ。・・・ぷか~」

ロン毛「・・・」イラ

 

821: 名も無き被検体774号+ 2011/11/26(土) 23:02:01.75 ID:W2tfBNQA0

男の家
男の部屋
土曜日と言う事もあり、AM10:00になる今も男はベッドで寝ていた。

ジイ「まったく、どうしようもないのう・・・だらけきっとるわい」

ジジイの意識は6時には目が覚めていた。しかし、ジジイの意識では身体が動かせないので、4時間近くぼんやり過ごしている。ジジイだから出来る芸当と言えよう。

ガチャ

妹「そーっと!そーっとぉぉお!」

ジイ「・・・声だしとる。」

妹「くふふ!兄ちゃんまだ寝てるー!」

ベッドの脇に立つと、妹は膝を曲げ両腕を後ろに回した。

ジイ「・・・あ、嫌な予感。ワシ、意識閉じるわい」

妹「せーの!わーい!」

ドコーン!

男「ぐっふううう?ぐっはぁぁぁあ!」

妹は寝ている男の腹にダイブした。しかも、何故か頭からダイブという離れ業をやってのけた。

妹「あ、起きたー!兄ちゃんおっはよー!」

男「お、おお?い、妹?うん。おはようね?」

妹「兄ちゃん兄ちゃん!」

男「な、何?」

ベッドに潜り込む妹。

妹「おやすみなさーい!」

男「ええ!何で?寝ちゃうの?」ドヒーン

 

823: 名も無き被検体774号+ 2011/11/27(日) 00:03:23.46 ID:sKptloKu0

妹「すー。すー」

男「・・・本当に寝るのね」

安らかに眠る妹の寝顔を、男はしばらく見ていた。

今でこそ、妹は男に懐いているが少し前は怖がって近づく事もなかった。

男は妹の髪を優しく撫でる。

この家には、父親がいない。男が幼少の頃から親は母親だけだった。

父親がいない事を、男は特に何も思わなかった。父親が欲しいとも考えた事はなかった。

2年前、男は同級生と些細な事で殴り合いの喧嘩になり、結果的に相手の腕の骨を折ってしまった。

男もしばらく殴られた右耳が聞こえ辛いなど、怪我をした。

それでも、男と同級生は仲直りをした。男の喧嘩なんてそんなもんだ。

しかし、相手の親は許さなかった。母親を攻めた。父親がいないからだと、教育がなっていないと。男のいる前で母親を怒鳴り散らした。

母親は何も言わなかった。相手の親が何を言っても、返事もしなかった。その代わり、同級生に飴玉をあげていた。

その日の夜、ダイニングテーブルで一人、ウイスキーを飲む母親を見て男は猛烈な悔しさに襲われた。

そして男は、ぐれた。

母親に対して、きつく当たるようになった。

学校でも、教師には反抗的な態度をとり、クラスメイトからも距離をとり、いつもイライラしていた。

妹とも話さなくなっていた。

自分で自分が分からなくて、ただイライラしていた。

男「・・・ごめんな。これからは、ずっと優しい兄ちゃんでいるから許してくれよ」

 

826: 名も無き被検体774号+ 2011/11/27(日) 00:29:33.70 ID:sKptloKu0

ジイ「なんじゃ?朝っぱらから辛気臭いのう?ジジイっぽいわい」

男「ジジイにいわれたかねーよ!ったく。朝飯くったら病院いくからな」

ジイ「ふむ?なんでじゃ?」

男「ナースさんに会いにいくんだよ。約束しただろ」

ジイ「ふむ。ええことじゃわい」

食卓
食卓には目玉焼きとトーストが並んでいる。

母「あら?妹は?」

男「寝てるよ。いただきます」

母「めしあがれ。・・・男、今日どこかに行く?」

男「ん?まあ、ちょっと遊びにいく」

母「妹も連れていってあげて欲しいんだけど。」

男「ん?ま、いいけど、何で?」

母「今日、用事があって家空けるから」

男「ふーん?ま、いいけど」

母「お願いね」

 

834: 名も無き被検体774号+ 2011/11/28(月) 21:09:02.70 ID:2cDgbUOQi

男の部屋
妹「くー。くー。」

男「・・・行儀良すぎ」

妹は布団を首まできちんとかけ、両腕を布団の上にまっすぐ乗せて寝ている。

男「全く嫌な役回りだぜ」

男は妹の枕を掴むと

男「あ、そーれぇ?よいしょぉぉぉ!」

ズギャーン

一気に引っこ抜いたぁぁぁ!

妹「・・・うーん?」

男「ふ、一発か・・・。これぞ一子相伝。秘技、枕引っこ抜きじゃぁぁあ!」

妹「・・・おやすみなさい」

男「あ、駄目駄目!妹、今から遊びに出かけるんだから!」

妹「・・・え?遊びに?行きたい!」

男「分かったら、ベッドから出て顔をあらってこーい!」

妹「分かった!」ドタバターン

男「・・・一子相伝。ふふふ」

ジジイ「この中二病が・・・」

 

836: 名も無き被検体774号+ 2011/11/28(月) 21:53:05.57 ID:2cDgbUOQi

玄関
母「気を付けて」

妹「兄ちゃんがいるから大丈夫だよ!」

男「・・・じゃ、いってくる」

妹「兄ちゃん兄ちゃん!」

男「んん?」

妹「はい!」

妹は男に左手を差し出した。

男「・・・はいはい」

ギュ

男は妹の手を握る。

男「妹は今何才になったんだ?」

妹「あー!前も言ったよ!10歳だよ!忘れないでよ!」

男「その、妹には気になる奴とか、いたりするのか?」

妹「え?気になるって何?」

男「だから、す、す、好きな男とかいるのかよ」

妹「えー?教えて欲しい?」

男「べ、別に知りたいわけじゃないんだからね!」

妹「それはー!兄ちゃんでしたぁぁ!兄ちゃん!」

妹は男に抱きついた。

男「くくく!そうか、やっぱりね!それでいいのだぁぁ!」

男も妹の頭を激しく撫でた。

?「あ、妹・・・」

妹「え!・・・あ、太朗君・・・」

とっさに妹は、男から離れた。

太朗「あ、えと。兄ちゃん?」

妹「う、うん。・・・ど、どこか行くの?」

もじもじ手をいじりながら、妹は俯く。初めて見る妹の仕草に男は戸惑いを隠せない。

 

840: 名も無き被検体774号+ 2011/11/28(月) 22:37:59.87 ID:2cDgbUOQi

太朗「あ、そ、そうだ!この本、今日学校でいった奴!おすすめのギャグ漫画!」

妹「う、うん。ありがとう。太朗君」もじもじ

太朗「へ、へへ!読んだら感想おしえてよね?特に107ページの魔王山田が風邪をこじらせてウンコ漏らす所とかサイコーだから!」

男「おっほん!」

妹「う、うん。読んでみるね?」

太朗「うん!お腹よじれるぞ!」

男「あっはん!」

妹「に、兄ちゃん風邪?」

太朗「あとさ、あとさぁ!これ、このヨッちゃんいかってお菓子!サイコーだから一個上げるよ!」

妹「あ、ありがとう。太朗君。お金大丈夫?」

太朗「おう!男は女に貢ぐのだって母ちゃんいってたし!」

男「うっふん!」

妹「に、兄ちゃん風邪なの?」

太朗「あとさ、あとさ・・・」

男「だまらっしゃい!」

 

841: 名も無き被検体774号+ 2011/11/28(月) 22:47:49.92 ID:2cDgbUOQi

男「さっきから聞いてれば何だね君は!ウンコウンコと下品だな!」

太朗「え?俺そんなにウンコっていってないぞ?」

男「嘘つくなぁぁあ!いっただろ!」

太朗「言ってない!一回しかウンコっていってないぞ!」

男「お、お前なあ!会話の中で一度でもウンコって出たら、もう全部ウンコウンコ!」

太朗「何だと!い、いくら年上でも言っていいウンコと言っちゃいけないウンコウンコ!」

ジジイ「おい!男よ!正気に戻らんか!太朗君と同レベルじゃぞ!」

男「は、はぁぁ!お、俺は一体?」

 

843: 名も無き被検体774号+ 2011/11/28(月) 23:40:05.15 ID:uM7X2aaz0

太朗「やーい!ウンコウンコー!」

太朗は男に尻を向け手で尻を叩き始めた。

男「や、野郎!もうやめようと思ってた所を!この糞ガキが・・・」

妹「もうやめて!」

突然の妹の叫びに、その場の空気が凍りついた。

妹「もう、うんこの話はしないで・・・」グスン

ジイ「・・・正論じゃ」

太朗・男「・・・うん」

男「・・・こ」ボソ

 

844: 名も無き被検体774号+ 2011/11/28(月) 23:40:18.38 ID:uM7X2aaz0

太朗「あー!今、こって小さい声で言った!」

男「い、いってねーよ!」

太朗「いった!俺聞いたもん!」

男「はぁ?聞こえるわけねーじゃん!ちょーちいせー声だったし」

太朗「そ、そっか。・・・て、やっぱいってんじゃん!」

男「あー?ばれたぁ?あはははは」

太朗「あはははは。・・・あ、すみません。男さん、年下なのにタメ口で」

男「いいっていいって!太朗君、君は良い奴だね」

太朗「男さんこそ」

男「携帯のアドレスを交換しないか?」

太朗「あ、俺、もってないんですよ」

男「え?不便だろう」

太朗「いえ・・・」

そういうと、太朗は自分の右足をバシバシ叩いた。

太朗「誰かに会いたくなったら、走っていくのが俺流なんです」

男「太朗君・・・」

太朗「じゃ、俺はここで、しゃーな?妹!アディダス」

太朗は颯爽と駈けていった。

妹「太朗君。バイバイ」

男「太朗君か、中々いい奴だったな」

男は時に、他人には理解出来ないような事で急速に仲がよくなる事がある。今、小さな奇跡が起きたのだった。

ジイ「・・・アディオスじゃろ」

 

853: 名も無き被検体774号+ 2011/11/30(水) 21:55:34.07 ID:OI3gj9Jyi

妹「・・・」

男(それにしても、妹の意外な側面をみたな。こいつは天真爛漫キャラだと思っていたが、俺に対してだけなのかもしれないな)

妹「・・・兄ちゃん、手」

男「・・・はいはい」

妹「・・・太朗君の前だと、あたしいつも通りになれないの」

男「あー。そうみたいだな」

妹「面白い時も、声だして笑えないし、会話が途切れると悲しくなる」

男「ふーん?」

妹「あたし、太朗君に暗い子って思われてるかも。だったらやだよ。」

男「それは、大丈夫。あいつは馬鹿だからな。馬鹿でガキだから。」

妹「太朗君は!・・・太朗君は優しいんだよ?消しゴムかしてくれたり、漫画かしてくれたり」

男「優しいねぇ?みんなに優しいのか?」

妹「え?・・・うん。みんなに優しいよ。・・・あたしだけじゃないもん」

途端にしゅんとする妹であった。

 

855: 名も無き被検体774号+ 2011/11/30(水) 22:37:46.57 ID:OI3gj9Jyi

男「う、うぶだなぁー」

妹「うぶ?」

男「なあ、妹は俺の事が好きだろ?」

妹「うん!兄ちゃん大好き!」

男「よしよし!可愛いぞ?」

言いながら妹の頭を撫でる。

男「じゃあ、太朗の事は好きか?」

妹「え?太朗君?」

妹の顔がみるみる内に朱色に染まっていく。

男「おーい。大丈夫ですかー?」

男は妹の顔の前で手をひらひらさせる。

妹「な、なんとも思ってないもん!あたしが好きなのは兄ちゃんだけなの!」

男「プププ。太朗が聞いたらショックだろうな。」

妹「・・・に、兄ちゃん!太朗君には絶対に、ぜーったいに内緒だからね?」

男「うんうん。いわない、いわない」

妹「ん!」

妹はつないでいる手と反対の手を差し出し、小指を立てた。

妹「ん!兄ちゃん、指切りだから!」

男「はいはい。ゆーびきりしましょー」

妹「うーそついたら、針千本のーます!指切った!」

男「ふふふ、何とも思ってない何て太朗に知れたら嫌われちゃうもんな?」

妹「違うもん!・・・もう!今から太朗っていったらしっぺだからね!よーいどん!」

男「くくく、心の中は太朗でいっぱいの癖にー!」

妹「はい!しっぺです!腕を出してください」

男は腕を伸ばした。

ベシン!

男「あ、地味に痛い」

 

859: 名も無き被検体774号+ 2011/11/30(水) 23:50:22.81 ID:OI3gj9Jyi

病院
屋上

社会「・・・ぷっかー」

社会教師はヘビースモーカーである。以前は教頭がヘビースモーカーで有名で、一日に二箱消耗すると言ってきた。
そんな教頭もタバコの値上げと、小遣いの値下げの為、タパコを一年前にやめている。
今ではヘビースモーカーと言えば、真っ先に社会教師の名前が上がる程、教師連中は嫌煙家ぞろいであった。

ロン毛「美味しそうに吸うんですよねー。」

社会「心ちゃんも吸ってあげようか?」

ロン毛「うっわ!その発言はセクハラです!」

社会「・・・冗談だよ。心ちゃんまずそうだし」

ロン毛「・・・何か凄くムカつきますけど」

社会「幽霊ってさ・・・」

ロン毛「まーた、いきなり話題を変える。何ですか?」

社会「幽霊って、ほとんどの人間が怖がるよな」

ロン毛「・・・ええ。私はこうなった今でも怖いですけど」

社会「あれって、意思疎通が出来ないから怖いんだよな。例えば、北京原人が目の前に現れたら怖いだろ」

ロン毛「・・・北京原人ですか?うーん。怖いですね、何か襲ってきそうです。」

社会「不思議だよな。幽霊だって元は人間なんだろ?死んだ途端に人間から幽霊に・・・うーん、進化して、崇められたりするわけだ」

ロン毛「ふふ、進化ですか。案外そうなのかも知れませんね?人間はこれ以上進化出来ないとしたら、進化の可能性は身体を捨てる事なのかも知れませんね?」

社会「ま、あんたは煙だけど」

ロン毛「好い加減しばきますよ」

 

元スレ:男「ワシももう年じゃあ」 医者「・・・」