勇者「死神のご加護がありますように。」その1

勇者「死神のご加護がありますように。」その2

勇者「死神のご加護がありますように。」その3

勇者「死神のご加護がありますように。」その4 【完結】

1:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 14:59:35 ID:6nd40VDM

兵「おい、お前。王様がお呼だ。出ろ」

男「あん? 王が俺になんの用だ?」

兵「知るか。いいからさっさと出ろ」

男「おいおい、俺みたいなやつと王を会わせちまっていいのかよ?」

兵「貴様は黙ってついてくればいいのだ」

男「へいへい。まっ、なんにせよこんな小汚ねえところ出れるなら俺からすれば万々歳だからな」

兵「黙れというのが聞こえんのか!」

男「そうカリカリすんなよ。カルシウム足りてる? 肉ばっか食ってないで小魚も食えよ」

兵「いいから黙らんか!」

男「やれやれ、どうしてこうお堅いかね。わーったわーった。黙ってるからトイレ行かせてくれよ」」

兵「ならん! いいからキリキリ動け!」

男「だったらこの足枷外してくれよ。歩きづらくて敵わんわ」

兵「それはならん!」

男「難しい注文ばっかりしやがって」

2:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 15:03:25 ID:6nd40VDM

兵「王様。連れて参りまし

王「うむ。ご苦労。下がって良いぞ」

兵「お、お言葉ですが王様。他には誰もいないとなるといささか危険では」

王「聞こえなかったのか。下がれと言ったのだ」

兵「は、はっ! 失礼いたします

男「おいおい、いいのかよ下げて。俺と二人きりは危険だぜ

王「何、大臣の手中に居るやつと二人きりのほうがよっぽど危険だ」

男「ははっ、違いない。寝首と尻穴には気をつけな」

王「うむ、忠告感謝する」

男「で、俺に一体何の用だ? まさか俺の尻穴の方が危険か

王「生憎そんな趣味はなくてな。すまんな」

男「おっと、それは残念だ」

3:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 15:06:10 ID:6nd40VDM

王「さて、本題に入る前に1つ聞きたいのだが、男よ。魔王が復活したことは知っておるか

男「おお、久しぶりに名前で呼んでもらえたぜ。涙が止まらないぜ」

王「うむ、名前は一生物だからな。大切にした方が良いぞ」

男「両親に感謝しなくちゃな。それで、魔王だっけか? あーしってる知ってる。兵士たちがビクビクしてたからな」

王「やれやれ、所詮作り物の兵士なぞそんなものか。自分で始末してやるくらいの度胸はないものか」

男「で、その魔王の件と俺を呼び出したのになんの因果関係があるんだ

王「何簡単な話だ。その魔王討伐を貴様に頼みたいのだ」

男「おいおい、何だ? じゃあ俺は今日から勇者様か

王「いかにも」

男「いいのかよ、そんな名誉な称号を俺に与えて? 批判の嵐だったんじゃねえのか

王「うむ。賛成者など一人も居らんかったからな」

男「そりゃそうだろうよ。流石俺もお前の頭を疑っちまったぜ」

王「何心配ない。病院に連れて行かれが脳波も異常がなかったからの」

男「そりゃ健康でなによりだ」

4:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 15:12:52 ID:6nd40VDM

王「で、結局どうなのだ。受けてくれるのか」

男「そりゃあんな豚箱にいるくらいなら受けるけどよ、一応俺を選んだ理由を聞かせてくれ」

王「うむ。まず初めにその手腕だ。うちの兵士100人集まっても貴様を倒せはしないだろう」

男「おいおい、大丈夫かよ国の兵隊さんよ」

王「それほどお主が強いということだ」

男「ははっ、ありがたき幸

王「次に両者に対するメリットだ」

男「ほう・・・それはなんだ

王「そちら側とすれば牢屋からの釈放、無事戻ってくれば免罪としよう」

男「ふむ・・・だがそれだと俺が戻ってこない可能性がないか

王「もし帰ってこれれば一生遊んで暮らせるだけの報酬を支払おう」

男「ほぉ・・・。なるほどな。ま、旅の途中で俺が死ねば極悪人が死ぬわけだしあんたらが困ることはないということか」

王「その通りだ」

男「随分と死んだほうがメリットが多いな。まっ、そんな簡単なもんじゃないってことか」

王「そういうことだ」

5:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 15:17:43 ID:6nd40VDM

男「なるほどなるほど。ま、俺からしたらメリットしかないからいいんだけどよ」

王「ということは引き受けてくれるということでいいのだな」

男「だがわからんな。何故そこまでして俺に拘る? それこそ一人の俺より兵士1000人とかにした方がいいんじゃねえか?」

王「これは最後の理由だが、私はお前を個人的に好いておる」

男「やっぱりホモじゃねえか」

王「そういう意味ではないは馬鹿者」

男「馬鹿って言う方が馬鹿なんだぞ」

王「小学生か貴様は。兎に角私はお前しかいないと思っておる」

男「あんなことしたやつによくそんなことが言えるな」

王「何かしら理由があったのであろう。お前がそんなことをするような男には私は思えん」

男「やれやれ、政治は出来ても人を見る目はなさそうだな。眼科をおすすめするぜ」

王「お主の鼻毛までしっかりと見えておるから安心せい」

男「仕方ねえだろ、あんな所にずっと入れられてたら手入れする暇もねえよ」

王「それもそうじゃな。それと嘘じゃ」

6:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 15:20:55 ID:6nd40VDM

王「では頼んだぞ。勇者よ。この世の平和の為に」

男「平和とは程遠い男だがな。あいよ、畏まりました王様。ありがたく承りますでございま

王「下手くそな敬語じゃの。ほら、餞別じゃ。持っていけ」

男「おお、俺のブツじゃねえか。わざわざとっといてくれたのかよ」

王「それ以外もちゃんと見よ」

男「これは・・・勇者の紋章か。まさか俺がこんなのつけることになるとはな。よっと、どうだ、似合うか

王「間違いなく世界一似合わんな」

男「うるせえよ。てか、あれは? 金は

王「お前に渡しても賭博か煙草代に消えるだけじゃろ。自分で稼げ」

男「よくわかってらっしゃる。良き理解者だよ、あんたは」

王「よせ、照れるではないか」

男「真顔で何言ってんだか」

7:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 15:24:32 ID:6nd40VDM

王「では頼むぞ」>

男「ちょっと待てよ。俺一人で行くのか

王「そりゃそうじゃろ。誰が好き好んでお主と一緒に行きたがるのだ」

男「確かに。ごもっともだ」

王「もし仲間が欲しいのなら自分で探すのだな」

男「おいおい、コミュ症の俺にどうしろっていうんだよ」

王「そんだけ喋れて何を言っておるのじゃ」

男「あれだ、内弁慶ってやつだ」

王「わかったわかった。はよいけ」

男「つれねえな、おい。人と喋ったの久々なんだからもう少し喋らせろよ」

王「その勢いで誰か見つけるが良い。ほれ、下がれ」

男「はいはい、わかったよ。じゃあな、王様よ。もう会うことはないかもしれんがな」

王「また会えることを願っておるぞ」

男「けっ、よく言うぜ」

8:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 15:27:00 ID:6nd40VDM

勇者「さて、久々に外に出たわけだが・・・」

ザワザワ…

勇者(ま、そりゃ歓迎されねえわな)

勇者(とりあえずさっさとこの街を出るか)

勇者(薬草も防具もないけど仕方ないか・・・)

勇者(ってまあ金ねえしどっちにしろ買えねえのか)

勇者(前途多難だな、全く)

勇者(こんなに歓迎されない旅立ちの日歴代あったのかねぇ)

勇者(まあねえだろうな)

勇者(しかし足枷外してもらっただけでこんなに動きやすかったんだな)

勇者(久々すぎて忘れてたわ)

勇者(・・・はあ、煙草吸いてえ)

11:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 16:39:41 ID:XA2tjMLU

グサッ
グサッ
グサッ

勇者「ったく、なんでこの辺の魔物はこんな端金しか落とさねえんだよ」

グサッ
グサッ
グサッ

勇者「はぁ・・・。これじゃ煙草代稼ぐのも一苦労だな・・・」

グサッ
グサッ
グサッ

勇者「うっし、とりあえず今日はこんなもんでいいか」

勇者「宿代、メシ代、酒代、煙草代。こんだけあれば足りるだろ」

勇者「残った金で博打でもするか」

勇者「はあ・・・、早く仲間見つけないとしんどいな・・・」

勇者「独り言ばっか言って、アホみたいだな、俺」

勇者「やれやれ、豚箱が恋しいぜ」

12:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 16:43:34 ID:XA2tjMLU

勇者「やっと着いたか。遠すぎだろ、まじで。もう夜じゃねえかよ」

勇者「やだやだ、あんな所に閉じ込められてたせいか体がなまっちまったかな」

勇者「さっさと本調子に戻さんとな」

勇者「さて、とりあえず必要なもんでも買うとするか」

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勇者「おい、親父。いいの入ってるかい

薬屋「あん? 一体だれ・・・ってその紋章は勇者様!?」

勇者「おう、俺が勇者だ。もっと崇めろ」

薬屋「これはこれはとんだご無礼を! ・・・おや? どっかで見たことあるような・・・」

勇者「ほら、それは、あれだ。勇者だからだろ、うん。そんなことより何あんだよ

13:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 16:46:54 ID:XA2tjMLU

薬屋「あ、これは大変失礼しました。こちらになりま

勇者「ふ~ん・・・。おっ」

薬屋「何かお気に召されたものがありましたか

勇者「ピ○ス、カートンで。あ、あとライター」

薬屋「・・・え

勇者「いや、ほら、俺勇者じゃん? 平和願ってるじゃん? だから必要。はい、頂戴」

薬屋「あ、はい、こちらです・・・」

勇者「はいよ、サンキュ。じゃな」

薬屋「え、あの、薬草とかは・・・」

勇者「あー、この辺りじゃいらんわ。じゃな」

薬屋「・・・ありがとうございまし

15:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 16:52:04 ID:XA2tjMLU

チッ
ジュッ

勇者「・・・ふー。いやあ、生き返るな。やっぱ煙草はいいなあ。この頭がクラクラする感覚・・・、たまらないね・・・」

勇者「さて、とりあえず宿屋にでも行くか・・・。あぁ、美味かった。ごちそうさん」ポイッ

??「こーらー!!」

勇者「あん

魔法使い「そこのあなた! ポイ捨てはいけません

勇者「おー今時こんな偉い子がいるのか、感心感心」

魔法使い「え? えへへー、そうですか? 私偉い子ですか

勇者「ああ、かなりな、尊敬したわ。まじすげー。マッドリスペクトだわ」

魔法使い「そ、そんな~、照れちゃいますよ」エヘヘ

勇者「おう、その心を忘れるなよ。じゃあな」

魔法使い「はーい、お気を付けて」

魔法使い「・・・・・・・・・」

魔法使い「って、ちっがああああああああう!!」

勇者「おぉ、ナイスノリツッコミ」パチパチ

16:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 16:55:08 ID:XA2tjMLU

魔法使い「いい大人があんなことして恥ずかしくないんですか!!」

勇者「ああ、全然、これっぽっちも」

魔法使い「何でですか!! 罪悪感は芽生えないんですか!?」

勇者「うん」

魔法使い「これが大人だというのですか!! ゆとりゆとりという前に貴方がたがしっかりするべきなんじゃないんですか!?」

勇者「いいんだよ、大人は。口で偉そうなことだけ言ってりゃよ」

魔法使い「そんなの絶対におかしいです!! 恥を知ってください!!」

勇者「恥・・・恥・・・覚えました。おっけー、理解したわ。教えてくれてサンキューな」

魔法使い「え? あ、いえ、どういたしまして」

勇者「本当にありがとうな! じゃあな

魔法使い「あ、はーい、お気を付けて」

魔法使い「・・・・・・・・・」

魔法使い「って、ちっがああああああああう!!」

勇者「お前馬鹿だろ」

17:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 17:00:03 ID:XA2tjMLU

魔法使い「ホントいい加減に・・・って、え、あなた勇者様なんですか!?」

勇者「おう、そうだぞ。この紋章が目に入らぬか」

魔法使い「だったらなおさらですよ!! なんでポイ捨てなんかするんですか!!」

勇者「いいか、ガキ。これには海より谷よりも俺の懐よりも深ーい理由があるんだよ」

魔法使い「急に浅くなりましたね」

勇者「うるせえ黙って聞け。いいか、世の中には掃除屋っていう職業があるだろ? ところが街が綺麗だったらどうする?」

魔法使い「掃除しなくて良くなりますね」

勇者「そう、その通りだ」

魔法使い「だったらいい事ばっかりじゃないですか」

勇者「アホ。いいか、ちゃんと考えてみろ。ということはだ、もともと掃除屋だった人はどうなる

魔法使い「それは・・・あっ」

勇者「そう、職を失うよな? ということは失業者が溢れるだろ? そしたら世の中はどうなる

魔法使い「ほ、滅びる・・・!!」

勇者「随分飛躍したな、おい」

18:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 17:06:16 ID:XA2tjMLU

勇者「あーまあ、つまりそういうことだ。見えてるもん、聞いたもんが全てじゃねえんだよ。こうやって俺は世界の平和を守っているというわけだ」

魔法使い「なるほど・・・。確かに・・・。流石勇者様・・・。民の事をしっかり考えて・・・

勇者「そうだろそうだろ。俺の行動が理解して貰えて嬉しいよ」

魔法使い「疑ってしまってすいませんでし

勇者「ま、全部嘘っぱちだけどな」

魔法使い「うがあああああああああ!

勇者「なんちゅう声出してるんだよ」

魔法使い「もー怒りましたよ!! これはお仕置きを受けてもらうしかありません!!」

勇者「お前が何をできるんだよ」

魔法使い「私は魔法使いです!! 魔法が使えるんです!!」

勇者「おぉ、それはすごいなー」

魔法使い「そうです!! だから覚悟してください!!」ビシッ

勇者「・・・・・・武器を向けたな」

魔法使い「・・・・・・え

19:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 17:09:55 ID:XA2tjMLU

勇者「・・・死ぬ覚悟は出来てるんだろうな」

魔法使い「え

勇者「死ぬ覚悟は出来てんのかって聞いてんだよ」ギラッ

魔法使い「ひ、ひいっ」ガクガク

勇者「人に武器を向けてるってことはよ、殺す覚悟と死ぬ覚悟があるかって聞いてんだよ!」

魔法使い「ご、ごめんなさい!!」ガクガク

勇者「・・・ったく。そう簡単に武器を人に向けるんじゃねえよ」

魔法使い「ごめんなさい!! ごめんなさい!!」ガクガク

勇者「あー、良い良い。俺もビビらせすぎた。悪かったな」

魔法使い「えっぐ・・・、えっぐ・・・」

勇者「卵卵うるせえよ。はぁ。まあ簡単に人に武器向けるなってこった」ヒョイ

魔法使い「あっ」グスッ

勇者「まっ、自分の思ったことをしっかり言えるのはいいことだ。そういうのは嫌いじゃねえよ。じゃあな、クソガキ」

魔法使い「・・・・・・こ、怖かったぁ」

魔法使い(・・・ていうか私なんであんなに怒られたんだろう)グスン

20:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 17:13:39 ID:XA2tjMLU

勇者「おっちゃん、空いてるかい?」

宿屋「・・・おや? まさか勇者様ですか」

勇者「おう、そうだ。んで、空いてるのか

宿屋「ええ、空いてますよ。どうぞお好きな所へ」

勇者「あいよー。あとこの辺に酒売ってるところはないのか

宿屋「そうですね、大体皆さん酒屋に行かれるのでちょっとわからないですね・・・」

勇者「あー、そうか。わかった、ありがとな」

宿屋「すいません、お力になれずに」

勇者「いやいや、なんもなんも。で、その酒屋はどこにあるんだ

宿屋「そこの広場をずっと南に向かったところにありますよ」

勇者「あー、またあの広場通るのか」

宿屋「なにかあったのですか

勇者「まあ色々な。よし、んじゃちょっと行ってくるわ」

宿屋「はい、お気を付けて。最近この辺りも治安が悪いので」

勇者「ふーん。ご忠告感謝するわ」

22:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 17:16:52 ID:XA2tjMLU

魔法使い「・・・・・・はぁ」

魔法使い(どうしてこう全て上手くいかないんでしょうね・・・)

魔法使い(私のしたことは間違ってるのでしょうか・・・)

魔法使い(見てみないふりして、賢く生きたほうがいいのでしょうか・・・)

勇者「おっ、なんだクソガキ。まだ居たのか」

魔法使い「えっ

勇者「おう、1時間ぶり」

魔法使い「こっ、こっ、これは勇者様、ご機嫌麗しゅう」

勇者「ビビリすぎだっつの。悪かったって言ってんじゃん」

魔法使い「悪かったで済めば警察なんてっ・・・いえ、なんでもないで

勇者「はぁ・・・もう怒んねえって。だから普通にしろ」

魔法使い「・・・ホントに怒んないですか

勇者「俺が嘘つくような男に見えるか

魔法使い「見えま

勇者「素直でよろしい」

23:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 17:20:45 ID:XA2tjMLU

魔法使い「それで勇者様はどうしたんですか? まさか私に会いに来たんですか

勇者「自惚れるなタコ。これから酒場に行くところだ」

魔法使い「・・・ホントにあなた勇者様ですか? やってることがゴロツキと変わりませんよ」

勇者「まあだろうな。どうだ? お前も行くか

魔法使い「私が飲めるような歳に見えますか

勇者「見えんな」

魔法使い「そういうことで

勇者「まあいいからついてこいよ。ガキらしくジュースでも飲んでろ。奢ってやるから」

魔法使い「え、いいんですか

勇者「さっきのお詫びだ」

魔法使い「やったー!! さすが勇者様です!! やっぱりいい人だったんですね!!」

勇者(チョロ)

24:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 17:25:29 ID:XA2tjMLU

カランカラーン

勇者「よう、マスター。やってるかい

マスター「ん? おっと、あんた勇者かい。あぁ、やってるよ。好きなとこ座んな」

勇者「あいよ。ほら、ガキも座んな」

魔法使い「むぅ。さっきからガキガキって。私は魔法使いっていう立派な名前があるんです!!」

勇者「ああ、悪かったな。ガキの使い」

魔法使い「なんか違います!!」

勇者「いいからさっさと座れよ。マスター、とりあえずビールとミルクで」

マスター「おうよ」

魔法使い「随分慣れてますね。本当に勇者様のイメージとはかけ離れてますね」

勇者「お前は勇者に幻想を抱きすぎなんだよ。勇者だって一人の人間なんだ。好きにさせてやれよ」

魔法使い「まあその通りですけど・・・。それでもあなたは酷すぎですよ。人格を疑うレベルで

勇者「うるせえよ。そういうお前だって魔法使いの割に馬鹿じゃねえか」

魔法使い「私のどこが馬鹿なんですか!! むきー!!」

勇者「そういう所だ、馬鹿」

25:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 17:28:49 ID:XA2tjMLU

マスター「あいよ、ビールとミルクお待ち」

勇者「おっ、来た来

魔法使い「あ、ありがとうございま

勇者「じゃ、とりあえず乾杯といこうか」

魔法使い「はあ、まあいいですけど」

勇者「じゃっ、かんぱーい」チンッ

魔法使い「かんぱーい」チンッ

勇者「ゴクッ・・・ゴクッ・・・ぷはーっ、旨えな」

魔法使い「オヤジ臭いですよ」

勇者「馬鹿、これが正しい飲み方なんだよ。お前もチビチビ飲んでないでグビッといけよ」

魔法使い「そんな勢いで飲んだらお腹痛くしちゃいますよ」

勇者「本当に子供だな、お前は」

魔法使い「うるさいですよ。子供は子供らしくしてればいいんですよ」チビチビ

勇者「ちげーねえ」

26:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 17:33:02 ID:XA2tjMLU

魔法使い「ところで勇者様はお一人で旅をしてるんですか

勇者「逆に問うが俺についてきたいと思う奴がいると思うか

魔法使い「・・・すいません」

勇者「謝んな、アホ。俺が惨めじゃねえか」

魔法使い「それにしたってあまりにも軽装すぎません? 防具何もつけてないじゃないですか」

勇者「煙草代と宿代と飲み代で買う金なくなっ

魔法使い「何やってるんですか・・・。私に奢ってる場合じゃないですよ・・・」

勇者「いいんだよ、俺は。防具なんかなくたってどうにかなる」

魔法使い「冒険を舐めすぎじゃないですか? ていうか武器はどうしたんですか? 見当たりませんけど」

勇者「いいか、ガキ使」

魔法使い「略さないでください」

勇者「逆においそれと武器をひけらかしてる奴はアホだ。相手に自分の情報を与えてどうすんだよ」

魔法使い「あぁ・・・なるほど。それは一理ありますね」

勇者「というのは建前で」

魔法使い「本当になんなんですか、あなたは」

27:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 17:36:34 ID:XA2tjMLU

勇者「まあいいじゃねえか、俺のことは」

魔法使い「何でもいいですけどね、もう」

勇者「幻滅したか?」

魔法使い「はい、かなり」

勇者「だろうな。世の中はそんなに綺麗じゃねえってこった。善人ばかりじゃねえんだよ、この世界はな」

魔法使い「・・・でも勇者様悲しそうな顔してます」

勇者「あん? 俺がか?」

魔法使い「はい。うまく言えませんが・・・無理矢理笑ってるように見えます」

勇者「あぁ、それはお前との話が面白くねえからだな」

魔法使い「な、なんですか!! 人が心配してあげてるのに!!」

勇者「大きなお世話だアホ。ガキはガキらしく素直に生きてろ」

魔法使い「もう!! 心配して損しました!! ふんっ」

勇者「そうそう、それでいいんだよ。馬鹿が難しいこと考えてるんじゃねえよ」

魔法使い「べーっだ!!」

30:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 17:41:59 ID:XA2tjMLU

勇者「怒りっぽいやつだな。カルシウム不足じゃねえか? いいんだぞ、どんどんミルク頼んで」シュボッ

魔法使い「勇者様のせいですよ!! 普段はこんなに怒りませんよ!! ていうか煙草臭いで

勇者「そんくらい我慢しろ。奢ってやってるんだから」

魔法使い「まあそこは本当に感謝してますけど・・・体に悪いですよ

勇者「いいんだよ、俺の体だから。どうなったって俺の責任だろうが」

魔法使い「まあそうですけど・・・」

勇者「マスター、ビール追加」

マスター「あいよー」

魔法使い「・・・もう」

「おい、テメーふざけんじゃねえよ!!」

勇者「お、なんか始まったぞ」

魔法使い「え

31:>>21,28,29 ありがとうございます!:2013/08/03(土) 17:45:58 ID:XA2tjMLU

男1「あン? んだコラ!! 元はといえばテメーが悪いんだろうがよ!!」

男2「うるせえ!! お前のせいで妻には逃げられ、莫大な借金も抱えるハメになったんだ!!」

男1「んなもん知るかよ!! そんなのこの国の王でも言えよ!! 俺は何もしてねえだろうが!!」

男2「よく言うぜ!! お前がチクったんだろうが!! 俺んちに米があることをよ!!」

男1「そんなの隠してるお前が悪いだろうが!! 俺は正しいことしてんだ!! 文句あるか!!」

男2「うるせえ!! 今日こそぶっ殺す!!」

男1「上等だ!! 来いよ!!」

魔法使い「あわわわ、ゆ、勇者様大変ですよ!!」

勇者「いいぞーやれーやれー」

魔法使い「何やってるんですか!!」

マスター「はあ・・・。またか」

勇者「あん? またってどういうこった?」

マスター「ああ、ここ最近ずっとこんな調子だよ。何かあれば喧嘩喧嘩で・・・」

勇者「そういや宿屋のオヤジもなんか言ってたな」

魔法使い「何冷静に語ってるんですか!! 止めなくていいんですか!?」

32:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 17:52:17 ID:XA2tjMLU

勇者「つったて部外者の俺が何言ったって無駄だろ。余計なことに首突っ込んで首飛ばしたくねえもん。触らぬ神になんとやらってな」

魔法使い「・・・もう!! 見損ないました!!」

勇者「まだ下がる余地があったなんて驚きだ」

魔法使い「黙ってください!! 私が止めてきます!!」ダッ

勇者「あ、おい!!」

マスター「正義感が強すぎるのも困ったもんだな」

勇者「はあ・・・。あのバカが」

マスター「いいのか、助けに行かなくて

勇者「元はと言えば赤の他人だ。俺に助ける義理はねえ」

マスター「冷たい男だな」

勇者「だがまあ・・・さっきまで飲んだ四杯をただにしてくれるっつうならあの喧嘩を止めてきてやってもいいぜ

マスター「・・・ったく、あんたも素直じゃないね。ああ、そうしてやる。だからさっさと止めてきてくれ」

勇者「よっしゃ!! 約束忘れるんじゃねえぞ!!」

マスター「はいはい、男に二言はねえよ」

33:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 17:58:05 ID:XA2tjMLU

魔法使い「やめてください!! 他のお客様に迷惑です!!」>

男2「あ~ん? なんだクソガキ!! 関係ないやつは引っ込んでろ!!」

魔法使い「あなたのせいで迷惑してるんです!! 今すぐやめてください!!」

男2「うるせえ!! ぶっ殺すぞガキが!!」シャキン

魔法使い「ひっ!!」

男2「一人殺すのも二人殺すのも変わらねえ・・・。テメエからぶっ殺してやる!!」

魔法使い「あ、あ」

魔法使い(あ、死んだ)

魔法使い(やっぱり力のない私なんかがでしゃばるんじゃなかったな・・・)

魔法使い(勇者様の言ったとおりだったのかな)

魔法使い(余計なことに首突っ込むべきじゃなかったのかな・・・)

魔法使い(お父さん、お母さんごめんなさい)

魔法使い(今私もそっちへ向かいます)

34:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 18:03:25 ID:XA2tjMLU

キンッ!!

男2「・・・あン

魔法使い「・・・あれ、生きてる

勇者「だから言ったろ、余計な事すんなって」

魔法使い「勇者様!!」

男2「テメエ・・・なんのマネだ」

勇者「いや、お前ら止めたら今まで飲んだ分タダになるって言うから止めただけだよ」

魔法使い「勇者様・・・・・・」

勇者「助かったんだから喜べよ」

魔法使い「余計な一言が多いんですよ!!」

男2「ふざけやがって・・・お前もぶっ殺・・・って、お、お前まさか・・・」

勇者「どうも勇者でー

男2「嘘つくんじゃねえ!! お前、あの極悪人、男だろ!!」

男1「なっ!!」

魔法使い「・・・・・・・・・・・・え

35:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 18:08:26 ID:XA2tjMLU

勇者「おう、なんだ俺のこと知ってんのか。俺も有名になったもんだな」

男1「な、なんでお前・・・捕まったんじゃねえのかよ・・・」

勇者「あ? あんなザル警備ちょちょいと突破してきたわ」

男2「死神が・・・死神が復活した・・・」

勇者「だから勇者だっての」

魔法使い「え、え、何なんですか

男1「お前知らねえのかよ!! こいつは男!! 一人で味方の小隊100人を殺害、400人を病院送りにした死神だぞ!!」

魔法使い「・・・え

勇者「あら、お詳しい。サインでもやろうか

男2「ふ、ふざけんな!! なんでそんなお前が勇者の紋章をつけてんだよ!!」

勇者「あ~、パクってき

男2「・・・は

勇者「だからー、脱獄して見張りぶち殺してきて兵ぶちころして王様ぶち殺して勇者ぶち殺して奪ってき

男2「なっ、なっ・・・」

男1「ば、化物・・・」

36:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 18:14:35 ID:XA2tjMLU

勇者「いやあ、お前すげえよ。そんな俺に武器向けたんだからよ」

男2「あ、いや、それは・・・」

勇者「・・・死ぬ覚悟は出来てるんだろうな」

男2「ひいっ!!」

勇者「死ぬ覚悟は出来てんのかって聞いてんだよ!!」ギラッ

男2「ひ、ひいっ」ガクガク

勇者「人に武器を向けてたってことはよ、殺す覚悟と死ぬ覚悟があるかって聞いてんだよ!!」

男2「す、すいませんでした!!」ガクガク

勇者「だったらさっさとここから失せろ!! テメーらもだ!! ここに居るやつ片っ端からぶっ殺すぞ!!」

男2「は、はい!!」ダッ

「うわあああああ殺される!!」「逃げろおおおお!!」「まだ死にたくねええええ!!」

ガラーン

勇者「・・・ったく。騒がしいやつらだ」

魔法使い「・・・あっ、あっ」

勇者「こいつはこいつでまたビビってるし」

37:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 18:20:32 ID:XA2tjMLU

魔法使い「・・・あなた、そんな人だったんですか」

勇者「ああ、そうだよ。何となくわかるだろ

魔法使い「・・・最低です。そんな人だとは思いませんでした。本当に見損ないまし

勇者「そりゃお前の主観だろ? お前の主観だけで勝手に見損なわれたくねえよ」

魔法使い「バカっ!! この死神!!」ダッ

カランカラーン

勇者「やれやれ。何なんだよ、一体」

マスター「まさかお前さんがあの男だったとはな・・・」

勇者「なんだ、あんたも知ってたのか」

マスター「そりゃ今の世界でお前さんを知らないやつの方が少ないだろうさ」

勇者「ああ、そうかい。ったく、住みにくい世の中だぜ。悪いな、邪魔したな」

マスター「なんだ、もう帰るのか

勇者「俺が居たらもう客入らねえだろ? 迷惑かけたな」

マスター「おいおい、お前さんが居なくなったら俺一人になっちまうだろ。寂しい思いさせるんじゃねえよ」

勇者「・・・あんたは俺が怖くねえのかよ

38:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 18:27:00 ID:XA2tjMLU

マスター「何言ってやがる。お前がどこの誰だろうと俺にとっちゃお客様だ。神様だ。それが死神だったとしてもな」

勇者「・・・ははっ。あんた変わってんな」

マスター「よく言われるよ。でもあんたにゃ言われたくねえよ。脱獄したって話し、嘘だろ?」

勇者「俺は嘘なんかつかねえよ」

マスター「嘘こけ。その紋章は王に認められなきゃつけれないだろうが」

勇者「あら、お詳しいことで」

マスター「何年生きてると思ってんだ。お前の様なひよっ子とは違うんだよ」

勇者「ぴよぴよ」

マスター「ひよこじゃねえよ、アホ」

勇者「とりあえずビール一丁」

マスター「誤魔化しやがって。まあいいけどよ。でもいいのか、そんなに頼んで?」

勇者「は? まだ三杯目だぞ? それにさっきまでのはただになったんだろ?」

マスター「ああ。それはな。だがさっき居なくなったやつらは誰も金払ってねえ。その分は誰が払うと思ってるんだ?」

勇者「・・・流石だな、おっさんよ」

マスター「何年生きてると思ってるんだ」

39:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 18:30:43 ID:XA2tjMLU

勇者「はぁ・・・。余計なことしたぜ・・・。ったく」

マスター「だがまあ、ちょっと依頼を聞いてくれりゃこれから飲む分もただにしてやってもいいぞ」

勇者「何? それは本当か?」

マスター「ああ。男に二言はねえ」

勇者「まあ聞くだけ聞いてやる。言ってみ」

マスター「お前さんさっきのやつらの話し聞いてたか?」

勇者「なんとなくはな」

マスター「だったらなんとなくはわかると思うが今この国は王の独裁政治だ。そのせいで俺らの生活が苦しめられてる」

勇者「ふーん。さっきの奴らは米がどうたらこうたら言ってたが何されてんだ? 自分で取れたところの何%かを納めなくちゃならないのか?」

マスター「ああ。そんなところだ。商店は儲けの何%かだな」

勇者「ちなみに何%なんだ?」

マスター「40%だな」

勇者「おうおう、予想以上だな。そんなもん生活出来ねえだろ。よくここに飲みに来れたもんだな、他の奴らは」

マスター「皆ツケばっかだよ。困ったもんだ」

勇者「それはそれはご愁傷様」

40:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 18:33:19 ID:6myIENGQ

この勇者はだいたい何歳くらいかね?

42:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 18:38:45 ID:XA2tjMLU

>>40
今は髭や髪等がボサボサで老けて見えてますが24,5くらいのつもりです!

41:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 18:36:21 ID:XA2tjMLU

勇者「で、俺はどこまですればいいんだ? 税撤廃か? パーセンテージを下げりゃいいのか

マスター「そうだな、今までは10%だったからな。そこまで下げてくれたらお釣りが出るレベルだ」

勇者「なるほどな。うっし、わかった。ちょっくら行ってくるわ」ガタッ

マスター「おいおい、今から行くのか

勇者「善は急げ、思い立ったが吉日ってあるだろ? んなもんさっさと片付けた方がいいだろ」

マスター「全く、あんたの行動力には参ったよ」

勇者「おお、勇者様を崇めろ。そして俺が死んだらお参りにはこいよ」

マスター「死んだ時には蹴りをお見舞いしに行くよ」

勇者「今から死に行くのに酷い男だよ、あんたは」

マスター「死神が何言ってんだ。ま、精々気をつけな」

勇者「あいよ。帰ったら美味い酒用意しとけよ」

マスター「ミルクも必要か

勇者「ああ、腹壊すぐらいたっぷりな」

43:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 18:42:29 ID:XA2tjMLU

魔法使い(勇者様があんな人だとは思いませんでした)

魔法使い(顔は怖いし言葉遣いは悪いし態度は悪いけれどあそこまで極悪人だとは思いませんでした)

魔法使い(・・・・・・でも未だに本当に悪い人だとは思えないです)

魔法使い(はっ、何思ってるんですか私は)ブンブン

魔法使い(他の人も言ってたじゃないですか。彼は死神だって)

魔法使い(・・・でも)

勇者『見えてるもん、聞いたもんが全てじゃねえんだよ』

魔法使い(・・・私にはよくわかりません。その場に居た訳じゃないですし)

魔法使い(お父さん、お母さん。私はどうすればいいんでしょうか・・・)

勇者『ガキはガキらしく素直に生きてろ。馬鹿が難しいこと考えてるんじゃねえよ』

魔法使い(・・・そうですよね。考えてもわからないなら私の心に素直になるべきですよね)

魔法使い(うん、直接話してみましょう。一人で悩むよりましです)

魔法使い(まだ酒屋にいるんでしょうか・・・。とりあえず行ってみますか)

45:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 18:46:33 ID:XA2tjMLU

カランカラーン

魔法使い「あ、あの~」

マスター「ん? あぁ、さっきの嬢ちゃんか」

魔法使い「は、はい。さきほどは勝手に帰ってしまって申し訳ありません」ペコッ

マスター「ああ、いいいい。別に気にしちゃいねえよ。んで、どうしたんだ?」

魔法使い「あ、勇者様ってまだ居ますか?」

マスター「あー、あいつか。あいつなら今頃城に向かってるんじゃねえか? この国の税のこと話したら今から行ってくるってよ」

魔法使い「えっ」

マスター「本当に奴の行動力はすげえな」

魔法使い(なんだ。なんだかんだ言ってやっぱりいい人じゃないですか)

魔法使い「ありがとうございます!! 私も今から行ってきます!!」ダッ

マスター「あ、おい!!」

カランカラーン

マスター(・・・まあ酒代ただの話は言わなくていいか)

マスター(まっ、俺は酒とミルクの準備でもしとくか)

46:>>44 ありがとうございます!:2013/08/03(土) 18:50:30 ID:XA2tjMLU

勇者「はー。でけえ城だな、おい。うちの国の倍はあるんじゃねえか

勇者「さて、どっから入るかな。正面から堂々と入るわけにもいか・・・」ピクッ

勇者「誰だ!!」チャキッ

魔法使い「ひ、ひいっ!!」ビクッ

魔法使い(え、え、なんで気づいたんですか!?)

勇者「・・・・・・なんだよ、お前かよ。良い子はもう寝る時間だぞ。さっさと寝ろ。だから身長伸びねえんだぞ」

魔法使い「お、大きなお世話です!!」

勇者「アホ、うるせえよ。大きな声出すんじゃねえよ」

魔法使い「あ、すいません」オクチチャック

勇者「・・・んで、なんでお前がここにいるんだよ? まさかここに住んでるとかいうわけじゃねえだろ

魔法使い「そ、それは酒屋のマスターに勇者様がここに居るって聞いて・・・」

勇者「はぁ・・・。あのなぁ、なんであんな飛び出してまで出ていったお前がわざわざ俺に会いに来るんだよ」

魔法使い「そ、それは・・・」

勇者「あぁ、まあいいや。それよりお前。折角俺に会いに来てくれたのは嬉しいが帰れ」

魔法使い「え

47:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 18:54:18 ID:XA2tjMLU

勇者「え、じゃねえよ馬鹿。俺はこれから危険なことをするの。また大罪を犯しに行くの。わかる

魔法使い「で、でもそれは私たちの為に・・・」

勇者「いいから聞け。俺はこの先人を殺す。間違いなくな」

魔法使い「・・・・・・」

勇者「そこにお前が居たら相手はどう思う? お前が人を殺そうが殺すまいお前も罪人だ」

勇者「こっから先は遊びじゃねえんだ。ガキが出る幕じゃねえ。とっとと帰んな」

魔法使い「・・・嫌で

勇者「あ

魔法使い「ガキはガキらしく素直に生きるんです!! 自分のやりたいことをするんです!! 駄々をこねるんです!!」

魔法使い「馬鹿だから難しいことなんてわかりません!! あなたが悪い人か良い人かもわかりません!! だから!!」

魔法使い「あなたの戦ってる姿が見たいんです!! この目で見て何が真実かを確かめたいんです!! だからついていきます!!」

勇者「・・・・・・」

魔法使い(うう・・・。お、怒らせてしまったでしょうか・・・)

勇者「・・・・・・おい」

魔法使い「は、はいっ!!」

48:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 18:59:47 ID:XA2tjMLU

勇者「お前には殺す覚悟と死ぬ覚悟があるのか」

魔法使い「・・・・・・」

魔法使い(私は勇者様からなんの感情も読み取ることが出来ませんでした)

魔法使い(どんな思いでその言葉を言っているのかもわかりませんでした)

魔法使い(普通に考えればついさっき会ったばかりの人に着いていく私がおかしいのでしょう)

魔法使い(話を聞く限り極悪人、やっていることもまともな人間だとは到底思えません)

魔法使い(そんな人と一緒に死ぬ可能性もあるというのに着いていくという私はおかしいのでしょう)

魔法使い(・・・ですが私にはそれが間違った選択には思えませんでした)

魔法使い(むしろそれが最善の選択にしか思えなかったのです)

魔法使い(だから私は臆することなくはっきり答えます)

魔法使い「はい!!」ガクガク

勇者「膝震えてんぞ」

53:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 19:50:22 ID:vfKaAmMo

魔法使い「こ、これは武者震いってやつです」

勇者「はあ・・・。わかったわかった。そういうことにしといてやるよ」

魔法使い「ありがとうございます・・・」

勇者「でも本当にいいんだな。後悔すんじゃねえぞ」

魔法使い「ぐ、愚問です!!」

勇者「わかったよ。なんでそこまでして着いてくるかはわからんがな」

魔法使い「だからそれは」

勇者「ああ、いい、喋るな。んじゃさっさと行くぞ」

魔法使い「あぁ、心の準備が!!」

勇者「はぁ・・・。おい、ガキ使。ちょっと手を出せ」

魔法使い「ガキ使で固定なんですか。まあいいですけど」サッ

勇者「よしっ」ギュッ

魔法使い「え、え、ちょ、何してるんですか/// なんで手を握って///」

勇者「舌噛むなよ」

魔法使い「えっ?」ヒュン

54:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 19:58:25 ID:vfKaAmMo

ヒュン

勇者「はーい、敵の本拠地に到着でー

兵1「だ、誰だ!!」

兵2「い、一体どこから!?」

魔法使い「はあ!? ちょっと、一体・・・おえええ」

勇者「ああ、慣れるまできついかもな、これ」

魔法使い「そういうのは最初に・・・おえええ」

勇者「とりあえず暫く黙ってろよ。少しすれば治るから」

魔法使い「うぅ・・・はい・・・うっぷ」

兵2「お前はどこから入ってきたのだ!!」

勇者「城の外からに決まってんだろ。他にどこがあるんだよ」

兵1「そういうことではない!! 何故急に現れたのだ!!」

勇者「移動呪文は勇者の特権だろ

兵2「何!? 貴様が勇者だと!?」

勇者「はっは、見ろよこの紋章。カッケーだろ」

55:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 20:04:37 ID:vfKaAmMo

兵2「ええい、無礼な奴!! 一体ここに何の用だ!!」>

勇者「依頼主Mさんより納税パーセンテージの引き下げのクエストを受けたからな。それを達成しに来

兵2「部外者がこの国の方針に文句を付けるでない!!」

勇者「いやあ、そういう訳にもいかないんだよね。こっちも生活がかかってるもんでね」

兵1「ほう、随分と貧乏な勇者も居たもんだな。哀れなものだ」

勇者「心配してくれてありがとよ」

兵1「減らず口を・・・。まあいい。いくら勇者と言えども不法侵入には変わりない。罪人としてここで叩き切る!!」チャキ

兵2「覚悟しろ!!」チャキ

勇者「おうおう、随分立派な両手剣だこと。ロングソードか」

兵1「そういう貴様は武器が見当たらないようだが」

兵2「防具も何もつけていないようだし・・・手ぶらで来るとは余程死にたいらしいな」

勇者「俺にはこれさえあれば十分なんだよ」サッ

兵1「ふっ、随分短いナイフだな」

魔法使い「え、見せちゃうんですか!? さっきは・・・うっぷ」

勇者「だから無理して喋るなっての。いいんだよ、今回は見せても」

56:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 20:12:35 ID:vfKaAmMo

勇者「それでお前ら。人に武器を向けてるってことは、殺す覚悟と死ぬ覚悟があるんだな

兵1「何を当たり前なことを!!」ダッ

兵2「まあ死ぬのは・・・貴様の方だがな!!」ダッ

魔法使い「き、来ましたよ勇者様!!」

勇者「おお。酔が覚めたか。そりゃ良かっ

魔法使い「言ってる場合ですか!! 相手はロングソードなんですから攻撃範囲に入られたら・・・!!」

勇者「って相手も思ってるだろうな」

魔法使い「え

勇者「まあ見てろよ。一瞬たりとも目を離すんじゃねえぞ。さて・・・」

勇者「死神のご加護がありますように」

57:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 20:19:57 ID:m5Zs0I3Q

なんかかっけぇぞ

58:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 20:20:06 ID:vfKaAmMo

兵1(相手はあの短いナイフだ。こっちが攻撃範囲に入れば相手は何もできない)ダッダッダ

兵2(だったらさっさと叩き切る!!)ダッダッダ

勇者「やれやれ、飛んで火に入る夏の虫とはこのことか」

兵1「ふん、無駄口を叩いてる場合か?」ダッダッダ

兵2「既にお前は範囲内なんだよ!! 死にな!!」

魔法使い「勇者様!!」

勇者「ドアホ、人の話はちゃんと聞くもんだぜ?」ヒュン

ブンッ

兵2「・・・なっ!? 消えた!?」

兵1「ば、バカな!! 一体どこに!?」

魔法使い「・・・あ」

勇者「後ろだ、クズ共」

ズバッ

59:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 20:28:36 ID:vfKaAmMo

兵2「ぐわあああああああああああああああああああ!! 足がああああああ!! 足がああああああああ!!」>

兵1「な、そっちか!?」クルッ

勇者「ま、振り向いちまうよな」ヒュン

ズバッ

兵1「がっ!? ぐっ、あ、あ、足がああああああああああああああああああ!!」

魔法使い「あ、あ、あ」

勇者「どうだぁ? 足首がプラプラしてる感じはぁ? 歩けねえだろぉ? そうだよなぁ、動いたらもげちまうもんなぁ? 痛いだろぉ? そりゃそうだ、血が出てるからなぁ? なあ、今どんな気持ちだぁ? 苦しいかぁ? 痛いかぁ?」

兵2「がああああああああいてええええええ!!」

兵1「あああああああああああああああああああああああ!

勇者「ギャハハハハハハ!! いいねぇ!! もっと苦しめよ!! もっと泣き叫べよ!! 俺をもっと楽しませてくれよ!!」

兵2「ふ、ふざけんなあああああああああああああああああああああああ!!」ブンッ

勇者「おっと、危ねえな」ヒョイ

勇者「何だぁ? お痛をするのはその手かぁ? そんな悪い手にはお仕置きしなきゃなぁ?」スパッ

60:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 20:35:49 ID:vfKaAmMo

カラン ポトポトポトポト

兵2「あ、あ、あ、指がない、俺の指が、小指が親指が、あああああああああああああああああああああああああああああああああ」

勇者「ついでにお前も」スパッ

カラン ポトポトポトポト

兵1「やめろおおおおおおおおおおおああああああああああああああああああ」

勇者「どうだぁ? 力入らないだろぁ? 力を入れるために必要な小指と支えに必要な親指を切ったからなぁ? 剣が持てねえだろぉ? まぁ、もし持てたとしたって支えがないからすっぽ抜けるだろうけどなぁ」

兵2「俺が悪かった助けてくれ、助けてくれえええええええええええええええええええ」

兵1「命だけはああああああ命だけはああああああああああああああ」

勇者「いいねぇ、最っ高だねぇ!! もっと泣き叫べよ!! 喚き散らせよ!! ギャハハハハハハ!!」

勇者「・・・・・・はあ、飽きた。もういいや。おい、お前」グイッ

兵1「あっ、あっ、命だけは、命だけは」ガタガタガタガタ

勇者「けっ、何が殺す覚悟も死ぬ覚悟もあるだ。口だけのゴミクズ野郎が」

兵1「すみませんでしたすみませんでしたすみませんでしたすみませんでしたすみませんでしたすみませんでしたすみませんでしたすみませんでしたすみませんでしたすみませんでし

勇者「ちっ。ウゼェ。おい、いいからさっさと王の居場所を教えろ。そしたら命だけは見逃してやる」

兵1「言います言います!! そこの通路を右に曲がって突き当たりを左、あとは真っ直ぐです!! だから命だけはあああああ!!」

61:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 20:37:57 ID:vfKaAmMo

勇者「あっそ。じゃあな。いい夢見ろよ」ドスッ

兵1「あ・・・」パタッ

兵2「あ、あ、あ、あ、あ」

勇者「お前は完全に用済みだ。テメエも寝てろ」ドスッ

兵2「がはっ・・・」パタッ

勇者「ふう・・・。場所もわかったしさっさと行くか。おい、ガキ使。行くぞ」

魔法使い「」

勇者「立ったまま気絶してやがる・・・。ホントお前は何しに来たんだよ・・・」

62:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 20:46:38 ID:UqBEI.wg

勇者「おい、ガキ。起きろ。寝んねの時間は終わりだ」ゲシゲシ

魔法使い「え? あ、痛い、痛いです!! 脛を蹴らないでください!!」

勇者「だったらさっさ起きろ。ほら行くぞ。あんまり人が集まっても困るしよ」

魔法使い「・・・・・・殺しちゃったんですか、この人達」

勇者「だったらどうする

魔法使い「・・・・・・いえ、私が選んだ道ですもんね。仕方ないんですね」

勇者「そういうこった。わかってんならキリキリ動け。死んだやつのことなんか考えても仕方ねえだろ」

魔法使い「・・・そうですね。はい、行きましょう」

兵3「侵入者発見!! 総員かかれ!!」

兵達「「「「はっ!!」」」」

勇者「・・・テメエのせいだかんな」ゲシッ

魔法使い「痛い痛い!! ごめんなさい!!」

63:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 20:52:27 ID:UqBEI.wg

国王「何? 侵入者を許しただと

兵長「申し訳ございません」

国王「謝罪などいらん! いいからさっさと始末してくれ!」

兵長「はっ。今全勢力をあげて対処しておりま

国王「そうかそうか。ならば解決は時間の問題か」

兵長「だと思われま

国王「なら良い」

兵4『兵長!!』

兵長「どうした。始末したのか

兵4『そ、それが現在部隊の3分の1が負傷!! 依然として対象は無傷です!!』

兵長「・・・なに? 一体何をしている!!」

兵4『申し訳ありません!! ですが報告によると何をされたかもわからぬうちに次々とやられております!!』

兵長「ちっ、使えない!! 相手は一体どんなやつなんだ!!」

兵4『はっ!! 勇者を名乗る男と少女の二人組です!!』

兵長「なっ!! たかだか二人相手に何をしている!!」

64:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 20:59:25 ID:UqBEI.wg

兵4『で、ですが・・・なっ!! お前、やめ、ぎゃあああああああああ!!』

兵長「おい!! 一体どうしたというのだ!!」

勇者『あーあー、マイクのテスト中、マイクのテスト中。本日は晴天なり、本日は晴天なり』

兵長「・・・貴様が侵入者か」

勇者『ピンポーン。大正解。勇者ポイント5点を贈呈しまーす』

兵長「・・・こんなふざけたやつにやられたというのか」

勇者『おいおい、酷い言い草だな。まあもうすぐそっちに行くからゆっくりお茶でもしながら待ってろよ。あ、俺はビールな』

兵長「ふん、むしろお前がそこで待ってるんだな。こっちから出向いてやる」

勇者『おーそうかい。んじゃ薬草でも大量に持ってくるんだな。俺は煙草な。出来ればピ○ス』

兵長「黙って待ってな」

勇者『ちぇっ、つれねえな。わーったわーった。あ、ゆっくりでいいぞ。俺は煙草でも吸ってるから。じゃな』ブツッ

兵長「・・・ということで国王様。私は行ってまいりま

国王「はよいけっ!!」

兵長「はっ

65:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 21:09:00 ID:vfKaAmMo

バタンッ

国王「・・・・・・行ったか」

国王「な、なあ? これでいいのだろ? そうすれば儂を殺したりしないか

「ああ。これでいいんだよ。テメエは俺様の言うとおりに動いていればいいんだよ」

国王「じゃ、じゃがな? 流石に40%はあまりにも可愛そうじゃないか? そちらも大変なのはわかるが・・・」

「ああ? 俺様に口答えするっていうのか

国王「そそそそんな、滅相もない」

「だったらテメエは何も考えなくていいんだ。俺様に全て任せればいいんだよ」

国王「・・・はい」

「ふふふ、しかし侵入者ですか。それも勇者。やれやれ命知らずな人も居たものですね」

「他の奴が始末してくれた方が楽だが・・・まあここに着いたって無駄だがな」

「俺様が葬り去ってやるからな」

69:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 21:40:15 ID:vfKaAmMo

ジュッ

勇者「・・・はぁ。うめえ。なんでこんなに美味いんだ。いや、ありえねえ。吸わねえやつの気持ちがわからねえ」

魔法使い「・・・・・・そうですか」

勇者「あん? 随分湿気た顔してんな。どうした? 生理か

魔法使い「違いますよ!! ・・・でもやっぱりあれですね。覚悟していたとはいえやはり心に来るものがありますね」

勇者「はぁ、まだ悩んでんのかお前は。いいんだぞ、帰っても。今なら間に合うぞ」

魔法使い「い、いえ、そんなつもりで言ったわけじゃないんです!! ・・・ただあのなんというか」

勇者「まっ、所詮おこちゃまだからな。血が怖いんだもんな」

魔法使い「・・・ま、まぁ」

勇者「慣れだ慣れ。そのうち慣れる。もう時期嫌でも股から血が出てくるんだからよ」

魔法使い「・・・ホント最低ですね」

勇者「よく言われてたよ」

70:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 21:45:59 ID:vfKaAmMo

勇者「ていうかよ、お前本当に魔法使いなんだよな

魔法使い「なんですか今更」

勇者「いや、本当にお前が魔法使えるか気になったからよ。魔法使いっていうんだからそりゃ相当な呪文が使えるんだろ

魔法使い「・・・・・・で

勇者「あん

魔法使い「だから!! 火術だけしか使えないんです!!」

勇者「・・・そうか。じゃあな。達者でな」

魔法使い「お、置いてかないで下さいよ!! 私も役に立つかもしれないじゃないですか!!」

勇者「血を見て気を失ってるやつのどこが役に立つんだよ」

魔法使い「うぐっ・・・」

勇者「それにわかったろ? 俺が噂通りの男だってことをよ。だったらもう目的達成じゃねえか。おめでとうございます。クエスト達成です」パチパチ

魔法使い「・・・いえ、それは違うと思いま

勇者「あ

71:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 21:53:55 ID:vfKaAmMo

魔法使い「私がそこまで馬鹿だと思っているんですか。勇者様」

勇者「いや、たぶんお前の予想以上に馬鹿だと思っていると思うぞ」

魔法使い「うるさいです!! 話を聞いてください!!」

勇者「わかったわかった。じゃあお前の名推理を聞かせてくれ」

魔法使い「はい。では勇者様お聞きしま

勇者「なんなりと」

魔法使い「ではなんで勇者様は毎回足から攻撃をするんですか

勇者「そんなもん身動きを取らせなくするためだろ。戦いの上等手段じゃねえか」

魔法使い「ええ。私は剣を扱わないのでわからないのですが多分そうなんでしょう」

勇者「だったらなんの問題もないじゃねえか。はい、推理終了」

魔法使い「・・・ですがそれは普通の戦闘の場合ですよね

勇者「あん? 何が言いてえんだ

魔法使い「簡単なことですよ。勇者様は移動魔法が使えるんですよ。なら最初から背後に回って心臓を一突きすれば終わりじゃないですか」

勇者「・・・ほぉ」

72:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 21:59:11 ID:vfKaAmMo

魔法使い「それにその後は指を削ぐ。・・・うっぷ」

勇者「自分で言って気持ち悪くなってるんじゃねえよ」

魔法使い「う、うるさいです!! とにかくですね。勇者様の行動は相手の怪我を最低限に抑えているように見えるんですよ」

勇者「それはお前の解釈だろ?」

魔法使い「そうとしか思えないんですよ」

勇者「だったら教えてやろう。俺は快楽犯なんだよ。相手の痛がってる姿を見るのが最ッ高に気持ちよくてね。一気に殺すよりじわじわ苦しみながら死んでいく姿がたまらないんだよ」

魔法使い「・・・・・・」

勇者「最初のやつらの命乞いとか見たか? 命だけは命だけはってよ。王国の兵士がそんなこと言ってるんだぜ。国の心配よりも自分の心配だ。実に人間らしかったね。所詮人間は口だけなんだな。その本音が聞けて俺はゾクゾクしたね」

魔法使い「・・・・・・」

勇者「だから俺は最初に聞いたのにな。死ぬ覚悟はあんのかって。なのに結局は命乞いだ。アホなやつだよ、本当に」

魔法使い「・・・・・・もうやめてください」

勇者「おっと、悪いな。ガキにはきつい話だったか」

魔法使い「・・・・・・どうしてそんなに自分を悪く見せようとするんですか」

勇者「・・・・・・」

73:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 22:07:24 ID:vfKaAmMo

魔法使い「もういいじゃないですか!! 自分に嘘をついてどうするんですか!! 辛くないんですか!? もっと素直に・・・ガキらしく生きればいいじゃないですか!!」>

勇者「おいおい、いい歳の大人に何言ってるんだよ」

魔法使い「勇者様!! はぐらかさないでください!!」

勇者「仮にだ。もし俺がお前の言った通りだったとしよう。だがそれがなんだ? それでお前はなんか得するのか?」

魔法使い「そういう話じゃ・・・!!」

勇者「だったら俺の勝手だろうが。俺がどう生きたっていいだろうが。好きにさせてくれよ。俺に生き方まで強要すんじゃねえよ」

魔法使い「勇者様・・・」

「ここに居たか・・・」

勇者「おっと。首を長くして待ってたぞ」

兵長「驚いた・・・。まさかうちの兵を全滅させるとはな」

勇者「んなことはどうでもいい。そんなことよりお前が遅いせいで退屈な話しに付き合わされたじゃねえか。どう責任とってくれるんだよ」

兵長「それは悪いことをしたな。責任は取れないが・・・代わりにその長くなった首をとってやるから許してくれ」

勇者「怖い怖い。勘弁して欲しいな」

兵長「無理な相談だな」

74:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 22:12:30 ID:vfKaAmMo

勇者「まっ、いいや。さっさとケリを着けようぜ。俺が用があるのはお前じゃなくて国王様だからな」

兵長「不法侵入してまでなんの用があるというのだ」

勇者「生憎俺は貧乏でね。金がないんだ。だから納められた税をちょっと拝借したくてな」

兵長「ふんっ。やってることがコソ泥と変わりないではないか」

勇者「お、そうか? じゃあ盗賊にでもジョブチェンジするかな」

兵長「強くおすすめするよ」

勇者「国の兵の長に言われたんならお墨付きだな」

兵長「まあ残念ながら転職する間もなく死ぬんだがなっ!」ダッ

勇者「そりゃあ残念だ。折角自分の才能に気づいたっていうのによ」

76:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 22:17:51 ID:vfKaAmMo

兵長「さあ死ぬがいい!!」ダッダッダ

勇者(なんだ、兵長という割にやってることはただの兵士と変わらねえじゃねえか)

勇者(だったら俺もやることは変わらねえか)

勇者(兵長っていうから期待したのに残念だぜ)

勇者「まあ、いいや。ほら、こいよ」

兵長「言われなくても・・・なっ」サッ

勇者(剣を振り上げたな)

勇者(じゃあここで移動魔法っと)ヒュン

勇者(そして、斬・・・なっ!!)

勇者(何故遥か前に!?)

兵長「かかったな。お前がその様な戦い方をするのは調査済みなんだよ!!」ダッダッダ

勇者(まずい!! そっちの方向は!!)

勇者「馬鹿!! 逃げろ!!」

魔法使い「え、え

兵長「一体彼女になんの意味があるかわからんが・・・始末できるものから始末する!!」

77:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 22:23:57 ID:vfKaAmMo

魔法使い「あっ、あっ」

魔法使い(ま、まずい!!)

魔法使い(魔法を唱えなきゃ・・・!! 早く唱えなきゃ・・・!!)

魔法使い(このままじゃ本当にただの足でまといに・・・!!)

魔法使い「か、火じゅ」

兵長「遅い!!」サッ

魔法使い(あ・・・間に合わない)

魔法使い(本当に・・・勇者様と会ってからイイ事ないな・・・何度も死にかけるし・・・無駄に頭使うし・・・)

魔法使い(はぁ・・・偉そうなことばかり言っちゃいましたね)

魔法使い(生意気なガキでごめんなさい・・・死神って言ったこと謝れなくてごめんなさい・・・勇者様)

魔法使い(そしてごめんなさい・・・お父さんお母さん)

ヒュン ザクッ!!

勇者「このアホが」

兵長「」ブシャー

魔法使い「ゆうしゃ・・・さま・・・?」ビチャビチャ

78:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 22:28:18 ID:vfKaAmMo

勇者「はぁ・・・返り血浴びちまったじゃねえか。服の替え持ってねえんだぞ、どうしてくれるんだよ」

魔法使い「勇者様・・・殺しちゃったんですか?」

勇者「あぁ、そうだが。だから言ったろ。俺はただの死神だ。それ以上でもそれ以下でもねえんだよ」

魔法使い「で、ですが今のは」

勇者「お前さっき言ってたよな? 俺が怪我を最低限にしてるってよ。そんなこと言われたからムシャクシャして殺した。そんだけだ」

魔法使い「でもあれは私を守るために・・・!!」

勇者「勘違いすんなアホ。いいか、よく聞け? 俺の移動魔法は自分以外のものも移動させることが出来るんだぞ? ここに来るとき、俺はお前をどうした

魔法使い「・・・・・・あ」

勇者「そういうこった。怪しむんだったらもう一回見せてやろうか? いいか、この煙草をよく見てろよ」サッ

勇者「移動魔法」ヒュン

勇者「・・・ほらな。消えただろ? そういうことだ。残念だったな。お前の迷推理が外れちまってな」

魔法使い「そんな・・・」

勇者「ほら、いい加減帰れよ? 今なら誰も居ねえぞ? ゆっくり歩いたって無事に帰れるはずだ」

魔法使い「・・・・・・いえ、最初に約束しましたから。最後までついていきま

勇者「・・・ったく、どうなっても知らねえぞ」

79:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 22:33:58 ID:vfKaAmMo

ギィ・・・

勇者「どうもー、お邪魔しまー

国王「な、なっ、もう来たというのか!! ええい、兵長は一体何をしているのだ!!」

勇者「ん? ああ、これのことか」ゴトッ

国王「ひ、ひぃ!!」

勇者「いやあここに来るまであまりにも暇でついサッカーしながらきちまったぜ。だーれもいやしねえんだもん」シュボッ

国王「そ、そんな・・・。ざっと100人は居たはずだが・・・」

勇者「こいつを含め112人だな」ゲシッ

国王「ば、化物め・・・」ガクブル

勇者「こいつは馬鹿者だけどな」

魔法使い「・・・・・・」

勇者「・・・はぁ、無反応かよ。つまんねえな。まあいいけどよ。そんなことよりここまで着いたんだ。特典として俺のお願いを聞いてくれないでございますか

国王「な、な、ならん!!」

勇者「まあ・・・聞かないなら殺すだけだけどな?」チャキッ

国王「ひ、ひいいいいいい!!」

80:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 22:39:00 ID:vfKaAmMo

「させねえよ」

ブンッ

勇者「おっと」ヒュン

「ちっ、これを避けるか。ここにたどり着いただけあるな」

魔法使い「ま、魔物!?」

勇者「おいおい、いきなりご挨拶じゃないか。まずは名前、年齢、住所、生年月日を名乗ってからだろ?」

「テメエに名乗る名前なんか持ち合わせてねえよ」

勇者「何? お前名前ねえのかよ。愛されてこなかったんだな、可哀想に。俺はちゃんとあるぜ。男っていう立派な名前がな」

国王「なっ!! 男ってまさか!!」

勇者「あぁ、もう説明は省くぞ。どうせそれで合ってるだろうし」

「ふん、どこの誰だろうが俺様には関係ねえ。俺様が葬ってやるよ!!」

勇者「やれやれ、魔物がよく喋る。もう名乗んねえなら俺が名前を決めてやる。お前なんかトカゲみたいだからトカゲでいいや」

「ふざけんな!! 俺様にはちゃんとリザードって名前があんだよ!!」

勇者「なんだよ。だったら最初から名乗れよ。もったいぶってんじゃねえよ」

81:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 22:44:13 ID:vfKaAmMo

リザード「うるせえ!! もういい!! ぶち殺してやる!!」>

勇者「ったくこれだから血の気の多い魔物は困るぜ。ほらっ、国王は邪魔だからどっか行ってな。まっ、マスターのとこでいいか」

国王「た、たの」ヒュン

勇者「さ、早く終わらせようぜ。このままじゃ宿代が無駄になっちまう」

リザード「そんなことを気にしている場合かよ!!」ブンッ

勇者「バーカ、そんなの当たらねえよ」ヒョイ

リザード「ちっ!! 小癪な!!」ブンッブンッ

勇者「もういいか? ならこっちから行くぞ」ヒュン

リザード「あん!? どこいった!?」

勇者「ここだよ」ヒュン

リザード「なっ!!」

ガキンッ

勇者「お

リザード「・・・なんてな」ニヤッ

82:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 22:52:27 ID:vfKaAmMo

勇者「おいおい、まじかよ」ヒュン

リザード「俺様の皮膚は並みの金属は通さねえよ。ましてやそんな小せえ小刀じゃな」ブンッ

勇者「おっと。なるほどな・・・。こりゃやっかいだな」ヒョイ

リザード「だったらさっさとくたばんな!!」ブンッ

勇者「やなこった。俺は長生きしてえんだよ。それこそ100歳くらいまでな」ヒュン

魔法使い「・・・・・・だったら煙草やめればいいじゃないですか」

勇者「お、やっと喋るようになったか。おじさん寂しかったぞ」

魔法使い「・・・ええ。珍しく勇者様が苦戦してるのに私だけ黙ってる訳にもいきませんしね」

勇者「そりゃありがてえな」

リザード「なんだ、お前も戦えたのか。だったらお前から始末してやるよ!!」ダッ

勇者「さっきみたいなヘマはすんなよ」

魔法使い「わかってますよ!!」

魔法使い(大丈夫です・・・魔物ならちゃんと戦えます!!)

83:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 22:56:56 ID:vfKaAmMo

リザード「ヒャハハハ!! 来いよ!!」ダダダッ

魔法使い「行きます!! 火術!!」

ゴウッ

リザード「なっ!!」

ドーン!!

勇者「ひゅ~。なんだ。ちゃんと使えるじゃねえか」

魔法使い「最初からそう言ってるじゃないですか」

勇者「しかし煙で周りが見えねえな。どこ行きやがったあいつ。死んだか?」

魔法使い「まっ、ざっとこんなもんですよ」フンス

勇者「馬鹿、まだ油断してんじゃ」

リザード「ねえよってか!!」ダッ

魔法使い「あっ!!」

勇者「馬鹿!! だから!!」

リザード「死にな!!」ブンッ

魔法使い「きゃあああああああ!!」

84:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 23:02:50 ID:vfKaAmMo

ブシャッ

リザード「キャハハ!! これだよ、これ!! いい感触だぜ!!」

ビチャビチャ

リザード「どんな気分だ? あん? 斬られた気分はよ

魔法使い「あ、あ、あ、あ」ガタガタガタ

リザード「滅多にない経験だろ? それとも初体験か? キャハハハハ!!」

魔法使い「そんな・・・そんな・・・」ガタガタガタ

リザード「なあ、答えろよ、おい」

リザード「勇者様よ」ニヤッ

魔法使い「勇者様あああああああああああああああああああああああ!

勇者「ははっ、最高にハイってやつだな」ボタボタ

85:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 23:08:26 ID:vfKaAmMo

魔法使い「勇者様!! 大丈夫ですか!?」

勇者「あー騒ぐな。耳がキンキンする。あーあ、こんなことなら防具買っとくべきだったな」ボタボタ

魔法使い「すみません・・・また私のせいで・・・」グスッ

勇者「泣くなアホ。ガキは大人に迷惑かけてなんぼだろうが。それに俺は女の涙にゃ弱いんだよ」ボタボタ

魔法使い「でもっ・・・でも・・・」

勇者「うるさいうるさい黙れ黙れ。いいから黙って聞け。あいつを倒す方法が思いついた」ボタボタ

魔法使い「ほ、本当ですか!!」

勇者「ああ。だが思った以上に出血が酷いな・・・。おい、悪いが1つ頼みがある」ボタボタ

魔法使い「は、はい

勇者「止血するのにお前の下着を貸してくれねえか」ボタボタ

魔法使い「え//// あ、はい、わ、私のでいいなら///」

勇者「嘘だ馬鹿」ボタボタ

魔法使い「な/// なんなんですか本当にっ/// 私の覚悟はなんだったんですかっ///」

勇者「ハハハ、愛いやつめ」ボタボタ

86:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 23:13:30 ID:vfKaAmMo

リザード「おいおい、そんなこと言ってる余裕あるのかよ」ニヤニヤ

魔法使い「そ、そうですよ!! 早く止血しないと!!」

勇者「ちげえよ、これは鼻血だ。興奮しすぎた」ボタボタ

魔法使い「そんな強がり言ってる場合ですか!!」

勇者「いいからさっさとケリを付けるぞ」チャキ

リザード「ほう・・・。随分小刀を隠し持ってたみたいだな。だがいくら本数があったって意味がないのはわかるよなあ

魔法使い「そうですよ!! あの皮膚の硬さじゃ・・・」

勇者「ドアホ。だーれがバカ正直に皮膚貫くつった」ボタボタ

リザード「あん

勇者「あんまり使いたくなかったんだがな・・・。仕方ねえ。これはなこうやって使うんだよ」チャキ

勇者「転移魔法」ヒュン

リザード「が、がああああああああああ!!」ブチブチブチ

87:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 23:18:21 ID:vfKaAmMo

魔法使い「なっ!? 内側からっ!?」

勇者「おうおう、まるでハリネズミみたいになったな。いや、ハリトカゲか?」ボタボタ

リザード「き、貴様・・・」ボタボタ

勇者「おぉ、魔物の血ってのは緑色なのかよ。グロイな」ボタボタ

リザード「黙れ!! ・・・だが勇者よ・・・残念だったな・・・」ボタボタ

勇者「あん?」ボタボタ

リザード「俺様はなぁ・・・まだ戦えるんだよお!! だが・・・貴様にはもう武器はないようだなあ?」ニヤァ

勇者「・・・はあ。バレてたか」ボタボタ

魔法使い「え、それじゃあ・・・!!」

勇者「ああ。お手上げだ」ヒラヒラ

魔法使い「そ、そんな・・・」

リザード「キャハハハ!! 馬鹿め!! 惜しかったなあ、あと一歩だったのによお!!」

勇者「・・・ああ、全くだ」ボタボタ

88:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 23:26:05 ID:vfKaAmMo

リザード「さあ、潔く死ぬんだな!! キャハハハハ!!」ジャキ

勇者「ああ、だがちょっと待て」ボタボタ

リザード「ああん

勇者「最後くらい煙草吸わせてくれよ」ボタボタ

リザード「あぁ、そんなことか。好きなだけ吸うがいいさ!! 俺様は優しいからなあ!! キャハハハ!!」

勇者「じゃあお言葉に甘えて」サッ

リザード「おいおい、何本咥えるんだよ」キャハハハハ

勇者「ま、線香替わりにな。歳の数だけ咥えるよ」ボタボタ

リザード「キャハハハハ!! そいつは御洒落だな!!」

勇者「もう一箱開けるか。まだまだ残ってるが仕方ねえか」ボタボタ

勇者「おい、魔法使い。悪いが火つけてくれねえか?」ボタボタ

魔法使い「・・・え

勇者「最後の頼みだ。頼む」ボタボタ

魔法使い「・・・・・・」

89:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 23:32:02 ID:vfKaAmMo

魔法使い「・・・・・・わかりました。ではライターを」

勇者「あぁ、違う違う。火術で頼む」ボタボタ

魔法使い「え!? で、でもそんなことしたら死んじゃいますよ!!」

勇者「どうせ死ぬんだから変わんねえだろ。殺されるなら可愛い女の娘の方がいいだろ?」ボタボタ

リザード「キャハハ、ちげえねえ!!」

魔法使い「で、でも」

勇者「なあ、頼むよ。こんなに俺が素直になることはもう一生ないだろ。一生の頼みだ」ボタボタ

魔法使い「・・・勇者様。・・・はい、わかりまし

勇者「おう。手加減なしで本気のやつ頼むわ」ボタボタ

魔法使い「・・・わかりました。では行きま

魔法使い「業火術!!」

ゴウッ

リザード「キャハハ!! あばよ!! 勇者よ!!」

魔法使い(・・・さよなら、勇者様)

勇者「ああ、ありがとな。魔法使いよ」ボタボタ

90:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 23:39:19 ID:vfKaAmMo

ゴウッ

勇者(あーあ、ロクな人生歩んでこなかったな)

勇者(こんなことならもっとマシな生き方するべきだったかな)

勇者(そうすればもっとマシな死に方出来たかもな)

勇者(・・・なんて悔やんでも仕方ねえか)

勇者(まだ俺の死に際を見届けてくれる奴がいるだけマシか)

勇者(あばよ、魔法使い)

勇者(短い付き合いだったけどなかなか楽しかったぜ・・・)

ジュッ

勇者「・・・なんてな」ニヤッ

勇者「移動魔法」ヒュン

93:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 23:52:05 ID:vfKaAmMo

ボウッ!!

リザード「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

魔法使い「え? え

勇者「バーカ。誰がおめおめと死ぬかよ」ボタボタ

魔法使い「勇者様!! なんで!?」

勇者「アホ。俺の得意技はなんだった?」ボタボタ

魔法使い「それは移動魔法・・・ってまさか!?」

勇者「ああ。そうだよ。お前の火術を煙草に着火させてあいつの体内に移動させたんだよ」ボタボタ

魔法使い「そ、そんなことが・・・」

勇者「出来るんだよ。俺に苦手なことはあってもできねえことはねえんだよ」ボタボタ

魔法使い「・・・・・・臭いですね」クスッ

勇者「いいんだよ、俺はなんたって勇者様だからな」ボタボタ

魔法使い「・・・血まみれで言ってもカッコよくないですね」

勇者「だったら早く止血してくれ」ボタボタ

95:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/03(土) 23:57:00 ID:vfKaAmMo

リザード「勇者あああああああああ!! ふざけるなあああああああああああ!!」ゴウッ!!

勇者「おいおい、ここは戦場だぜ? 油断する方が悪いんだよ、アホ」ボタボタ

リザード「許さん!! 絶対に貴様だけは許さん!!」ゴウッ!!

勇者「死ぬ奴に何言われたって怖くねえよ」ボタボタ

リザード「地獄の果までも追いかけてやるからなあああああああ!!」ゴウッ!!

勇者「地獄に行く奴が何言ってやがんだ。ま、地獄で待ってな」ボタボタ

魔法使い「勇者様!! とりあえずこれで止血してください!!」キュッ

勇者「おう、サンキュー」

勇者「・・・まっ、なんだ」

勇者「死神様のご加護がありますように」

96:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 00:03:55 ID:ipFwH6Hk

魔法使い「やりましたね!! 勇者様!!」>

勇者「あぁ。死ぬかと思ったけどな。今日ほど防具の大切さを学んだ日はねえよ」

魔法使い「本当ですよ!! 煙草やお酒ばっかりじゃなくてちゃんと防具も買ってくださいね!!」

勇者「あ、それは無理」

魔法使い「なんでですか!!」

勇者「それはそれ。これはこれ」

魔法使い「・・・もうっ!!」

勇者「ま、とりあえずさっさとこんなところ出ようぜ。焼きトカゲ食いたいなら食ってからでいいからよ」

魔法使い「いーいーでーす。ほら、さっさと帰りましょう。国王様もマスターさんも待ってますよ!!」

勇者「ああ。じゃあ頼むわ」

魔法使い「え・・・。何言ってるんですか勇者様!! 勇者様も行くんですよ!!」

勇者「ああ、だから頼む」

魔法使い「え?」

勇者「・・・もう限界」バタンッ

魔法使い「きゃ、キャアアアアアア!! 勇者様あああああ!!」

97:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 00:09:19 ID:YfnXhsBQ

_____
___
_

勇者「・・・・・・ん

ガバッ

勇者「・・・・・・ここは

魔法使い「やっと起きましたか。寝坊助さんですね」

勇者「・・・あぁ、俺死んだのか。おやすみ」バサッ

魔法使い「何言ってるんですか。ほら、さっさと起きてくださいよ」バサッ

勇者「キャーエッチー。犯されるー」

魔法使い「はぁ、寝起きから元気ですね。とりあえず待っててください。今マスターさんを呼んできますから」

ガチャッ

勇者「・・・・・・」

勇者「あー生きてんだ。俺」

98:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 00:13:02 ID:YfnXhsBQ

ガチャッ

マスター「おう、やっと起きたか」

勇者「なんとかな。三途の川の水が冷たすぎて戻ってきちまっ

マスター「そりゃよかった。危うく星になるところだったな」

勇者「ああ。話はお流れになっちまったよ」

マスター「そりゃなにより」

勇者「残念がるやつの方が多いだろうけどな」

マスター「ハハッ、違いない。お、そういえば国王様が感謝してたぞ」

勇者「これで恨まれたらたまったもんじゃねえよ」

マスター「だな。あと俺も感謝してるよ。ちゃんと税率も10%に戻ったしな」

勇者「そりゃなにより」

99:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 00:17:24ID:YfnXhsBQ

勇者「で、ここはどこだ?」

マスター「あぁ、俺の酒場だよ」

勇者「随分立派じゃねえか。宿屋もやった方がいいんじゃねえか

マスター「そしたらあそこの宿屋が潰れちまうだろ。優しい俺にはできねえな」

勇者「それはそれは。随分お優しいこっ

マスター「まあ、そんなことはどうでもいいんだ。とりあえずお前さんはあの娘に感謝しろよ」

勇者「あん? あのガキにか

マスター「それ以外誰が居るっていうんだよ」

勇者「シンディーと」

マスター「わかったわかった。いいから感謝するんだな。ここまで運んできたのもあの娘だし、お前さんが起きるまでずっと看病してたんだぜ、あの娘」

勇者「・・・・・・」

マスター「ま、そういうこった。あとはお前さんの判断に任せるよ。じゃあな」

勇者「おい・・・ちょっとまてよ」

マスター「あん? なんだよ?」

100:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 00:26:41 ID:YfnXhsBQ

勇者「酒の約束忘れんなよ!!」>

マスター「・・・現金なやつだな、お前は」

勇者「金はないがな」

マスター「全くだ」

101:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 00:28:05 ID:YfnXhsBQ

___
_

勇者「えーでは、偉大なる勇者様の大活躍と今後の活躍を期待して・・・あ、あと税率さがっておめでとう。乾杯!!」

魔法使い「自分で言うんですか・・・。はい、乾杯」チンッ

マスター「やれやれ。まっ、約束だ。好きなだけ飲みな」

勇者「かー、うめえ!! 流石マスター、男だね。おかわり」

マスター「あいよ」

魔法使い「早いですね・・・」

勇者「そりゃ好きなだけ飲んでいいんだぞ? 飲まずにいれるかよ」シュボッ

魔法使い「体に響きますよ。あと煙草臭いで

勇者「細かけえな、お前は。今日くらい許してくれよ」

魔法使い「いいですか。煙草は吸ってる人よりも副流煙の方が体に悪いんですよ

勇者「俺も副流煙吸ってるから気にすんな」

魔法使い「そういうことじゃないですよ!!」

102:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 00:34:37 ID:YfnXhsBQ

勇者「で、何? お前わざわざここまで運んできたの

魔法使い「ま、まぁそうですけど・・・」

勇者「チクショウ!! なんで肌の感触を覚えてないんだよ俺は!!」

魔法使い「ばっ/// 何言ってるんですかあなたはっ///」

勇者「それに何? 看病までしてくれたって

魔法使い「そ、そうですよ!! 感謝してくださいね!!」

勇者「そりゃお前のせいで怪我したんだからそうだろうよ」

魔法使い「もおおおおおおおおおおおお!!」

勇者「ミルク飲みすぎて牛になっちまったか? ペッタンコのくせに」

魔法使い「勇者様の馬鹿ああああああ!!」

マスター「やれやれ素直じゃないねえ」

103:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 00:39:55 ID:YfnXhsBQ

マスター「で、あんたはいつこの街を出発するんだい?」

魔法使い「・・・あ」

勇者「あぁ、それな。まあ怪我もしてることだし数日はここでゆっくりしてくよ」

魔法使い「・・・ホッ」

マスター「クスッ。ああ、そうかい。だったらこの街を満喫してから行きな」

勇者「そうするよ。トカゲ野郎倒してなんぼか金も入ったから武器も買わなくちゃいけないしな」

魔法使い「あとしっかり防具も買うんですよ!!」

勇者「わかってるっての。流石に身にしみてわかったよ。やっぱ人間とはちげえな」

魔法使い「そりゃそうですよ。煙草やお酒ばっか買ってないでしっかり買うんですよ」

勇者「うるせえな。お前は俺の妻かよ」

魔法使い「なっ・・・なっ////」

マスター「青春だね、全く」

105:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 00:43:19 ID:YfnXhsBQ

_____
___
_

勇者「うぃ~、酔ったぁ~」フラフラ

魔法使い「そりゃあんだけ飲んだらそうなりますよ・・・」

マスター「お前さんはうちを潰す気か。こんなに飲んだ客初めて見たよ」

勇者「そうだろ~そうだろ~。なんたって俺は勇者様だからにゃぁ~」

魔法使い「呂律回ってないじゃないですか。今日は早く寝るんですよ」

勇者「言われなくたってわかってら~い。おい、マスタ~」

マスター「なんだよ、酒くせえな」

勇者「うるしゃい!! なぁ~今日もここに泊めさせてくれよ~」

マスター「はぁ、わかったわかった。好きに使え」

勇者「やった~。俺は明日ゆっくり寝るから起こすにゃよ~」

マスター「はいはい。じゃあな魔法使いちゃん」

魔法使い「すみません、私までありがとうございました。勇者様をお願いします。おやすみなさい」

マスター「ああ、おやすみ」

106:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 00:48:38 ID:YfnXhsBQ

翌日

カランカラーン

魔法使い「おはようございまー

マスター「・・・あぁ、魔法使いちゃんか」

魔法使い「・・・ん? どうしたんですか? 随分険しい顔してますけど

マスター「ったく。あのバカのことだよ」

魔法使い「え、勇者様また何かやらかしたんですか!?」

マスター「ああ、盛大にな」

魔法使い「あの人は全く・・・。一体何をしたって言うんですか

マスター「さっき俺が部屋に行ったらよ、既にもぬけの殻なんだよ」

魔法使い「・・・・・・え

マスター「あのバカ。俺らに何も言わずに出て行っちまったんだよ!!」

魔法使い「そ、そんな!! だって昨日は!!」

マスター「そう思わせるためにわざと言ったんだろうよ!! やれやれ・・・」

魔法使い「勇者様・・・」

108:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 00:53:33 ID:YfnXhsBQ

マスター「・・・おい、いいのか。魔法使いちゃん」

魔法使い「・・・何がですか

マスター「このまま行かせちまって良いのかってことだ」

魔法使い「それは・・・寂しいですけど勇者様の選択ですから。私は何も言えないですよ」

マスター「本当にいいのか、それで」

魔法使い「え・・・

マスター「あいつはなんて言ってた

魔法使い「・・・・・・」

勇者『ガキはガキらしく素直に生きてろ。馬鹿が難しいこと考えてるんじゃねえよ』

魔法使い「・・・そうですよね。ガキですもんね。バカですもんね。難しいこと考えなくていいんですよね」

魔法使い「マスターさん!! 今までありがとうございました!!」ダッ

カランカラーン

マスター「・・・・・・頑張んなよ。魔法使いちゃんよ」

110:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 00:57:57 ID:YfnXhsBQ

勇者「あーだりー。防具おめー。気持ちわりー」フラフラ

勇者「こんなことなら防具なんて買うんじゃなかったぜ・・・」

勇者「でも痛いのは嫌だしなー」

勇者「・・・・・・」

クルッ

勇者(まっ、達者で暮らせや、マスター。そしてガキ)

クルッ

勇者「はー。行くか。次の街までなげえんだろうな」

勇者「・・・まあゆっくり行くか。小遣いでも稼ぎながら」

「ま、待ってくださ~い!!」タッタッタ

勇者「・・・・・・おいおい、嘘だろ

魔法使い「はぁ・・・はぁ・・・ふぅ。やっと追いつきまし

勇者「・・・・・・なんで来たんだよ。クソガキ」

113:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 01:07:24 ID:YfnXhsBQ

魔法使い「それはこっちのセリフですよ!! 何勝手に居なくなってるんですか!! カッコつけすぎですよ!!」>

勇者「・・・あのなぁ。こっちは急いでるんだよ。お前に構ってる暇はねえんだよ」

魔法使い「うるさいです!! 私はガキらしく素直に生きることにしたんですよ!! 文句ありますか!!」

勇者「大ありだ。馬鹿。ってか城の件でわかったろ。俺が噂通りの悪人だってことがな」

魔法使い「笑わせないでください。それこそありえない話しですよ」

勇者「何言ってんだ、お前。見てなかったのかよ。俺は移動魔法さえ使えば殺す必要のなかった男を平然を殺したんだぞ」

魔法使い「私を甘く見ないでください。今度こそ完璧な推理を見せてあげますよ」

勇者「んなもん、聞く必要ねえよ。俺は急いでるんだよ。じゃあな」

魔法使い「私に当てられるのが怖いんですか?」

勇者「あん

魔法使い「そんなにいい人に見られたくないんですか

勇者「けっ、安い挑発だな。・・・いいぜ、そんなに自信があるなら言ってみろよ」

魔法使い「えぇ、任せて下さい」

114:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 01:12:07 ID:YfnXhsBQ

魔法使い「簡単な話しですよ。あなたの移動魔法には欠点があったんですよ。それは移動魔法の範囲で

勇者「それはお前も見てただろうが。俺自身、そして俺以外の物体全てを移動させれたじゃねえか」

魔法使い「ええ。ですが問題は何を動かせるかじゃないんですよ」

勇者「だったら何が問題だって言うんだよ」

魔法使い「わかってるクセによく言いますね。でははっきり言いましょう。それはどこの物を移動できるかですよ」

勇者「・・・・・・」

魔法使い「おかしいと思ったんですよ。あんなに私を帰したがってたのに何故強制的に送り返さないのかったのかなって」

勇者「それはお前の意思を尊重したんだよ」

魔法使い「まだありますよ。何故リザードを殺すときにわざわざ一回煙草に火をつけさせたんですか」

勇者「・・・・・・」

魔法使い「焼き殺すだけなら私に打たせてそれを転移すればいいだけなんです。ですが自分の身の危険もあるのにわざわざ煙草に火をつけさせ

勇者「・・・・・・」

魔法使い「そこから推理すれば簡単なことですよ。あなたの移動魔法は・・・自分が触れている物しか移動できない。違いますか

勇者「・・・・・・」

115:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 01:18:50 ID:YfnXhsBQ

魔法使い「無言は肯定・・・ということでいいんですね?」

勇者「・・・はぁ。参った参った。紅参だ。まさかお前に見破られるとはな」

魔法使い「ふふふ、賢いですね、私。賢者にでも転職しましょうか」

勇者「自惚れんな馬鹿」

魔法使い「ひ、酷くないですか!!」

勇者「・・・あぁ、その通りだ。俺の移動魔法は俺が触ってるもんしかできねえよ」

魔法使い「だったら兵長さんの件は・・・仕方なかったんですよね」

勇者「あーそうだよ。お前を殺さないためにはあいつを殺すしかなかったんだよ。文句あっかよ」

魔法使い「・・・良かったで

勇者「あん

魔法使い「私は勇者様が・・・噂通りの男じゃなくて安心しまし

勇者「・・・ちっ」

魔法使い「ですから安心して一緒に旅ができますね!!」

勇者「・・・・・・は

116:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 01:25:59 ID:YfnXhsBQ

魔法使い「いえ、ですから」

勇者「いや、聞こえたから。聞こえてなお言ってるから。お前馬鹿か」

魔法使い「な、なんでですか!!」

勇者「あのなぁ。まずお前んちの両親はどう思うんだよ。旅になんか出させたくねえに決まってんだろ」

魔法使い「・・・・・・それは」

勇者「・・・・・・まあ、いい。そこは。だがな、火術しか使えないような使えない魔法使いを俺が連れて行くと思うか」

魔法使い「そ、それは今後成長していけば・・・」

勇者「馬鹿野郎。そんな悠長に構えてる暇なんかねえんだよ。欲しいのは即戦力だ。育つのを待ってる場合じゃねえんだよ」

魔法使い「・・・・・・」

勇者「はっきり言うぞ。連れて行っても足でまといなんだよ。お前は」

魔法使い「・・・・・・」

勇者「わかったか。戦力になるつもりなら諦めな」

魔法使い「・・・・・・」グスッ

117:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 01:32:06 ID:YfnXhsBQ

勇者「ちっ。泣くなっつうの。イライラする」

魔法使い「・・・すみません」

魔法使い(・・・やっぱり私じゃ駄目なんですね)

勇者「ったく。さーて煙草でも吸うか」ヒュン

魔法使い(・・・・・・あ、今)

勇者「・・・って、あー。クッソ。ライターねえじゃねえかよ。これじゃ煙草が吸えねえじゃねえか」

魔法使い「・・・・・・え

勇者「ライター買うのにも色々買って金ねえし。畜生。ついてねえな」

勇者「・・・はぁ。煙草吸えねえなんて考えらんねえ。あーもー仕方ねえな。おい、こらクソガキ」

魔法使い「は、はいっ!!」

勇者「ライター買うまでは連れてってやる。その代わりライター買ったらさっさと帰れよ」

魔法使い「・・・素直じゃないですね」クスッ

勇者「あ? なんか言ったかコラ」

魔法使い「いえ、なんでもないです!!」

魔法使い「よろしくお願いします!! 勇者様!!」

118:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 01:41:52 ID:YfnXhsBQ

国王「して、秘書よ。先日の件の被害者はどうなっておる

秘書「はい。負傷者が111人。死者が・・・1名で

国王「なるほど。ご苦労だっ

秘書「はっ。失礼しま

ガチャ

国王「・・・死者は兵長だけ・・・か」

国王「男・・・か」

国王「全く。あやつは立派な勇者じゃよ」

国王「見えてるもの、聞いたものが全てじゃない・・・か」

国王「まあなんにせよ」

国王「死神様にご加護がありますように」

129:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 19:09:45 ID:2Hk0VH.I

勇者「おい」

魔法使い「・・・はい」

勇者「俺がなんで怒ってるかわかるか

魔法使い「・・・はい」

勇者「別に戦闘で役に立たないのはいい。もともと期待してなかったからな」

魔法使い「・・・はい」

勇者「夜中こっそり食べ物を食べているのも別にいい。育ち盛りだからな」

魔法使い「・・・はい」

勇者「わざわざテントを2個買ったのにいつの間にか俺の横で寝てるのもまあいい。俺は役得だからな」

魔法使い「・・・はい///」

勇者「だがな」

魔法使い「・・・はい」

勇者「なんで煙草をつけるのに業火術を使うんだよ!!」

魔法使い「ごめんなさいごめんなさい!!」

130:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 19:14:52 ID:2Hk0VH.I

勇者「何? お前は俺を殺したいの? 殺すためについてきたの

魔法使い「ち、違います!! いや、だってあの時本気で来いって言ってたので・・・」

勇者「時と場合によるだろ!!」

魔法使い「そ、それにほら!! またあの技を使うときが来たときの為への練習ですよ!!」

勇者「煙草くらいゆっくり吸わせろ!! つかお前は火術以外の技を覚えろ!!」

魔法使い「す、すいません!!」

勇者「俺も吸えませんだよ!!」

魔法使い「ごめんなさいごめんなさい!

勇者「はぁ・・・こんなことなら前の街でお前が必死にライター買うのをやめるよう説得してきたのを振り切ってでもライター買うべきだっ

魔法使い「そ、それは駄目です!! 私の目が黒いうちはそんなこと許しません!!」

勇者「黙れ!! こっちは目の前が真っ黒になりそうだよ!!」

魔法使い「はぅ・・・」

勇者「煙草をつける時は小火術でいいの!! わかる? でぅーゆーあんだーすたん

魔法使い「でも小火術って消火術っぽくて火消えそうじゃないですか・・・」

勇者「馬鹿かお前は!!」

131:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 19:18:34 ID:2Hk0VH.I

戦士「大丈夫か!? 安心するがいい。この戦士が通ったからにはもう大丈夫だ!!」>

魔法使い「あ、いえ、これはちょっとしたスキンシップといいますか」

勇者「ちょっと好きにヒップをしてただけだ」

魔法使い「何言ってるんですか!?」

戦士「くっ、既に手遅れだったか・・・」

魔法使い「い、いや、私は本当に」

勇者「ああ。夜な夜な寝ているこいつの体を自由に使ってたぜ」

魔法使い「なっ、なっ//// じゃ、じゃあ私は知らぬ間に・・・///」

戦士「この悪魔めが!!」

勇者「いや、死神だがな」

戦士「どっちでもいい!! 成敗してくれる!!」チャキ

勇者「これはこれは、正義感のお強いことで」

魔法使い「子供ができてたらどうしましょう/// 名前は女の子だったら///」

勇者「お前はいつまで違う世界旅してんだよ」

134:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 19:28:16 ID:6Dl5KqxA

勇者「もういい。強制送還してやる。おら、手出せや」

魔法使い「い、嫌です!! 手を握られるのはその・・・やぶさかではないですが・・・その・・・/// と、とにかく駄目です!!」

勇者「うるせえ。ゴタゴタ言ってんじゃねえ。さあ、良い娘だ。出すんだ」

魔法使い「いーやーでーす!!」

勇者「ああ。もういい。無理矢理触ってやる。尻でも胸でも触ってりゃ効果は発動するしな」

魔法使い「そ、そういうのはもっとムードのある時にしてください!! ・・・じゃなくて///」

勇者「いいから触らせろ。もう我慢出来ねえ。大人しくしてな」

魔法使い「キャー助けてー犯されるー!!」

勇者「ゲヘヘヘ、覚悟しな」ワキワキ

「やめるんだ!! 大人しくその娘を解放しろ!!」

勇者「あん

魔法使い「え

132:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 19:23:56 ID:6Dl5KqxA

戦士「覚悟しろ!! 不届きものめが!!」>

勇者「おいおい、簡単に人に武器向けてんじゃねえよ」

戦士「貴様だから向けているのだ!!」

勇者「・・・死ぬ覚悟は出来てるんだろうな」

戦士「何

勇者「人に武器を向けてるってことはよ、殺す覚悟と死ぬ覚悟があるかって聞いてんだよ」

戦士「当たり前だ!! 困ってる人を見逃すくらいなら死んだほうがマシだ!!」

勇者「・・・ふんっ。いつまでそんなことが言えるかな」

戦士「死ぬ覚悟など既にできている!!」

勇者「・・・そうかよ」

戦士「そっちから来ないならこちらから行くぞ!!」ダッ

勇者「ああ、来いよ。格の違いを見せてやる」

135:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 19:32:50 ID:6Dl5KqxA

戦士「くらえ!! 魔人斬り!!」ブンッ!!

勇者「おっと」ヒュン

戦士「これを躱すか。なかなかやるな!!」

勇者「いきなりご挨拶だなおい」

戦士「殺す覚悟があるのだから当然だ!!」

勇者「確かにな」

戦士「まだまだ行くぞ!!」ダッ

勇者「ちっ」

戦士「だああああああ!!」ブンッ ブンッ ブンッ

勇者「すげえ猛ラッシュだな」ヒョイ ヒュン ヒョイ

戦士「まだまだ!!」ブンッ

勇者「おっと、危ねえ」ヒュン

戦士「すばしっこいやつだ!!」チャキ

勇者「避けるのも一苦労だな、こりゃ」

戦士「すぐに捉えてみせる!!」

136:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 19:36:28 ID:6Dl5KqxA

勇者「さて、お遊びもここまでにするか」

戦士「なに

勇者「じゃあこっちからも行かせて貰うぞ」

戦士「来い!!」

勇者「そんじゃ遠慮なく」ヒュン

戦士「なっ!? 消えた!?」

戦士「い、一体どこへ!?」

勇者「後ろだ」チャキ

戦士「なっ!?」

勇者「さ、チェックメイトだ」

138:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 19:42:54 ID:ne.K3k6g

勇者「さて、問題です。今君の首に当たっているひんやりとした物はなーんだ

戦士「・・・刃物か」

勇者「はーい。正解でーす。勇者ポイント5ポイントゲットでー

戦士「クソッ!!」

勇者「残念だったな。お前の冒険もここまでだ」

戦士「・・・殺すなら殺すがいい」

勇者「何

戦士「だがあの娘にこれ以上酷いことはするな!!」

勇者「・・・・・・」

戦士「この戦士。人生に悔いはない。・・・いや、あの娘を救えなかったことは一生の不覚だな」

勇者「・・・・・・ちっ」

戦士「さあ!! 殺すがいい!!」

勇者「ああ、お望み通りな」ドスッ

戦士「ガハッ・・・!!」バタッ

勇者「クッソ。気に入らねえ・・・」

139:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 19:47:26 ID:ne.K3k6g

勇者「さて」>

魔法使い「一姫二太郎がいいですかね/// でも勇者様が望むなら小隊を作れるくらいでも///」テレテレ

勇者「いい加減こっちに戻ってこい、オラッ」ゲシッ

魔法使い「あ、痛っ!! ちょっと何するんですか!! そ、それに、あ、あんなことして//// 責任は取ってくださいね///」

勇者「馬鹿かお前は。嘘に決まってんだろ」

魔法使い「・・・・・・そうですか」

勇者「何残念がってんだよ」

魔法使い「なななな何言ってるんですか//// そんな訳ないじゃなですか////」

勇者「お前が望むなら今からでもしてやろうか」

魔法使い「け、結構です!!////」

勇者「そうかよ、そりゃ残念だ」

魔法使い「・・・そ、そういうのは段階を踏んでからしっかりと///」ボソッ

勇者「なんか言ったか?」

魔法使い「なんでもないですよーだ///」

141:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 19:53:57 ID:z.WKEUKQ

魔法使い「ところでさっきの方はどうしたんですか?」

勇者「あそこで伸びてるよ」

戦士「」

魔法使い「殺しちゃったんですか?」

勇者「ああ」

魔法使い「・・・嘘付き。わかってますよ」クスッ

勇者「チッ。だったら聞くなよ」サッ

魔法使い「いい加減素直になってくださいよ」

勇者「俺は世界一素直だっての。いいからさっさと火つけろ、ライター」

魔法使い「もうっ。私はガキでもライターでもなくちゃんと魔法使いって名前があるんです!!」

勇者「おい、ガター」

魔法使い「変に略さないでください!!」

勇者「何も倒せねえところは一緒じゃねえか」

魔法使い「うるさいですよ!!」

勇者「いいからさっさと火つけてくれよ」

142:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 19:58:09 ID:z.WKEUKQ

魔法使い「全く・・・。はいはい、いきますよ」

勇者「小火術でいいからな」

魔法使い「わかってますって」

勇者「今までの事を思い出してみろよ」

魔法使い「か、過去は振り返らない主義なんです!!」

勇者「いいからさっさとしろ」

魔法使い「はぁ・・・。小火術!!」ボッ

勇者「そうそう、それでいいんだっつうの。はあ・・・うめえ」

魔法使い「もう・・・。本当に体に悪いですよ」

勇者「俺がこれを吸わなくなったらお前もいらなくなるけどいいんだな

魔法使い「じゃんじゃん吸っちゃって下さい!!」

勇者「馬鹿なやつ」プハー

143:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 20:04:03 ID:z.WKEUKQ

魔法使い「ところでこの人はどうするんですか?」

勇者「いい、ほっとけ。さっさと行くぞ」

魔法使い「でも可哀想じゃないですか

勇者「知るかそんなこと」

魔法使い「でも・・・」

勇者「そんなに可哀想ならお前一人でついてろ。俺は先に行くから」

魔法使い「で、でもそれだと煙草も吸えないですよ!? 大変じゃないですか!!」

勇者「木の板と木を探して摩擦で火を起こ

魔法使い「そこまでして吸いたいですか!?」

戦士「う、う~ん」

勇者「馬鹿。お前のせいで起きちまったじゃねえか」ゲシッ

魔法使い「ご、ごめんな、いたっ、蹴らないでください!!」

144:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 20:09:37 ID:z.WKEUKQ

戦士「・・・何? まだ生きてるだと?」

勇者「お前は殺す価値すらねえってことだよ」

魔法使い「ちょっと勇者様!! 挑発してどうするんですか!!」

戦士「き、貴様・・・て、何? 勇者だと?」

勇者「はーいどーも。希望の象徴勇者様でーす」」

戦士「勇者があんなことをしていいと思ってるのか!!」

勇者「いいんだよ。力こそ絶対だからなあ」

戦士「貴様は・・・っ!!」

魔法使い「もうっ!! いい加減にしてください!!」ポカッ

勇者「痛っ」

戦士「・・・え

魔法使い「すみません!! 勇者様がとんだご無礼を!!」

戦士「これは一体・・・

魔法使い「それは・・・」

145:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 20:13:31 ID:z.WKEUKQ

_____
___
_

戦士「そうだったのか・・・。これはとんだ早とちりを・・・」

勇者「全くだ」

魔法使い「あなたのせいですよ!!」

戦士「本当にすまない。いや、謝っても許されることじゃないのはわかってる」

勇者「全くだ」

魔法使い「勇者様!!」

戦士「これは死んで詫びるしかない・・・」チャキ

魔法使い「な、何言ってるんですか!! そこまで必要ないですよ!!」

勇者「いいぞー死ね死ねー」

魔法使い「あなたは黙っててください!!」

戦士「ではっ」

魔法使い「ちょっと!! ストップ!! ストーップ!!」

146:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 20:18:33 ID:z.WKEUKQ

魔法使い「はぁ・・・。危ないところでし

戦士「済まない。助かっ

魔法使い「助かったじゃないですよ!!」

戦士「だがこのままでは私の気が済まない。せめて何かお礼がしたい」

勇者「じゃあ金」

魔法使い「黙っててください。そんな。いいですよ。人相と性格が悪い勇者様が悪いんですよ」

勇者「黙れライター」

魔法使い「うるさいです!!」

戦士「しかし・・・」

魔法使い「本当にいいですよ。気にしないでください」

戦士「・・・決めた!!」

魔法使い「え

戦士「私もあなた達について行く!!」

魔法使い「えぇ!?」

147:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 20:22:47 ID:z.WKEUKQ

魔法使い「で、ですが」

戦士「私も何か目的があって旅をしていたわけではない。だったら少しでも力になりたい」

魔法使い「そ、それは・・・」

魔法使い(うぅ・・・これじゃ折角の勇者様との二人旅が・・・)

魔法使い「ど、ど~します~? 勇者様~

勇者「ああ

魔法使い(だ、大丈夫です)

魔法使い(あんだけ頑なに私を断っていた勇者様です)

魔法使い(そう簡単に仲間にはしないはず!!)

魔法使い(大丈夫!! 勇者様なら断るに決まってます!!)

勇者「ああ、うん。いいんじゃないか」

戦士「そうか。ではこれからよろしく頼む」

魔法使い「なんでですかああああああああ!?」

戦士「うおっ!?」

勇者「うるせえよ。新入りがびっくりしてるじゃねえか」

148:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 20:26:29 ID:z.WKEUKQ

魔法使い「どうしてですか!? あんなに私の時は拒んでたのに!?」

勇者「説明いるか

魔法使い「当たり前です!!」

勇者「まず経験が違う。ずっと一人旅してたんなら冒険の知恵もあるだろうしかなり役に立つ。それに比べてお前。ゼロ」

魔法使い「うっ」グサッ

勇者「そして能力だ。さっき戦った感じ腕もかなりのもんだ。戦闘でも期待できるだろう。それに比べてお前。ゴミ」

魔法使い「うぐっ」グサグサッ

勇者「最後に装備。装備が良いということは金も持っているだろうからな。それに比べてお前。穀潰し」

魔法使い「がはっ!!」グサグサグサッ

勇者「以上の理由より採用。文句あるか

魔法使い「う、ううぅ」

戦士「何か苦しんでるがいいのか・・・

勇者「ああ、いつも発作だ。気にするな」

戦士「そ、そうか・・・」

149:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 20:27:20 ID:tmjDZ7wQ

あっさりOKしやがったwwww
俺も断ると思ったよ!

151:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 20:34:01 ID:0/IbHZYE

戦士「では改めてよろしく頼むぞ。勇者。魔法使いちゃん」

勇者「ああ。まあ適当に頼むわ」

魔法使い「うぅ・・・。よろしくお願いしま

戦士「ま、まあそう落ち込むな。元気を出

魔法使い「・・・はい。ありがとうございま

戦士「うむ。君は笑ってる方が可愛いんだから笑っている方がいい」

魔法使い「ああ、なんて優しい・・・。それに比べてこの人は・・・」ジトー

勇者「なんだよ、クソガキ。そんな目で見んな。じとっとして気持ちわりい。今にもカビそうだ」

魔法使い「もおおおおおおお!!」

戦士「ま、まあまあ。勇者も女の子にそんな酷いことを言うんでない」

勇者「るっせえな。いいからさっさと行くぞ」

魔法使い「・・・はい」

戦士「うむ。では行こうか!! 世界の平和のため魔王を倒しに行こう!!」

魔法使い「・・・なんか勇者様より勇者らしいですね」

勇者「ああ。今すぐ紋章あげたいくらいにな」

152:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 20:38:11 ID:0/IbHZYE

戦士「たああああああああ!!」>

ズバッ!!

戦士「やああああああああ!!」

ズバッ!!

戦士「はああああああああ!!」

ズバッ!!

戦士「・・・ふう。これで全てか」スチャッ

魔法使い「つ、強い」

勇者「これはお見事」パチパチ

戦士「よせ、照れるではないか」

勇者「これで戦闘が楽になるぜ。じゃんじゃん倒しちゃってくれ。頼むわ」

戦士「うむ。心得

勇者「俺はその間にでも煙草でも吸ってるよ。おい、火」

魔法使い「・・・確かにこれは私たちが戦うまでもないですね。小火術」ボッ

勇者「いや、お前は最初からずっと戦ってねえだろ」プハー

153:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 20:42:21 ID:0/IbHZYE

______
___
_

勇者「暗くなってきやがったな。仕方ねえ。今日はこの辺で休むか」

戦士「そうだな。いい判断だと思われる」

魔法使い「・・・はぁ・・・はぁ」

戦士「・・・疲れきってる子もいるしな」

勇者「本当にあいつはなんなんだよ」

戦士「ふふ、可愛いじゃないか。一生懸命で」

勇者「可愛くたって仕方ねえんだよ。冒険は戦争だ。遊びじゃねえんだよ」

戦士「なに、その分我々が強くいいではないか」

勇者「やなこった。俺は自分の身を守るので精一杯なんだよ」

戦士「やれやれ、よく言うよ。あんだけあの子を庇ってたじゃないか」

勇者「・・・けっ」

魔法使い(・・・疲れた。本当ならまだ進めるはずなのに・・・。・・・もしかして私の為に)

魔法使い(・・・・・・本当に私は足でまといにしかなってないですね・・・私)

154:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 20:46:18 ID:0/IbHZYE

戦士「さっ、では腹も空いたことだ。飯にしようか。私が作ろう」

勇者「何? お前飯も作れるのか

戦士「うむ。長年冒険をしてるからな。嫌でも身に付いたよ」

魔法使い「あ、で、ですが流石に悪いですよ。お疲れでしょうし。私がやりますよ」

勇者「いや、お前料理できねえだろ」

魔法使い「・・・そうでし

戦士「ははは、気にしなくていい。君らはゆっくり休むがいい」

勇者「ああ。そうさせて貰うよ」

魔法使い「で、ですが何かお手伝いくらいは・・・」

戦士「いい、いい。魔法使いちゃんも疲れているだろう? ゆっくりしてるといい」

魔法使い「・・・・・・そうですか」

戦士「・・・・・・いや、そうだな。では悪いが火を起こすのを手伝ってくれないか

魔法使い「あ、はい!!」

戦士(フフッ。可愛いな本当に)

156:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 20:52:14 ID:zdwTourg

戦士「勇者。飯が出来たぞ」>

勇者「ん? おお、そうか。なら食うか」

戦士「済まないな。わざわざテントを立てて貰って」

勇者「俺が寝るためだ。そりゃ必要だろ。流石にこんなきたねえ草の上じゃ寝たくねえよ」

戦士「とか言ってしっかり二つ立ててるじゃないか」

勇者「いいから飯食うぞ。腹が減りすぎてお腹と背中がくっついちまいそうだ」

戦士「ふふ、そうか。ではくっつく前に飯にしよう」

勇者「ああ、そうしてくれ」

157:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 20:56:29 ID:zdwTourg

勇者「おお随分美味そうだな、おい」

戦士「ああ、人に食べてもらうと思うとつい張り切ってしまったよ」

勇者「本当に仲間にしてよかったよ。あんたは」

戦士「それは嬉しいな」

勇者「それに比べて・・・」チラッ

魔法使い「こ、この火私がつけたんですよ!!」

勇者「はぁ・・・。うわーすげー、豪華な業火だな」

魔法使い「やめてください!! 無理して褒めないでください!!」

戦士「まあまあ。さあ、食べようではないか。温かいうちに食べてくれ」

勇者「ああ、そうだな。じゃ、いただきまーすっと」

魔法使い「あ、はい。いただきま

戦士「ああ、どんどん食べてくれ」

158:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 21:01:18 ID:zdwTourg

魔法使い「・・・あ、美味しい」

戦士「そうか、それは良かっ

勇者「確かにこれは旨えな。冒険なんかやめて料理屋でもやった方がいいんじゃねえか

戦士「ふふっ、考えておこう。世界を平和にしたあとにな」

魔法使い「・・・本当に勇者みたいですね」

勇者「俺が勇者だ」

魔法使い「今すぐ譲ってください!!」

勇者「出来ることならしたいんだがな。だが残念ながらそれはできない。何故ならこの紋章ワッペンだから服にくっついてんだ」

魔法使い「そうだったんですか!?」

戦士「魔法使いちゃん、嘘だから。絶対に」

159:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 21:04:24 ID:zdwTourg

勇者「はぁ。美味かった。ごちそうさん。さて煙草でも・・・って、ちっ。ラスト一本かよ」

魔法使い「吸いすぎなんですよ」

勇者「うるせえな。俺の勝手だろ」

魔法使い「はぁ、まあいいですけどね。では」

勇者「ああ、いい。焚き火からつけるから」ジュッ

魔法使い「あ・・・、そ、そうですか」

戦士「・・・・・・」

勇者「ぷはー。うめえ。くそっ、しかし無くなっちまったか。さっきの街で買ってくれば良かったよ」

戦士「こんなこと言ったら失礼かもしれないが勇者が煙草を差し置いてまで他の物を買うとは意外だな」

勇者「あぁ。欲しかったものが意外と高くてな。くそっ、煙草が値上がりしてなけりゃ一箱買えたのによ」

魔法使い「そういえば何買ったんですか? 私も知らないんですが」

勇者「誰が教えるか」

魔法使い「いいじゃないですか、それくらい」

勇者「なんでわざわざ敵に武器の情報あたえなきゃならないんだよ」

魔法使い「なっ!?私のどこが敵なんですか!! 完全に味方じゃないですか!!」

160:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 21:09:22 ID:2k1d6uB.

勇者「煙草つける為に業火術つかうやつのどこが味方なんだよ」

魔法使い「も、もういいじゃないですかそこは!! 過去の話しじゃないですか!!」

勇者「いや、俺はこれを墓場まで持っていくね」

魔法使い「うぅー!! もういいです!!」

戦士「まあまあ。さっ、片付けも終わったし今日はゆっくり寝ようじゃないか」

勇者「そうだな。じゃっ、俺は寝るからお前らもさっさと寝ろよ」

戦士「うむ。心得

魔法使い「え? わ、私戦士さんと一緒に寝るんですか!

勇者「なんだよ。文句あんのかよ。戦士のことそんなに嫌いかよ」

魔法使い「い、いえ、そういうわけじゃないんですが・・・」

勇者「とりあえず俺は一人で寝たいんだよ。わかったらさっさと寝な。じゃあな」

戦士「・・・さあ、私達も寝よう。魔法使いちゃん」

魔法使い「・・・はい」

魔法使い(・・・勇者様の馬鹿)

161:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 21:13:24 ID:2k1d6uB.

_____
___
_

魔法使い(・・・・・・寝れない)

魔法使い(さっきあんなところを助けようとしてくださった方ですからそういうことはないと思いますが・・・)

魔法使い(・・・勇者様の馬鹿。少しは私の心配してくださってもいいじゃないですかっ)

魔法使い(・・・やはり私はライター以外の何でもないんですかね)

魔法使い(それでもいいってついて行きましたが・・・)

魔法使い(・・・ちょっと辛いですね)

魔法使い(・・・迷惑なんですかね、やっぱり)

魔法使い(・・・そうですよね。足でまといになってばかりですもんね)

魔法使い(・・・だったら居ない方がいいんですかね)クスン

戦士「・・・魔法使いちゃん。もう寝たか

魔法使い「・・・ふぇ

162:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 21:18:21 ID:7WN89mXE

戦士「起こしてしまったなら申し訳ない」

魔法使い「あ、いえ。起きていたので大丈夫です」ゴシゴシ

戦士「そっか。私が横にいると寝づらいか

魔法使い「そ、そういうことじゃないんです!! 大丈夫です!! ・・・ただ」

戦士「悩み事か? 私が力に慣れる事なら力になる。話してみるだけでも話してくれないか

魔法使い「戦士さん・・・。ありがとうございま

戦士「なんのこれしき」

魔法使い「・・・あのですね・・・その・・・やっぱり私ってこのパーティにいらないんですかね」

戦士「・・・・・・」

魔法使い「私弱いですし、体力ないですし、料理できないですし・・・勇者様の言う通りですね」

魔法使い「足で纏いにしかならないですし私のせいで無駄にお金かかりますし・・・」

魔法使い「この装備も実はさっきの街で勇者様が買ってくださったんですよ。そんなボロい服着てたら俺まで弱く見えて恥ずかしいって言いながらですけどね」

魔法使い「きっとそのせいで煙草も買えなかったんだと思います。私の装備なんて買わなければライターなんて何本も買えたんですもんね」

魔法使い「ホント・・・私勇者様の邪魔しかしてないですね・・・これなら居ない方が・・・」

戦士「・・・そんなことないさ」

163:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 21:22:47 ID:7WN89mXE

魔法使い「でもっ!!」

戦士「そんな居ても居なくても変わらない人だったら装備なんか与えないで見殺しにするはずさ」

魔法使い「それは・・・私が無理矢理ついてきたから・・・」

戦士「それでもだよ。だったら最初から連れて行かないさ。勇者は移動魔法が使えるんだろ? 嫌なら寝てる間に無理矢理でも送り返してるさ」

魔法使い「・・・・・・」

戦士「勇者も何か思うところがあって魔法使いちゃんを連れていってるんだろうさ。それが何かは本人しかわからないだろうけどね」

魔法使い「・・・戦士さん」

戦士「だから君は難しいことなんか考えなくていいのさ。勇者も素直じゃないからちゃんと言葉にはしないだろうけどね」

戦士「君は間違いなくここに居ていい。今日入ったばかりの私が言うのもおかしな話だがね」

魔法使い「・・・ありがとうございます」

戦士「少しは役に立てたか?」

魔法使い「はい、本当にありがとうございます」

戦士「それは良かった」クスッ

ガルル

戦士「・・・・・・敵か!?」ガバッ

164:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 21:25:59 ID:7WN89mXE

魔法使い「えっ!?」

戦士「今鳴き声がした」

魔法使い「本当ですか!?」

戦士「仕方ない。行くぞ、魔法使いちゃん!!」>

魔法使い「は、はいっ!!」>

バサッ

戦士「・・・・・・ってあれ?」

シーン

魔法使い「あれ、いませんね?」キョロキョロ

戦士「・・・おかしい、確かに」

魔法使い「きっと聞き間違えですよ」

戦士「・・・そうか。まあいい。だったら寝るか」

魔法使い「はい、そうですね」

戦士「・・・・・・」

165:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 21:28:54 ID:7WN89mXE

_____
___
_

魔法使い「勇者様ー!! 朝ですよー!!」>

バサッ

勇者「ふわぁ・・・。もうそんな時間かぁ?」

魔法使い「そうですよ。もう朝ご飯も出来てますよ」

戦士「おはよう、勇者」

勇者「はいはい、おはようさん。ふわぁ」

戦士「随分と眠そうだな、君は」

魔法使い「本当ですよ。一番最初に寝てたのに」

勇者「うるせえよ。朝弱いんだよ、俺は」フワァ

魔法使い「もう・・・。とりあえず朝ご飯食べましょう」

勇者「はいはい。食いしん坊だこと」>

166:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 21:32:22 ID:7WN89mXE

戦士「・・・勇者」

勇者「あん?」

戦士「昨夜のやつ、君だろ?」

勇者「は? 何の話をしてんだ?」

戦士「だったらなんでそんなに眠そうなんだ?」

勇者「言ってんだろ。俺は朝弱いんだよ」

戦士「とぼけなくてもいい」

勇者「わけわかめ。お、今日の朝飯はワカメのスープかこりゃ嬉しい」

戦士「・・・全く」

勇者「お前も意味わからん話ししてないでさっさと食おうぜ。俺は早く街に行って宿屋で寝たいんだよ」

戦士「・・・ああわかったよ。すまんな、訳のわからない話をして」>

勇者「全くだ」

167:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 21:38:40 ID:7WN89mXE

_____
___
_

勇者「やっと着いたか」

魔法使い「大体の魔物を戦士さん一人で倒してましたけどね・・・」

勇者「俺は楽できていいぜ」

戦士「君もしっかり敵を倒してたじゃないか」

勇者「危うく武器の持ち方を忘れるところだったからな」

戦士「生憎私はナイフの使い方は心得てないからな。忘れても教えられなくて申し訳ないな」

勇者「忘れた時はロングソードの使い方を習うよ」

魔法使い「わ、私も火術の使い方は教えれますよ」

勇者「そりゃいい。自分の煙草を自分でつけれるぜ」

魔法使い「そういえば私人に教えるのは苦手なんでした」

勇者「流石馬鹿だな」

魔法使い「う、うるさいです!!」>

戦士「クスッ」

168:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 21:42:27 ID:7WN89mXE

勇者「さて。煙草煙草ー!!」ダッ

魔法使い「全くもう・・・」

戦士「いいのか? 買わせて

魔法使い「そりゃ体に悪いのであんまり良くないですが・・・でも煙草ないと私の居る意味がないので」ハァ

戦士「ハハハッ、それは仕方ないな」

魔法使い「えぇ。とりあえず私が居ていい理由が見つかるまではライターに徹しますよ」

戦士「でも一人で買い物に行かせたらライター買ってきちゃうんじゃないか

魔法使い「・・・・・・」

戦士「・・・・・・」

魔法使い「ま、待ってください勇者さまあああああ!!」ダッ

戦士「やれやれ」クスッ

169:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 21:47:09 ID:7WN89mXE

勇者「買えた買えた」ホクホク

魔法使い「今まで見たこともないような笑顔ですね」

勇者「朝からずっと我慢してたんだぞ!? この気持ちがわかんねえのか!?」

魔法使い「いや、私は吸いませんので。それにたかだか3時間くらいじゃないです」

勇者「たかだか3時間!? ふざけてんのか貴様は!! ここが戦場だったらお前は既に蜂の巣だ!!」>

魔法使い「え、え?」

戦士「荒ぶってるな。よっぽど煙草が欲しかったんだな」

勇者「魔法使い早く! 火術! 早く」

魔法使い「な、名前で・・・!! はい、行きますよ勇者様!! 小火術!!」>

勇者「すぅ・・・。かぁ~うめえ!! サンキュー魔法使い!!」>

魔法使い「は、はいっ!!」キラキラ

戦士「・・・まあ、魔法使いちゃんが幸せそうだからいいか」

「あ、あの・・・」

勇者「・・・あん?」

戦士「あ、元に戻った」

170:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 21:52:23 ID:6Dl5KqxA

村人「すいません、私村人というものなんですが・・・あなた勇者様ですよね」

勇者「そうそう。俺勇者」プハー

村人「え、あなたがですか!? すみません、てっきりこちらの方かと・・・」

戦士「ん? 私か?」

勇者「なんだとー。どっからどう見ても俺が勇者だろ。ほら、勇者ワッペンつけてるし」

魔法使い「煙草片手に言っても説得力ないですね」

戦士「そしてワッペンじゃないだろ」

村人「も、申し訳ございません。それであの・・・申し訳ないのですがお願いを聞いていただいてもよろしいですか・・・?」

勇者「やだっ。勇者間違える人の頼みなんてやっ」

魔法使い「何ダダこねてるんですか!! 子供ですか!!」>

勇者「お前には言われたくねえよクソガキ」

魔法使い「なんですとおおおお!!」>

戦士「・・・それで頼みというのは」

村人「え、あの、放っておいてもいいのですか?」

戦士「・・・えぇ。いつものことなので」

171:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 21:59:17 ID:Mf.QzlWc

村人「で、では。その頼みというのは私の娘を助けていただきたいので

戦士「なるほど・・・。ご心中お察しします・・・」

村人「ありがとうございます・・・」

戦士「ところでその娘さんというのはどちらへ?」

村人「はい・・・。実はこの村は500年ほど前、オロチに村を荒らされたのです」

戦士「・・・オロチというのはあの八岐大蛇のことか?」

村人「・・・はい。ところがそこへ勇者様が通りかかってくださったのです」

戦士「ほう・・・」

村人「そこで勇者様はお一人で討伐しに向かってくださったのです。ですが・・・」

戦士「何かあったのですか?」

村人「両者とも力はほぼ互角。両者ともあと一撃を貰えば死ぬという状況の時オロチが勇者様へ交渉を持ち出したのです」

戦士「それは一体・・・?」

村人「10年に一度村の娘を一人生贄に捧げろ、そうすれば村を荒らすことはしないというものでした」

戦士「・・・勇者はそれを飲んだのですか?」

村人「・・・はい」

172:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 22:06:43 ID:0/IbHZYE

戦士「そんなっ!!」>

村人「・・・勇者様と言えども人の子。無理に勝負して死ぬよりはそちらの方がいいとお考えになったのだと思います」

戦士「それでも!!」>

村人「いえ、勇者様には魔王を倒すという使命があったのだから仕方ないのです」

戦士「オロチも倒せない奴が魔王を倒せるか!!」>

村人「・・・確かにその勇者様は魔王にやられたと聞きます」

戦士「それはそうだ!!」>

村人「ですが村人たちは感謝しました。全員死ぬところが一人で済むのですから・・・」

戦士「・・・・・・」

村人「私もそれは仕方ないと思っていました・・・。ですが・・・ですが!!」>

戦士「・・・今年はあなたの娘さんが選ばれたということですね」

村人「・・・はい。自分勝手なのは承知です。今まで散々見殺しにしといてと思われると思います」

戦士「そんなこと・・・」

村人「いえ、良いんです。私も他の方が言ったら今更何言ってるんだと思うに決まっています」

戦士「・・・・・・」

173:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 22:14:02 ID:zdwTourg

村人「そこを知ってなお、無理を承知でお願いします。お願いです!! 私の娘を助けてください!!」>

戦士「・・・・・・」

村人「妻も死に、私にはもうあの娘しかいないんです!! どうか・・・どうか・・・報酬ならいくらでも払います」

戦士「・・・・・・わかり」

勇者「ダメに決まってんだろ」

戦士「なっ!!」>

村人「勇者様・・・」

174:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 22:21:03 ID:B52cS5bk

戦士「何故だ勇者!! この方の話を聞いてなかったのか!!」>

勇者「ちゃーんと最初から最後まで聞いてたよ。ソラでセリフ全部言えるくらいにはな」

戦士「だったら何故!?」

勇者「あのな、まずこれはこの村の問題だ。この村がどうなろうと俺の知ったこっちゃない」

戦士「勇者!!」>

勇者「それに今までそうして来たんだろ? それでこの村の平和は守られてきたんだ。だったらいいじゃねえか」

戦士「それでもこの人の娘さんは!!」>

魔法使い「そうですよ、勇者様!!」>

勇者「知るかよ。それこそこいつの話し通りだ。虫が良すぎるだろ。今まで散々村ぐるみで人殺しといて自分の娘だけ助けろ? 笑わせんな」

戦士「それを知ってなお頼んでいるこの人の気持ちがわからないのか!!」>

勇者「さっぱりだね」

戦士「貴様・・・!!」>

勇者「それにお前が行ったらお前が死ぬかもしれねえんだぞ。それでもいいのかよ」

戦士「当たり前だ!! 困ってる人を見捨てるくらいなら死んだほうがマシだ!!」>

勇者「ああ、そうかい」

176:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 22:27:43 ID:YNbPSlCk

勇者「だが悪いな。俺は魔王を倒さなくちゃいけねえんだ。時間も限られてるんだよ」

戦士「・・・目的の為なら犠牲は仕方ないとでも言うのか」

勇者「そういうこった。お前らも結局捨て駒だ」

戦士「何い!?」

勇者「最後は俺が魔王を倒せばいいの。そうすれば世界は平和になるの。お前らが死んだってな」

戦士「貴様・・・!!」>

勇者「いいじゃねえか。魔王を倒すために死んだ仲間たち。美談になるぜ?」

戦士「私はまだしも魔法使いちゃんまでも・・・・・・・・・貴様には失望した!!」>

勇者「目先のことしか考えてねえ馬鹿に言われたくねえよ」

魔法使い「勇者様!!」>

戦士「・・・もういい!! 私はこのパーティを抜けさせてもらう!!」>

勇者「どうぞご勝手に」

魔法使い「そんな!! 戦士さん!!」>

戦士「魔法使い!! 君も来るんだ!!」>

魔法使い「・・・え?」

177:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 22:33:20 ID:YNbPSlCk

勇者「おう、連れてけ連れてけ。メシ代も減るし願ったり叶ったりだ」

魔法使い「・・・・・・勇者様」

戦士「口は悪いと思っていたが心まで腐ってるとは思わなかったよ。貴様には失望したよ」

勇者「やっと気づいたのかよ。お前もガキと一緒で馬鹿だったんだな」

魔法使い「・・・・・・」

戦士「ふん・・・。影でしっかりやってる奴だと思っていたが私の勘違いだったようだな」

勇者「だからずっと言ってただろ。人の話を聞かないやつだな。耳ちゃんとついてるのか

戦士「黙れ!! これ以上貴様と話しているのは時間の無駄だ!!」

勇者「はいはい。黙ってますよ」

戦士「・・・村人さん。その八岐大蛇はどこにいるのですか」

村人「は、はい、ここから南の方角の洞窟に住んでいま

戦士「そうか。把握した。では必ず娘さんを助け出してきま

村人「・・・申し訳ありません」

戦士「いえ、戦士として当然のことをするまでです。ほら、行くよ、魔法使いちゃん」

魔法使い「でもっ・・・でもっ・・・!!」

178:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 22:39:19 ID:YNbPSlCk

戦士「いいから。あんな奴に着いてったら見殺しにされるだけだ。さあ早く」

魔法使い「で、でも勇者様にもきっと考えがあって・・・」

戦士「ないよ、あんな奴に!! 昨日言ったことは根本的に間違えていたんだ」

魔法使い「で、ですが!!」>

戦士「魔法使いちゃん!!」>

勇者「ああ、そうそう。おい、ガキ」

魔法使い「は、はい!!」>

勇者「行くんだったらその装備全部置いてけよ。売って金にするから」

魔法使い「・・・・・・・・・・・・え?」

戦士「貴様は・・・どこまで・・・!!」>

179:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 22:44:35 ID:yeELu1Hg

勇者「いやいや、人の物を取ったら泥棒だぜ?」

戦士「だったら貴様のその煙草も私が倒した魔物から稼いだ金だ!!」>

勇者「おお、そうだったな。これは失敬。んじゃ俺が倒した魔物がこんくらいだから・・・よし、煙草は平気だな」

戦士「貴様・・・!!」>

勇者「じゃあほらよっ。これはお前らのもんだ」ポイッ

戦士「チッ!!」>

勇者「薬草や魔法瓶が入ってるから使いたきゃ使えばいいし。売るなら売ればいいさ」

戦士「どこまで貴様は・・・」

勇者「クズなんだってか? そりゃそうだ。俺はあの死神の男だからな」

戦士「なっ・・・!! 貴様があの・・・!!」>

勇者「納得の理由だろ?」

戦士「・・・許さん!! ここで成敗してくれる!!」チャキ

勇者「おいおい。そんなことしてる場合かよ? 今にもこいつのガキは食われるかもしんねえんだぞ?」

戦士「・・・チッ」

勇者「おら、さっさと行った行った」シッシ

180:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 22:48:21 ID:yeELu1Hg

戦士「貴様・・・覚えておけよ!! 絶対にまた見つけ出して私が殺してやる!!」>

勇者「はいはい、覚えてればな」ヒラヒラ

戦士「どこまでも・・・!! ほらっ、魔法使いちゃん行くよ!!」>

魔法使い「・・・・・・・・・・・・」

戦士「・・・くっ。仕方ない、引っ張って連れて行く」

勇者「お達者でー」>

戦士「ふんっ!! 地獄へ落ちろ!!」ダッ

魔法使い「・・・・・・・・・・・・」

勇者「おお、怖い怖い」

181:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 22:54:22 ID:nawX36nw

勇者「さて・・・。おい、村人っつたか

村人「・・・申し訳ありません。私のせいで・・・」

勇者「謝るくらいだったら最初から頼むんじゃねえよ」

村人「・・・・・・そうですね」

勇者「そういうこった。んで? なんでお前は自分でオロチだかオロシだから知らねえが倒しに行かなかったんだ?」

村人「・・・最初は私もそう思ったんです。ですが私じゃ倒すだけの力量はない」

勇者「まあそうだろうな」

村人「そこで倒せなかった時のことを考えたら行けなかったんです・・・」

勇者「・・・ほう」

村人「私がオロチの契約を破棄すればオロチは怒りこの村を破壊すると思ったのです」

勇者「なるほどな。娘も助け出せない。村も終わり。最悪な結末だな」

村人「・・・ええ。ですからそれだけは避けたかったのです」

勇者「だったら失敗しても村は助かる余所者に頼んだというわけか」

村人「・・・・・・はい。騙して申し訳ありません」

勇者「別に騙しちゃいねえだろ。言ってねえだけだ」

182:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 23:00:11 ID:E5h3kQfc

村人「・・・ですが私はどうしても娘を救いたかったのです!! どんな手を使ってでも!!」>

勇者「この村がどうなってもか?」

村人「・・・・・・気づいてらしたんですか」

勇者「なんとなくだがな」

村人「・・・流石勇者様ですね」

勇者「いんや、俺はただの死神だよ」

村人「勇者様・・・どうかお願いです。どうかあの娘を救っていただけませんか!! 報酬はいくらでも払います!!」>

勇者「やれやれ、いくらでもとか簡単に言うんじゃねえよ」

村人「それほど私は真剣なのです!!」>

勇者「別に俺に頼む必要ねえじゃねえか。あいつらは無償で行ってくれたんだぜ?」

村人「・・・・・・ですが」

勇者「あいつらじゃ勝てなさそうってか?」

村人「・・・本当に勇者様には敵いませんね」

183:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 23:04:02 ID:E5h3kQfc

村人「別にあの方たちが弱いとは思っていません・・・。ですが、あの噂の勇者様・・・男様と比べるとどうしても」

勇者「やめろよ、名前に様つけるんじゃねえよ。むず痒い」

村人「それは申し訳ございません・・・」

勇者「うわあ鳥肌立ってきた・・・」

村人「・・・・・・お願いです、男さん!! どうかあの娘を救ってくださりませんか!!」>

勇者「・・・お前はこの依頼に命かけれるか?」

村人「・・・え?」

勇者「お前はこの依頼に自分の命をかけれるか? 自分の命を捨ててまでも娘を助けたいのか?」

村人「・・・・・・はい。私の命でいいならいくらでも」

勇者「・・・そうか」

村人「それに娘が助かれば私の命なんてないしな」ハハハ

勇者「まあ確かにな」

村人「ええ。ですから私の命など惜しくはありません」

184:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 23:12:42 ID:/kaAhCDc

勇者「だったら依頼は成立だ」

村人「本当ですか!! ありがとうございます!! ありがとうございます!!」>

勇者「ああ。だが依頼料は前払いだ」

村人「あ、あぁ。そうですね。わかりました。いくらでも支払います」

勇者「いや、金はいい」

村人「え? で、ですが・・・」

勇者「代わりにこれを持て」ヒュン

村人「お、おっと。・・・これは?」

勇者「何、なんて事ない。ただのナイフだ」

村人「で、ですがこれと依頼料になんの関係が・・・?」

勇者「なに、簡単だ」

勇者「これでお前の腕を貫け」

村人「・・・え?」

185:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 23:16:09 ID:/kaAhCDc

村人「な、何故ですか」

勇者「だから依頼料だっての。お前が腕を貫く。そうすれば俺は助けに行く。貫かなければ契約破棄だ」

村人「で、ですがそれだと勇者様にメリットが・・・」

勇者「お前、俺の噂を知ってるだろ?」

村人「・・・ええ」

勇者「それが答えだ。俺はな、人が苦しむ姿が最ッ高に好きなんだよ。だからお前が苦しむ=俺の幸せだ」

村人「・・・そんな」

勇者「ほら、やるならやる。やらないならやらない。俺は忙しいんだよ」

村人「・・・・・・」

勇者「娘を助けてえんだろ。だったらお前の命なんかどうでもいいんだろ。違うのかよ」

村人「・・・・・・」

勇者「・・・・・・はあ。結局こんなもんか。契約は破棄だ。じゃあな」

村人「・・・・・・待ってください」

勇者「・・・あん?」

186:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 23:21:07 ID:yeELu1Hg

村人「やります!! やらせてください!!」>

勇者「・・・そうかよ。だったらさっさとしな」

村人「・・・・・・はい」ゴクッ

サッ

村人(・・・おかしいな。とっくに覚悟は決めたつもりだったんだけどな)

村人(命なんかよりも大切なはずだったんだけどな)

村人(それがどうだ。たがだか腕を貫くだけでこんなに躊躇して)

村人(傷つくのってこんなに怖いものなんだな・・・)

村人(それを勇者様やさっきの戦士さん、あんな小さな魔法使いちゃんだってこんな思いをしながら旅してるのか・・・)

村人(なのに私はお金だけで解決しようなんて・・・なんて浅はかだったんだ)

村人(全く関係のない私の娘の為に傷ついて貰うと言うのに私だけのうのうと傍観するだけ)

村人(・・・そんなことあっちゃならないよな)

村人(・・・・・・だったらこんな腕ぐらい!!)ギリッ

村人「だあああああああああああああああああああああああ!!」>

ザクッ

187:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 23:26:08 ID:yeELu1Hg

村人「があああああああああああああああああああああああああ!!」>

勇者「クフッ・・・クフフ。ギャハハハハ!! いいねえ!! 最ッ高だねその苦痛に歪んだ顔!! それだよそれ!!」>

ボタボタボタ

勇者「・・・ふう。よし、契約成立だ。これを使いな」サッ

キュイン

村人「があああああああああ・・・・・・あれ? 痛みが引いてく・・・」

勇者「これが薬草の効果だ。知らなかったろ?」

村人「・・・・・・ははは。知らなかったよ。薬草がこんな効果だったなんて」>

勇者「貴重な体験だったろ?」

村人「そうですね・・・。知った気になってたことでも意外と知らないことが多いんですね」

勇者「よかったな。無知の知を体験できて」>

村人「はい。ありがとうございます」

勇者「おいおい、傷つけさせた張本人に何言ってんだよ。お前あれか? マゾにでも目覚めちまったか?」

村人「違いますよ。とりあえずありがとうございます」

勇者「変なやつ」

188:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 23:30:07 ID:yeELu1Hg

村人「ははは、勇者様ほどじゃないですよ」

勇者「うるせえよ。喧嘩売ってんのかよ」

村人「いえいえ、滅相もない。とりあえず、これで依頼を受けてくださるんですよね」

勇者「ああ、仕方ねえな。言っちまったもんは仕方ねえ」

村人「ありがとうございます!!」>

勇者「やれやれ、こんなことしないで金にしとけば良かったぜ」

村人「いえ、ちゃんとお金も払いますよ」

勇者「いんや、いらねえ。男に二言はねえんだよ」

村人「クスッ。そうですか」

勇者「ああ。んじゃとりあえず行ってくるよ」

村人「はい。お願いします」

勇者「・・・っと、忘れてた。その前にちょっと頼みがある」

村人「ええ。なんなりと」>

勇者「ああ、じゃあな―――」

189:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 23:38:04 ID:yeELu1Hg

村人「え、そんなことでいいんですか

勇者「ああ。大事な頼みだ。ぜってえしくるなよ」

村人「あ、はい。分かりました」

勇者「だったらとっとと行け。時間がねえ」

村人「はっ、はい!!」>

ダッ

勇者「さて、じゃあ俺も準備するか」

勇者「・・・・・・でもこれじゃ金が足りねえな」

勇者「・・・仕方ねえ。防具と・・・はぁ、ナイフも売るか」サッ

勇者「おい、おま・・・っと、そうだ、いねえんだった」

勇者「・・・・・・はぁ、ライターも買ってくか」

勇者「こりゃ煙草も結構売らなくちゃいけねえな・・・」

190:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 23:42:01 ID:yeELu1Hg

_____
___
_

戦士「だああああああああああ!!」>

ズバッ

戦士「大丈夫? 魔法使いちゃん?」

魔法使い「・・・・・・はい」

戦士(・・・・・・やっぱり元気ないな)

戦士(クソッ! あんなやつの何がいいんだよ!!)

戦士「ねえ・・・魔法使いちゃ」

魔法使い「ああああああわかりません!!」>

戦士「えっ!?」ビクッ

魔法使い「あ、すみません!! 大きな声出しちゃって!!」>

戦士「い、いやそれはいいが。一体どうしたんだ?」

魔法使い「ええ・・・。勇者様が何を考えているのか考えていたんですよ」

戦士「・・・何?」

191:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 23:46:31 ID:yeELu1Hg

魔法使い「でもさっぱり分かんなくて・・・。はあ、やっぱり馬鹿じゃわかんないんですかね」

戦士「・・・あいつがそんな高尚なことを考えているはずがない。考えているのは自分のことばかりだよ」

魔法使い「いえいえ、それはないですよ」

戦士「・・・何故君はそんなに彼を信じれるんだ」

魔法使い「最初は私もそりゃショック受けましたよ。だってその装備は俺の金だから返せー! って。普通言いませんよね!!」>

戦士「そうだ!! そんな男なんだぞ、彼は!! それにあの噂の死神なんだぞ!?」

魔法使い「その噂は噂ですよ」

戦士「何故そう言い切れる!!」>

魔法使い「まだ戦士さんが入る前ですけどちょっと色々ありましてね。そこで思ったんですよ。そんな人じゃないって」>

戦士「それはその時だけ優しい顔してたんじゃないのか!!」>

魔法使い「その時も悪く見せようと必死でしたよ。勇者様。今思えばちょっと可笑しいですね」クスッ

戦士「だが・・・」

魔法使い「まあですから今回もきっと私じゃ考えつかないようなことを考えてるはずなんです」

戦士「・・・何故君はそこまで彼を」

魔法使い「それは・・・・・・ま、まあいいじゃないですか!!」>

192:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/04(日) 23:51:47 ID:YfnXhsBQ

戦士「・・・私にはわからない。何故君がそこまで彼を信じれるか」

魔法使い「直にわかりますよ。素直じゃないんですよ。彼は」

戦士「だが、彼は着いて来なかった。君がいうことが本当ならついてくるのが普通じゃないか?」

魔法使い「そ、それは・・・きっと何かあるんですよ!! 絶対!!」>

戦士「本当か?」

魔法使い「・・・・・・なんか私も不安になってきました」

戦士「まあ、彼が来ようが来まいが関係ない。君は私が守る。この命に変えても」

魔法使い「・・・戦士さんって男らしいですね」

戦士「あぁ。よく言われるよ」

193:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 00:00:27 ID:0SO6nDA.

_____
___
_

戦士「ここが魔物の住み家のようだな」

魔法使い「そ、そうですね」チラッ

戦士「そんなに振り返っても彼は来ないよ」

魔法使い「・・・うぐっ」

戦士「結局彼はそんなやつだったんだよ」

魔法使い「そ、そんなはずは・・・」

戦士「これが現実だよ」

魔法使い「・・・・・・」

戦士「・・・彼のことは忘れるんだな。その分私が君を守るから」

魔法使い「戦士さん・・・」

戦士「さっ、準備はいいかい。行くよ」

魔法使い「・・・・・・はい」

ギィ

194:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 00:03:19 ID:0SO6nDA.

八岐大蛇「・・・うん? 何やつじゃ? 妾の食事の邪魔をするのは

娘「・・・うぅ」ガタガタ

戦士「我が名は戦士!! 貴様!! その娘を解放するんだ!!」>

魔法使い「そ、そうです!! 食べるのをやめてください!!」>

八岐大蛇「随分と勇ましいな。だが、それは無理な注文じゃ」

戦士「だったら・・・力づくでも奪い返す!!」チャキ

八岐大蛇「ほう・・・。だったら仕方ない・・・。応戦するまでよ」

戦士「・・・魔法使いちゃん。後から援護を頼むよ」

魔法使い「は、はいっ!!」>

戦士「娘ちゃんは離れてて!!」>

娘「は、はい!!」タタタッ

戦士「さて・・・行くぞ!! 魔物!!」ダッ

八岐大蛇「やれやれ。自ら死に急ぐとは愚かじゃの。まあよい。妾の好みじゃしな。さっさと倒して食すだけじゃ」

戦士「できるもんならやってみろ!!」>

195:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 00:07:36 ID:0SO6nDA.

戦士「喰らえ!! 魔人斬り!!」ブンッ!!

八岐大蛇「がはっ!! なかなかの威力ではないか」

戦士「もういっちょ!! 隼斬り!!」ヒュンヒュン!!

八岐大蛇「ぐっ!!」>

戦士「さらに辻斬り!!」スン!!

八岐大蛇「がはっ!!」>

魔法使い「つ、強い・・・!!」>

戦士「伊達に一人旅してないからね!!」>

八岐大蛇「ふんっ。やらっれぱなしは癪だのぉ。こちらからも行かせて貰うぞ」>

ブンッ

戦士「ガハッ!!」ドスッ

魔法使い「戦士さん!!」>

196:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 00:13:29 ID:0SO6nDA.

戦士「くそっ!! しくじった・・・。済まない、魔法使いちゃん。薬草を使ってもらえるか」ドクドク

魔法使い「は、はい!!」キュイーン

戦士「ふぅ・・・。助かったよ。薬草はあと何枚ある?」

魔法使い「えっと・・・あと9枚ですね」

戦士「そうか・・・。クソッ!! 買い物をあいつに任せたのが馬鹿だった!!」>

魔法使い「・・・・・・」

戦士「魔物の防御力も高そうだしな・・・。全部使っても足りるか・・・」

戦士「・・・いや、私はどうなってもいい。魔法使いちゃんだけは守りきる!!」>

魔法使い「戦士さん・・・」

戦士「引き続き後ろからの回復は頼むぞ!!」>

魔法使い「はいっ!!」>

八岐大蛇「相談は終わったかのぉ? ではいくぞ」>

戦士「こい!!」ダッ

_____
___
_

199:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 00:18:18 ID:zmVrBfPc

戦士「はあ・・・はあ・・・はあ・・・」

八岐大蛇「なんじゃ? もう終わりか?」

戦士(くそっ・・・硬すぎる・・・)

戦士「魔法使いちゃん!! 薬草を!!」>

魔法使い「せ、戦士さん!! もうないです!! 魔法瓶もあと一つしかないです!!」>

戦士「な、何!!」>

八岐大蛇「はっはっは!! 残念じゃったのぉ。もう少し楽しめるかと思ったのじゃがなぁ」

戦士「クソッ!!」>

八岐大蛇「・・・これで終いじゃ」ブンッ

戦士「ガハッ!!」ドスッ

魔法使い「戦士さん!!」>

戦士「・・・・・・」

八岐大蛇「残念じゃったの。まぁ少しは楽しめたからよしとするかのぉ」

八岐大蛇「さて・・・では今度はそちらの娘の番じゃ」

魔法使い「ひ、ひぃ!!」>

200:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 00:23:56 ID:0SO6nDA.

ブンッ

八岐大蛇「む? なんじゃ、まだ起きるのか」

魔法使い「戦士さん!!」>

戦士「・・・はぁ・・・はぁ・・・その娘には手を出すな!!」ボタボタ

八岐大蛇「ほぅ。なかなか仲間思いなやつじゃのぉ」

魔法使い「戦士さん!! 血が!!」>

戦士「・・・・・・ははは、大丈夫さ。君は死んでも守るからね」ボタボタ

魔法使い「・・・戦士さん」

戦士「・・・さぁ!! 八岐大蛇よ!! 食うなら私を食うがいい!! だがこの娘と魔法使いちゃんは許してやってくれ!!」ボタボタ

八岐大蛇「・・・・・・ほぅ?」

戦士「頼む!! 私の最後の願いだ!!」ボタボタ

八岐大蛇「まぁよかろう。そちは美味そうじゃしのぉ」

戦士「・・・ありがとう」

魔法使い「そ、そんな!! 駄目です!!」>

戦士「・・・いいんだ。どうせ私は長くない。だったら私が死ねば済む話しだ」

201:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 00:27:51 ID:0SO6nDA.

魔法使い「でもっ・・・でも!!」>

戦士「・・・いいんだよ。約束しただろ。命をかけてでも守るってね」

魔法使い「そんな!! そんな!!」>

八岐大蛇「ではお別れじゃ。ではな、戦士よ」

戦士「・・・あぁ」

ガブッ

ゴクンッ

八岐大蛇「・・・ふむ。美味であった」

魔法使い「戦士さああああああああああん!!」>

202:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 00:34:25 ID:75n454ZM

_____
___
_

戦士(・・・・・・暗いな)

戦士(そうか・・・そういえば食べられたんだったな)

戦士(なんか体もベタベタするし・・・・・・)

戦士(胃液か血かもわからんな・・・)

戦士(・・・・・・でも最後まで正義を貫けたよな?)

戦士(魔法使いちゃんも娘ちゃんも元気でやっていける事を願うよ・・・)

戦士(それにしても・・・)

戦士「・・・・・・やっと死ねる」

勇者「誰が死なすかよ」ヒュン

204:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 00:40:29 ID:tHyw4rw.

戦士「ゆ、勇者・・・?」

魔法使い「勇者様!!」>

勇者「おぉ。ヌメヌメしてる。きたねっ」

魔法使い「勇者様!!」>

戦士「貴様・・・何故・・・うぐっ」ドクドク

勇者「いいからお前はこれでも食ってろ」

戦士「むぐっ!?」

魔法使い「ちょ!! 勇者様!! 薬草は食べるものじゃありません!!」>

勇者「あ、そうなの? 使い方しらんかった」

魔法使い「何やってるんですか!!」>

八岐大蛇「貴様・・・。高尚の妾の食事を邪魔するとはなにごとじゃ」

勇者「あん? 現代語でしゃべろよ? 何言ってるかわかんねえよ」

八岐大蛇「貴様・・・どうやら死にたいようじゃな」

魔法使い「なんでいきなり喧嘩腰なんですか!!」>

戦士「・・・・・・勇者」

205:>>203 SSなので許してください汗:2013/08/05(月) 00:44:34 ID:tHyw4rw.

魔法使い「戦士さん!! 良かったです!!」>

勇者「あん? なんだ、元気になってなによりだな」

戦士「勇者・・・何故私を殺させてくれなかった・・・」

魔法使い「え? え?」

勇者「おいおい、まだしゃべんなよ。ギリギリ動ける程度だろ?」

戦士「黙れ・・・。何故だ・・・。今なら華々しく死ねたのに」

魔法使い「戦士さん何言ってるんですか!!」>

勇者「なんだよ。生き残って感謝されてこそ怒られる義理はねえぞ?」

戦士「黙れ・・・。・・・貴様に私の何がわかる!!」ギリギリ

魔法使い「戦士さん!!」>

勇者「あん? わかるか馬鹿」

戦士「だったら・・・」

勇者「はぁ・・・。だったら教えてやるよ」

勇者「俺は死神なの。お前の死ぬ時は俺が決めるの。わかる?」

206:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 00:48:29 ID:tHyw4rw.

戦士「そんな理由で・・・」

勇者「そう。そんな理由。俺は生きたがってるやつを殺すのは好きだけど死にたがってるやつを殺す趣味はないの」

勇者「死にたがってるやつが無理矢理生きさせられる。死にたい死にたい思いながら生きてるやつが死に場所を探して生きる」

勇者「そして生きたいと思った時に殺す。あぁ、考えただけでもゾクゾクするねえ!!」>

戦士「この変態が・・・」

勇者「褒め言葉として受け取っておくよ」

戦士「このっ・・・」

勇者「お前、ここ数日楽しくなかったか?」

戦士「・・・え?」

勇者「一緒に飯食って美味い美味い言って、一緒に寝て、一緒に冒険してどうだった?」

戦士「・・・それは」

勇者「楽しかったろ?」

戦士「・・・・・・」

勇者「お前が何してどんな理由で死に場所を探してんのか知らん。どんな心の闇抱えてんのかは知らん。だが」

勇者「お前は生きてていいんだよ」

207:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 00:53:30 ID:W5B3HcDk

戦士「・・・・・・」

勇者「まっ、そういうことだ。生きたくなったらいつでも言えよ。殺してやるから」

魔法使い「勇者様!!」>

戦士「・・・私は生きてていいのか?」

勇者「さっき言ったろう」

戦士「・・・私はいらない子じゃないのか?」

勇者「バーカ。お前が居なくなったら誰が飯作んだよ」

戦士「・・・私は化物じゃないのか?」

勇者「ちげーよ、アホ」

戦士「そうか・・・そうだったのか・・・」

戦士「・・・・・・私は生きてていいのか」

勇者「よしっ、殺す!!」>

魔法使い「台無しです!! 勇者様!!」>

208:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 00:58:59 ID:tHyw4rw.

八岐大蛇「茶番は終わったのか

勇者「何? わざわざ待っててくれたの? ショ○カーですか?」

八岐大蛇「妾に舐めた口を聞くとはよっぽど死にたいらしいのぉ。安心せえ、すぐに殺してやる」

勇者「そっくりそのままお返しするよ」

魔法使い「っていうか勇者様!! 防具はどうしたんですか!?」

勇者「あん? 売った」

魔法使い「何やってるんですか!!」>

勇者「だって煙草吸うにもライターなかったんだもん」

魔法使い「それでもそこまでかからないじゃないですか!!」>

勇者「ジッ○のいっちゃんいいやつ買った」

魔法使い「馬鹿なんですかあなたは!! ていうか早くナイフ構えてくださいよ!!」>

勇者「それも売った」

魔法使い「何しに来たんですか!!」>

209:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 01:02:49 ID:tHyw4rw.

勇者「まあまあ怒るなって」>

魔法使い「怒るに決まってるじゃないですか!!」>

勇者「戦士は・・・まあ無理だな。動けそうにないわな」

戦士「・・・すまん」

勇者「戦士が戦死しなくてなによりだ」

魔法使い「・・・・・・寒いです。勇者様」

勇者「だったらお前の火術で暖めろよ」

魔法使い「そういう意味じゃないです!!」>

勇者「まあ落ち着けよ。ナイフは売ったつったが誰も武器はないなんて言ってねえだろ」

魔法使い「・・・え?」

勇者「まあ見てなって。ちょっと待ってろよ、今勇者セットから出すから」ゴソゴソ

八岐大蛇「ふんっ!!」ブンッ

勇者「おっと、あぶねえ。さっき待ってくれたならもうちょい待てよ」ヒュン

八岐大蛇「黙れ!! 妾は腸が煮えくり返っておるのだ!!」>

210:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 01:05:32 ID:tHyw4rw.

勇者「はいはい。今出しますよーっと。おっ、あったあった」ガチャ

戦士「・・・なっ!?」

魔法使い「え、それって・・・」

勇者「勇者七つ道具の1つだ」

魔法使い「なんでそんなの持ってるんですか!?」

勇者「そりゃ裏のルートからちょちょいと」>

戦士「流石噂通りの男だな・・・」

勇者「そりゃどうもっと」>

八岐大蛇「・・・なんじゃそれは」

勇者「あぁ。これは人類の科学の結晶だよ」

勇者「てれれてってれー。サブマシンガンー」>

戦士「なんと・・・」

212:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 01:10:45 ID:PIsK2a/U

八岐大蛇「ほう・・・。それが人類の武器か」

勇者「ああ。まだ市場じゃ出回ってないだろうがな」カチャカチャ

魔法使い「な、なんでそんなもの持ってるんですか!!」>

勇者「死神ともなると悪い友達がいっぱい居るんだよ。あの街の武器屋さん怖かったろ?」

魔法使い「そ、そういえば・・・。ていうかあそこで買ったのこれだったんですか」

勇者「ちょっと値が張ったけどお友達価格で買わせて貰ったんでね」

八岐大蛇「まあなんでもよい。どうせ結果は変わらん。さっさと来るがよい。来ないなら妾から行くがな!!」ブンッ

勇者「だからあぶねえっての。こっちは防具がねえんだよ」ヒュン

八岐大蛇「ええい、ちょこまかと!!」>

勇者「それが俺の戦い方なんでね。よっと」ジャキッ

勇者「それじゃあ・・・こっちからも行かせてもらうぜ」ダダダダダダダダダ

魔法使い「うわっ!! すごい音です!! これなら!!」>

八岐大蛇「・・・ふむ。こんなもんかえ?」

魔法使い「・・・え?」

213:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 01:13:35 ID:PIsK2a/U

八岐大蛇「これじゃったら戦士の剣の方がよっぽど痛かったのぉ」

勇者「あーやっぱり対人間用の武器じゃダメか」

魔法使い「ちょ、ちょっと!! どうするんですか!!」>

戦士「これは私が行くしか・・・ぐっ!!」ズキッ

勇者「お前は無理すんなっての。ていうかガキは知ってんだろ。こういう時はどうするかは」

魔法使い「・・・あっ」

勇者「そういうこった。オラ、もういっちょ行くぞ」ジャキッ

八岐大蛇「なんぼでもくるがよい。そんなの痛くも痒くもないしの」

勇者「じゃっ、遠慮なく」ダダダダダダダダ

八岐大蛇「じゃから無駄じゃと」>

ヒュン

八岐大蛇「・・・がああああああ!!」ダダダダダダダダ

戦士「な!? 一体何を!?」

勇者「ちょっとした移動魔法応用編さ」

214:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 01:16:55 ID:PIsK2a/U

八岐大蛇「じゃ、じゃが妾はまだ・・・」

勇者「ほら、もういっちょ」ダダダダダダダダ

ヒュン

八岐大蛇「がはっ!!」ダダダダダダダダ

勇者「まだまだ!!」ダダダダダダダダ

ヒュン

八岐大蛇「がああああああああああ!!」ダダダダダダダ

勇者「あーらよっと」ダダダダダダダダダ

ヒュン

八岐大蛇「ぐわあああああああああああ!!」ダダダダダダダダ

勇者「やべー超楽しいいいいいいい!!」ダダダダダダダダ

戦士「あ、悪魔だ・・・」

魔法使い「そりゃ死神なんて名前つきますよ・・・」

215:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 01:20:36 ID:PIsK2a/U

勇者「アハハハハハハ!! ・・・ってあれ?」ダダダダダダダ・・・

戦士「・・・どうした勇者!?」

勇者「弾切れだ」

戦士「な!?」

八岐大蛇「ぐ、ぐ・・・。やっと終わったか・・・」

戦士「・・・・・・もう少しだったのに」

八岐大蛇「残念だったのぉ・・・。だがもう終いじゃ・・・」

勇者「まじかよ。やっちまった・・・」

戦士「ちっ、勇者この剣を使え!!」>

勇者「いや、使いたいのは山々なんだがな」

戦士「・・・何か問題でもあるのか?」

勇者「訓練してない奴が使うと骨折れんだよ」プラーン

戦士「なっ・・・なっ・・・」

216:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 01:24:10 ID:PIsK2a/U

八岐大蛇「・・・・・・万策尽きたようじゃな」

勇者「ああ、俺はもう何も出来ねえよ」プラーン

八岐大蛇「・・・・・・妾をここまで追い込んだ者は初めてじゃったが・・・残念だったな・・・。貴様にはここで死んでもらう」

勇者「いやいや、そういうわけには行かねえよ」

八岐大蛇「・・・・・・何?」

勇者「バーカ。まだ俺は何もできねえって言っただけじゃねえか。なんか勘違いしてるみたいだがこの戦いは俺とお前だけのもんじゃねえんだぞ?」

八岐大蛇「・・・・・・だが戦士はもう」

勇者「アホかお前は。こっちにはもう一人頼もしい仲間がいるじゃねえか」

八岐大蛇「まっ、まさかっ!!」>

勇者「守られるだけの女じゃねえってとこを見せてやんな」

勇者「魔法使いよ」

魔法使い「業火術!!」ゴウッ!!

217:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 01:30:17 ID:PIsK2a/U

八岐大蛇「ぐ、ぐわあああああああああああああああああああああああ!!」ゴウッ!!

魔法使い「・・・やったんですか?」

勇者「ああ。お手柄だ。クソガキ」

魔法使い「やった・・・やったー!!」>

戦士「・・・まさか魔法使いちゃんにこんな力があったなんて」>

魔法使い「見ました、勇者様!? 私が倒しましたよ!?」

勇者「ちゃんと見たっての。騒ぐな、馬鹿」

魔法使い「・・・私ちゃんと役にたてましたよね。・・・もう足で纏いじゃないですよね」ウルッ

勇者「・・・・・・自惚れんな、馬鹿っ」プイッ

魔法使い「・・・アハハ」ウルッ

八岐大蛇「・・・バカな奴らじゃ」

魔法使い「なっ!?」

戦士「まさかまだ!?」

218:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 01:34:41 ID:PIsK2a/U

勇者「いや、もう襲ってはこねえよ」

八岐大蛇「・・・・・・貴様らは・・・小娘一人のために・・・・・・後悔するがいい・・・」ゴウッ

魔法使い「・・・え? どういうことですか?」

戦士「・・・いや、私にもわからん」

八岐大蛇「・・・・・・命の重さを・・・・・・思い知るがいい・・・そして・・・・・・自分の愚かさを呪うがいい・・・・・・」

パラッ

魔法使い「・・・灰になっちゃいましたね」

戦士「・・・それにしても今のは一体どういう意味だったんだ?」

勇者「・・・・・・」

魔法使い「うーん・・・。まあ、悩んででも仕方ないですしね。帰りましょう」

戦士「・・・そうだな。ほら、娘ちゃんもこっちにおいで」

娘「あ、はい!! すみません!! 本当にありがとうございました!!」>

勇者「あぁ、居たのか。気づかなかったぜ」

魔法使い「勇者様!!」>

219:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 01:39:10 ID:EGpEcuTU

娘「すみません・・・。私何もできなくて・・・」

魔法使い「いえいえ、良いんですよ。お気持ちだけで嬉しいですよ」

娘「でも・・・」

勇者「いいんだよ。お前の親父から報酬はたっぷり貰ったから」

娘「え?」

魔法使い「身も蓋もない話ししないでください!! ていうかその報酬はどうしたんですか!?」

勇者「だからジッ○に」

魔法使い「勇者様の馬鹿あああああ!!」>

戦士「ま、まあ何はともあれ皆無事で良かったよ」

勇者「死にたがってたやつがよく言うぜ」

戦士「そ、それは・・・」

魔法使い「もういいじゃないですか!! ほら、早く帰りましょう!!」>

勇者「・・・あぁ、そうだな」

魔法使い「・・・・・・勇者様?」

220:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 01:44:37 ID:4RFlnjPA

勇者「いってええええええええええええええええええ!!」>

魔法使い「・・・え? あ、あぁ!! 骨折してたの忘れてました!!」パッ

勇者「むかついた。置いてく」

魔法使い「あ、ちょ、わ、わざとじゃないんですよ!!」>

勇者「移動ま」

魔法使い「あああああ、待ってください!!」>

戦士「ほら、魔法使いちゃん。私の手を掴んで!!」>

魔法使い「は、はい!!」>

ヒュン

221:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 01:47:02 ID:4RFlnjPA

_____
___
_

勇者「・・・・・・着いたようだな」

魔法使い「・・・え? ・・・勇者様何言ってるんですか。場所間違えてますよ? おっちょこちょいですね」

戦士「・・・・・・これは」

娘「・・・・・・え?」

魔法使い「ほ、ほらっ。早くちゃんとした場所に戻りましょう。ね?」

勇者「いや、ここで・・・」

魔法使い「そんな訳ないじゃないですか!!」>

戦士「・・・・・・」

勇者「現実を見ろ。魔法使い」

魔法使い「嫌です!! 聞きたくないです!! やめてください!!」>

勇者「この焼け野原があの村だ」

娘「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」>

222:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 01:50:19 ID:4RFlnjPA

戦士「・・・そんな・・・私は・・・」

勇者「言ってたろ、あいつが。命の重さを思い知れって。自分の愚かさを呪えって」>

魔法使い「そんな・・・そんな・・・!!」>

勇者「受け止めろ。これがお前らの行動の招いた結果だ」

戦士「・・・・・・私は何てことを」

魔法使い「あっ・・・あっ・・・」

娘「」ダッ

魔法使い「娘さん!!」>

娘「無いっ!! 無いっ!! 私の家が!! ここにあったはずなのに!!」>

魔法使い「・・・・・・」

娘「どこ!? どこなの!? 私の家はどこ!? どこどこどこどこ!?」

 

224:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 02:00:38 ID:0ElqaZE.

戦士「・・・これが・・・私の・・・目先の事しか考えていなかった罰なのか・・・」

勇者「わかったろ。お前がどんだけ馬鹿だったか」

戦士「・・・・・・」

魔法使い「・・・・・・」

娘「あはははははははははははははははははは!!」>

勇者「この光景を見てもまだ死にたいって言えるか」

娘「そっかーカクれんぼか!! おうちとパパをさがせばイイんだねー?」

戦士「・・・・・・いや・・・私はこの罪を背負って生きてかなければならない・・・・・・どんな顔をして彼らに会いに行けるというのだ・・・」

勇者「そういうことだ。お前の行動で生ききたかった奴が大量に死んだんだ」

戦士「・・・・・・・うっ」

勇者「もう死にてえなんて言うんじゃねえぞ」サッ

娘「パパどこー? 隠れんぼしてないで出てきてー? パパー? パパー?」

戦士「・・・うっぐ・・・そうだな・・・・・・すまない・・・娘ちゃん・・・・・・皆・・・・・・」

225:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 02:04:52 ID:0ElqaZE.

村人「娘ええええええええええええええええええええ!!」>

226:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 02:07:06 ID:0ElqaZE.

娘「・・・・・・・・・・・・・・・パパ

戦士「・・・・・・・・・・・・・・・え?」

娘「・・・パパああああああああああああああああああああああああ!!」ダッ

村人「娘ええええええええええええええええええええええええええ!!」ダッ

ダキッ!!

娘「パパ!! どこ行ってたのよ!! 心配したんだからね!!」>

村人「良かった・・・。生きてて・・・本当に良かった!!」>

娘「パパ!!」ギュッ

村人「娘!!」ギュッ

魔法使い「・・・え? ・・・え? どういうことですか?」

戦士「・・・勇者。私は幻覚でも見ているのか?」

勇者「お前に何が見えているかは知らんが俺には親子が抱き合ってる姿が見えるな」

戦士「・・・・・・一体どういうことだ?」

227:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 02:10:39 ID:0ElqaZE.

おお!! 娘ちゃんが生きてる!!」>
「良かった!! 助かったんだな!!」>
「やったー!! 呪いが解けたんだ!!」>
「・・・でもやっぱり家はねえな」
「そんなもんこれから作っていけばいいだろ!!」>
「・・・そうだな!! 今は娘ちゃんの無事を祝おう!!」>
「「「「「「バンザーイ!! バンザーイ!! バンザーイ!!」」」」」」」

戦士「ほ、他の皆も・・・。お、おい!! 勇者一体どういうことだ!?」

魔法使い「そ、そうですよ!! これは一体どういうことなんですか?」

勇者「あん? 俺が知るわけねえだろ」

勇者「・・・でもまあ。そうだな」

勇者「死神のご加護でもあったんじゃねえの?」

228:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 02:14:16 ID:0ElqaZE.

勇者「まっ。なんにせよよかったじゃねえか。さっさと部外者は去ろうぜ」

魔法使い「・・・そうですね!! ハッピーエンドなら良いんですよね!!」>

戦士「・・・君は」

勇者「あ? なんだよ?」

戦士「・・・いや、いうのは野暮ってもんだな。なんでもないよ」

勇者「あぁ、そうかよ。だったら先急ぐぞ。俺は宿屋で寝たいんだよ」

戦士「・・・あぁ。そうだな」

村人「ゆ、勇者様~!!」>

勇者「あん?」

229:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 02:16:52 ID:0ElqaZE.

村人「黙って行っちゃうなんて酷いじゃないですか!!」>

勇者「なんだよ? 俺は先急いでんの」

村人「せ、せめてお礼くらいは・・・」

勇者「はぁ? 俺は前金貰っただろ? 今更いらねえよ」

村人「で、ですがここまでしていただいて・・・。せめてお金くらいは・・・」

勇者「あのなぁ。これから家立てたり畑作ったりなんだりすんのに金かかんだろ。俺に渡してる余裕なんかあるわけねえだろ」

村人「しかし・・・」

勇者「はぁ、わかったわかった。貰うよ」

村人「で、ではっ」

勇者「今はいらねえよ。さっきのでたっぷり貰ったろ。これは貸しだ」

村人「え?」

勇者「俺がまたここに立ち寄った時にでも酒を奢れ。絶対忘れんなよ」

村人「勇者様・・・。はいっ!! わかりました!!」>

勇者「ぜってえ忘れんじゃねえぞ? わかったな。じゃあな。あばよっ」

村人「・・・・・・はいっ!! ありがとうございます!!」>

230:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 02:22:26 ID:IrqDcOMM

娘「・・・ところでパパ。パパはなんで無事だったの

村人「・・・あぁ。それはな」
_____
___
_

勇者「おい。頼んだとおり全員集めたか?」

村人「はいっ。これで全員です」

村人1「おいおい。勇者様。俺らはなんで集められたんだ?」

勇者「えーこほん。今日はなんとこの勇者様があの八岐大蛇を退治してくださります」

村人2「な、なんだって!!」>

村人3「それは本当ですか!?」

勇者「はい。ですが条件があります」

村人4「何だよ!! あの忌々しいやつを退治してくれるならなんでもいいぜ!!」>

村人5「そうですよ!! お願いします!!」>

勇者「その条件というのはこの村の建物を全て焼き払います」

村人6「なっ!!」>

村人7「なんじゃと・・・」

231:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 02:25:45 ID:IrqDcOMM

ザワザワ

勇者「その条件で良いのならやつを倒します」

村人8「い、家が焼かれるのは・・・」

村人9「いくらなんでもねぇ・・・」

ザワザワ

村人「・・・・・・」

勇者「やれやれ。なんでもいいって言ってこれかよ」

勇者「いいか聞け!! クズ共!!」>

勇者「家なんかはいつでも建てられんだよ!! それこそ死ぬ気になりゃな!!」>

勇者「だがな!! 死んだやつは死ぬ気になっても生き返らねえんだよ!!」>

勇者「お前らの大事な娘や息子が死んでもいいっていうのかよ!!」>

勇者「どうなんだよ!! クズ共!!」>

「「「「「・・・・・・」」」」」

232:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 02:28:22 ID:IrqDcOMM

村人8「・・・そうだよな。命より大切な物はねえよな」

村人9「ええ!! そうね!!」>

ソウダソウダー!!

村人「皆・・・」

勇者「やれやれ。本当に目先のことしか考えられねえな人間ってのは」

勇者「じゃあお前ら。お前らにこれを配るから全員行き渡ったら、皆で手を繋いで円を作れ。異論は認めねえ」

勇者「あん? これは何かって? お前らこんなのも知らねえのかよ?」

勇者「はぁ・・・。いいか? これは直前まで居た街に戻ってこれる代物だ」

勇者「原理? 知るか馬鹿。んなもん自分で調べろ」

勇者「・・・・・・おい、準備はいいか?

勇者「よし、んじゃお前らをこれから違う場所に送る」

勇者「いい子にしてろよ? なんたって俺を何日も泊めてくれた命の恩人の家だからな」

勇者「あ、そうそう。こっちに帰ってくるタイミングを言ってなかったな」

勇者「カウンターにライターが着いたら戻ってこい。んじゃあな」ヒュン

233:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 02:30:45 ID:IrqDcOMM

娘「・・・そんなことがあったんですか」

村人「あぁ。だから全部勇者様のおかげだよ・・・」

娘「なのにあんなに怖がってしまって・・・。申し訳ないことをしました・・・」

村人「それはまた今度謝らなくちゃいけないな・・・」

娘「・・・そうね」

村人「だが、勇者様は今度またここに立ち寄るって言った」

娘「本当!?」

村人「ああ。だからその時にちゃんと謝ろうな」

娘「はい!」

村人「ふふふ・・・。それにしてもいい男だったな。彼は」

娘「・・・そうね」

村人「・・・おい、お前まさか」

娘「・・・えぇ。今度来るまでには綺麗になってないとね」

村人「・・・あぁ。そうだな」

234:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 02:34:34 ID:IrqDcOMM

魔法使い「・・・やっぱり勇者様が何かしたんですね?」

勇者「は? なんの話だ? 勝手に感謝されただけだよ」

戦士「・・・君は本当に」

勇者「何だよ。まっ、そりゃタダで酒が飲めるなら万々歳じゃねえか。むしろ儲けたよ」

戦士「・・・魔法使いちゃんの言った通りだったな」クスッ

魔法使い「でしょ?」

戦士「ああ。ビックリするほどいい男だな。彼は」

魔法使い「そうですよね!! そうですよね!! わかっていただけましたか!!」>

戦士「ふふっ。魔法使いちゃんがゾッコンな理由もわかったよ」

魔法使い「なっ/// そ、それはっ///」

勇者「なんだよ二人してゴチャゴチャ喋って。うるせえな」

魔法使い「なななな何でもないですよ!!////」

勇者「ったく。本当に女が二人集まるとうるせえな」

魔法使い「・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」

235:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 02:38:59 ID:IrqDcOMM

戦士「なんだ。君は気づいていたのか」

勇者「当たり前だ」

魔法使い「・・・え、ちょっと、どういうことですか」

勇者「なんだ、お前気づかなかったのかよ?」

魔法使い「何がですか!!」>

戦士「あはは、ごめんね。私は女なんだよ」

魔法使い「・・・・・・へ?」

勇者「なんつー間抜けな面してんだよ、お前は」

魔法使い「え、だって、その・・・えー!?」

戦士「ごめんね。なんか騙したみたいになって」>

魔法使い「なんで言ってくれなかったんですか!!」>

戦士「別に騙してた訳じゃない。聞かれなかったから答えなかっただけさ」

魔法使い「た、確かに・・・」

236:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 02:41:20 ID:IrqDcOMM

戦士「それで、勇者。私は生きる目標を見つけたよ。生きたくなったよ」

勇者「ほー。そうかよ」

戦士「私を殺すかい?」

勇者「・・・まっ。その目標が叶うまでは待ってやるよ」

戦士「ふふっ。そしたら君は私を殺せなくなるぞ?」

勇者「あん? どういう意味だ?」

戦士「内緒だ。馬鹿者」

勇者「意味わからん」

戦士「・・・魔法使いちゃん」コソッ

魔法使い「は、はい」

戦士「君とはライバルになりそうだね?」コソッ

魔法使い「・・・・・・え?」

237:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 02:44:41 ID:IrqDcOMM

戦士「そんだけ。じゃっ」

魔法使い「え? え? それって」>

勇者「おい、何喋ってんだよ。さっさと行くぞ。じゃねえと置いていくぞ」>

戦士「待ってくれよ、勇者。私はどこまでもついていくよ」

勇者「あん? ・・・まぁ魔王城までだけどな」

戦士「いいや。私はその先までも着いて行くよ」

勇者「は? 何言ってんだお前は?」

戦士「ふふっ。直にわかるさ」

勇者「あぁ、そうかよ。まあどうでもいいけどよ。おい、ガキ。本当に置いていくぞ?」

戦士「私は別に二人でもいいんだよ?」

魔法使い「・・・です」

勇者「あん?」

魔法使い「そんなの駄目ですううううううううううううううう!!」>

238:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 02:47:21 ID:IrqDcOMM

これで終わりです!
長かったですが読んでくださった方ありがとうございます。
雰囲気を大事にされてる方は申し訳ありませんでした・・・汗

これからしばらく忙しいので一気に更新できないと思いますが
需要があるようなら少しづつでも更新していければいいかなと思います。

読んでくださった方ありがとうございました!

241:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 03:56:10 ID:18ONvsgk

乙!

続きも期待してる

242:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 06:16:10 ID:gPdxqJ1E

おつ
魔法使いちゃんかわいい

244:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 08:12:04 ID:.MifQ2PQ

需要?そんなもんあるに決まってんだろ

結局村は八岐大蛇の呪いで燃やされたんだよな?

246:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 18:01:31 ID:.4KbiSbU

長編の予感

248:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/08/05(月) 20:16:50 ID:BC7xCjGE

沢山のコメントありがとうございました!!

>>244,245
一応八岐大蛇の呪いのつもりです!!

勇者「この村がどうなってもか?」
村人「・・・・・・気づいてらしたんですか」

という伏線()をどこかで入れたので・・・笑

>>246
自分自身も予想以上に長くなってびっくりです汗
もっとパパッと終わらせるつもりだったんですが・・・笑
最後までお付き合いいただけると嬉しいです!

あと勇者ポイントは先に使われている方がいらっしゃったんですね汗
違う作者で申し訳ないです・・・汗
面白そうなので是非探して読んでみたいです!

それでは今日は少しですが投下して行たいと思います

 

 

勇者「死神のご加護がありますように。」その2へ続く

 

元スレ:勇者「死神のご加護がありますように。」